「共同参画」2015年 5月号

「共同参画」2015年 5月号

行政施策トピックス4

成長戦略としての女性活躍推進~ダイバーシティ経営企業100選・なでしこ銘柄~
経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室

女性の活躍推進は、ダイバーシティ経営を進める上での「試金石」として、企業のイノベーション促進、グローバルでの競争力強化に貢献すると考えられています。

1.ダイバーシティ経営企業100選

経済産業省では、平成24年度より、女性など多様な人材の能力を活かして、イノベーションの創出、生産性向上等の成果を上げている企業を選定・表彰してきました。3年目の平成26年度は、179社の応募の中から、52社(大企業28社、中小企業24社)を選定し(表1)、3年間で計141社(大企業74社、中小企業67社)の選定となりました。

各企業の取組内容は、ダイバーシティ経営企業100選のホームページに掲載しているベストプラクティス集をご覧下さい。また、各社の共通的な要素を抜き出し、ダイバーシティ経営を成果につなげるための基本的な考え方と進め方を整理した「価値創造のためのダイバーシティ経営に向けて」と、これに対応する各社の事例を紹介する「取り組みのアイデアリスト」を収録しています。

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/practice/pdf/h26_practice.pdf

今年度は、これまで選定した141社の好事例の発信とともに、ダイバーシティ経営のさらなる普及と発展を目指すべく、長時間労働削減等の男女を問わない「働き方改革」、女性の「職域の拡大」、外国人・高齢者などの活躍事例など、これまで事例の少ない分野を積極的に表彰する方向で検討します。公募時期は、6月~8月頃を予定しています。

表1 ダイバーシティ経営企業100選(平成26年度)


2.なでしこ銘柄

「なでしこ銘柄」選定の取組は、「ダイバーシティ経営企業100選」と同様、平成24年度より、開始しました。東京証券取引所と共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を、「中長期の成長力」のある優良銘柄として投資家に紹介することを通じて、各社の取組を加速化していくことを狙いとしています。平成24年度は、17社、平成25年度は26社を、平成26年度は、選定枠を拡大して、業種ごとに40社を選定しました。(表2)年々、主要な実績データの開示が進み、一次スクリーニングを通過する企業が、185社→384社→571社と大幅に増加しています。

選定企業の女性活躍推進状況については、平成26年度「なでしこ銘柄」レポートにまとめております。また、本レポートでは、新規登用管理職に占める女性比率の高い企業を、足元で女性人材の登用を特に加速させている企業として、リストアップしています。さらに、日本企業における女性活躍推進の現状として、「なでしこ銘柄」選定のスコアリング基準の各項目の開示状況や好事例を紹介しています。

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/pdf/nadeshiko2015.pdf

毎年、最新の「なでしこ銘柄」を一から選びなおす形で、今年度以降も、継続的に行っていきたいと考えています。

表2 平成26年度「なでしこ銘柄」選定企業一覧(業種順、業種内では銘柄コード順)


3.パネルディスカッション

「ダイバーシティ経営企業100選」の表彰式と「なでしこ銘柄」の発表会を3月18日に行いました。その際、過去の選定企業を代表して、日産自動車株式会社の志賀俊之代表取締役副会長とサイボウズ株式会社青野慶久代表取締役社長をパネリストにお迎えし、「働き方改革と男性社員の巻き込み方」について、ご議論いただきました。その模様は、こちらからご覧になれます。

 http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/kigyo100sen/ceremony/index.html