「共同参画」2015年 5月号

「共同参画」2015年 5月号

行政施策トピックス3

新しい「少子化社会対策大綱」について
内閣府子ども・子育て本部

3月20日に新しい「少子化社会対策大綱」を閣議決定しましたので、主な内容を紹介します。

(1)基本的な目標の設定

個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくることを、少子化対策の基本的な目標として設定しました。個々人の希望がかない、安全かつ安心して子供を生み育てられる環境の整備を進めます。

(2)「集中取組期間」の設定

現在の少子化の状況は、我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない危機的状況にあり、直ちに集中して取り組む必要があります。このため、今後5年間を「少子化対策集中取組期間」と設定し、政策を集中投入するとともに、長期的な展望を持って、子供への資源配分を大胆に拡充し、継続的かつ総合的な少子化対策を進めることとしています。

(3)5つの「重点課題」を設定

  • (1)子育て支援施策を一層充実させる。
  • (2)若い年齢での結婚・出産の希望が実現できる環境を整備する。
  • (3)多子世帯へ一層の配慮を行い、3人以上子供が持てる環境を整備する。
  • (4)男女の働き方改革を進める。
  • (5)地域の実情に即した取組を強化する。

(4)子育て支援施策を充実する

全ての子育て家庭を支援する子ども・子育て支援新制度の本格施行等により、子育ての様々なニーズに対応するとともに、一人一人の子供の健やかな育ちを支援します。また、待機児童の解消や「小1の壁」の打破に取り組みます。

(5)結婚や教育段階の支援を追加

初婚年齢の上昇や、若い世代での未婚率の増加が、少子化の大きな要因です。(図(1)、(2))若い世代の結婚の希望がかなうような環境の整備が極めて重要であることから、結婚や教育段階の支援を加え、結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた支援を切れ目なく行います。

「子育て世代包括支援センター」の整備などにより、妊娠から子育てまでの切れ目のない支援体制の構築に取り組むとともに、マタニティハラスメント防止の取組の充実を図ります。

図(1) 平均初婚年齢・母親・父親の第一子出生時の平均年齢推移 資料:厚生労働省 人口動態調査


図(2) 性別・年代別未婚率 資料:総務省統計局「国勢調査報告」


(6)多子世帯に対する一層の配慮

夫婦の45%が3人以上の子供を持つことを理想としている一方で、様々な面での経済的負担が第3子以降を持てない最大の理由となっています。全ての子育て家庭を支援していく中で、3人以上子供を持ちたいとの希望を実現するための環境を整備します。

(7)男性の意識・行動改革を促進

男性の家事・育児への参画が少ないことが少子化の原因の一つです。長時間労働の是正に加え、人事評価制度の見直しなど経営者・管理職の意識改革を促すとともに、男性が出産直後から育児を行えるよう、出産直後の休暇取得を促進します。

(8)女性活躍推進や地方創生との連携

女性が仕事か子育てかの二者択一とならないよう、仕事と家庭の両立支援、妊娠・出産前後での継続就業の支援、学び直し支援、再就職支援などの充実を図るとともに、働く場面での女性の活躍を支援するための法的枠組みを整備します。また、実効性のある少子化対策を進める上で「地域」の実情に即した取組が重要であり、また、少子化対策は地方を創生する上で極めて重要であることから、「地方創生」との連携した取組を進めます。

(9)社会全体で行動

行政に加え、地域、企業など社会全体で少子化対策を推進し、結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくりを進めます。また、「見える化」やインセンティブ付与などにより、企業の取組を促進します。

(10)数値目標を設定

子育て支援などの個別施策について、今後5年間を目途として、数値目標を設定し、その進捗をフォローアップすることとしています(図(3))。

図(3) 主な施策の数値目標(2020年)


○概要や全文は、以下からご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/law/taikou2.html