「共同参画」2015年 11月号

「共同参画」2015年 11月号

特集2

APEC 女性と経済フォーラム2015
内閣府男女共同参画局総務課

9月15日から18日まで、フィリピン・マニラにおいて、「APEC 女性と経済フォーラム2015」が開催されました。その概要と成果について、御紹介いたします。

9月15日から18日まで、フィリピン・マニラにおいて、「APEC 女性と経済フォーラム2015」が開催され、APEC域内の閣僚級、企業の役員級、起業家及び学識経験者など、約800名が参加しました。「包摂的な成長の原動力としての女性」をテーマに、「女性と包摂的なビジネス(エンパワーメント)」「女性とグローバル・バリューチェーン(イノベーション)」「女性と持続可能な開発(強靭性)」をサブテーマとして、経済成長や女性の経済参画について、APECエコノミー間における経験、情報及び優良事例の共有のための議論が行われました。

女性と経済に関する政策パートナーシップ〔PPWE〕(9月16日)

各エコノミーから官(実務者級)、民(役員級)が参加し、女性と経済に関する各エコノミーの取組の発表、PPWE戦略計画及び女性と経済フォーラム声明案の議論などが行われました。日本からは(株)コラボラボ 横田響子代表取締役及び政府関係者が参加しました。

横田さんは、女性起業家を支援する立場から日本における女性起業家の現状と市場アクセスに向けた支援策、女性起業家による具体的な取組などについて報告しました。

内閣府からは、大塚男女共同参画局審議官が日本国内における女性活躍推進に関する取り組み及びAPECにおいて実施している2020年までに管理職に占める女性の割合を高めるための取組について紹介。そのほか、日本プロジェクト「災害復興時の女性の活躍」(外務省)にて実施した調査報告書及びワークショップサマリーを紹介するなど、日本の貢献について報告を行いました。

女性と経済に関する官民対話〔PPDWE〕(9月17日)

ビジネス界、産業界、政府、若手の女性リーダーらが登壇し、サブテーマごとにパネルセッションが行われました。

開会式にはアキノ3世フィリピン大統領が出席し、「私は、数々の女性の活躍を目の当たりにしてきた。包摂的な社会をつくるため、ジェンダー平等の課題にアプローチし続ける。今日の議論が世界を動かすと期待している」とスピーチされました。


アキノ3世フィリピン大統領によるスピーチ


女性と経済に関するハイレベル政策対話〔HLPD〕(9月18日)

各エコノミーの閣僚級、ビジネス界の代表が出席し、女性と経済に関する各エコノミーの取組方針等についてスピーチが行われました。日本代表団の長を務めた石原一彦内閣府審議官は、女性のエンパワーメントが進む枠組みを作ることと、女性の活躍の「見える化」を促進することを政策提案し、日本においては女性活躍推進法が8月末に成立したことなどを報告しました。また、APEC域内においても日本が女性のリーダーシップ向上に焦点を当てたプロジェクトを推進していること、また女性の活躍促進に向け男性も女性も共に巻き込むことの重要性、及び本年3月に開催された国連防災世界会議における成果に基づき、粘り強い強靭な(resilient)社会構築に向けた女性のリーダーシップの発揮の必要性等について発言しました。


HLPD 各エコノミー代表によるスピーチ
〔写真:APEC Women and the Economy 2015 Foraウェブサイトより〕



HLPD 各エコノミーの代表
〔写真:APEC Women and the Economy 2015 Foraウェブサイトより〕



石原内閣府審議官によるスピーチ


また、林文子横浜市長が基調講演を行い、「日本一女性が働きやすい、働きがいのある都市」を目指す横浜の取組等を紹介し、女性活躍に向けた施策などを国際的に議論・共有する重要性を訴えました。


林市長(左端)による基調講演


閉会(9月18日)

閉会式では本フォーラムの成果である「APEC女性と経済フォーラム2015声明」が採択されました。声明には、日本から、第3回国連世界防災会議において採択された「災害リスク減少に向けた仙台枠組み2015-2030」をインプットするなどの貢献を行いました。

サイドイベント

フォーラム会場では、各エコノミーにおいて社会にインパクトのある実績や成長の潜在力を持っているロールモデルとなる女性をICONOGRAPHとして指名し、写真とともに紹介する展示が行われました。日本からは、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)代表理事 小林りんさんがICONOGRAPHとして選ばれました。そのほか、フィリピン女性による製品展示・販売(LUXE Philippines)も行われました。


ICONOGRAPH 日本による展示


※APEC(アジア太平洋経済協力)とは、アジア太平洋地域の21の国と地域(「エコノミー」と総称しています。)が参加する経済協力の枠組みです。その経済規模は、世界全体のGDPの約6割、世界全体の貿易量の約5割及び世界人口の約4割を占めています。

APECに参加して 株式会社コラボラボ 代表取締役 横田響子さん

私はPPWEで発表の機会を頂き、内閣府と共に実施した女性起業家と企業のマッチングイベントの成果、および女性起業家が大手・中小企業のイノベーションに貢献する事例の共有を行いました。他エコノミーにおいても起業家支援策として、女性起業家のグローバルネットワーキングの仕組の提案や、日本同様の女性起業家のマッチング機会の提供を重視しており、日本での取組を継続して実施する必要性を感じられる有意義な会となりました。


PPWEに参加する横田代表取締役