「共同参画」2015年 5月号

「共同参画」2015年 5月号

行政施策トピックス2

第3回国連防災世界会議について
内閣府男女共同参画局総務課

※総理や大臣のスピーチ全文、内閣府主催ワークショップの資料等は内閣府男女共同参画局ホームページに掲載しています。
http://www.gender.go.jp/policy/saigai/kokurenbousai.html

第3回国連防災世界会議

国連防災世界会議はグローバルな防災戦略を策定する国連主催の会議であり、第1回世界会議(1994年、横浜市)、第2回世界会議(2005年、兵庫県神戸市)ともに日本で開催されました。第2回国連防災世界会議では、2005年から2015年までの国際的な防災の取組指針である兵庫行動枠組(HFA)が策定されました。

第3回国連防災世界会議は、2015(平成27)年3月14日~18日に、仙台市で開催され、187か国の代表、国際機関代表、認証NGO等6千500人以上が参加し、関連事業を含めると国内外から延べ約15万人以上が参加する大きなイベントとなりました。

■ハイレベル・パートナーシップ・ダイアローグ「女性のリーダーシップの発揮」

3月14日(土)には、首脳級の参加をはじめ幅広いステークホルダーが出席するハイレベル・パートナーシップ・ダイアローグとして、「防災における女性のリーダーシップの発揮」について議論が行われました。

本セッションは、高市早苗総務大臣が共同議長を務め、安倍晋三内閣総理大臣が基調講演を行いました。

安倍総理は、仙台市岩切地区の女性たちによる防災宣言や、気仙沼市の手編みニット工房等の事例を紹介しながら、「女性の力強さを、防災に、災害からの復旧に、そして災害から地域が立ち上がるために、生かしていきたい。災害に立ち向かうために女性のリーダーシップが不可欠」、「災害に強靭な社会、つまり『レジリエンス』を持つ社会の構築には、女性が原動力となることが不可欠」と述べました。また、スピーチの中で、日本の新しい防災協力イニシアティブの主要プロジェクトの1つとして、「防災における女性のリーダーシップ推進研修」を開始することや、本年夏に開催するWAW! Tokyo2015のテーマの1つとして「女性と防災」を取り上げ、世界に向けて女性のリーダーシップの重要性を訴えていくことを発表しました。

その後のディスカッションでは、各出席者から、統計データの収集・分析や男性の意識改革等の重要性について発言がありました。


ハイレベル・パートナーシップ・ダイアローグ
(於:仙台国際センター)



基調講演を行う安倍総理大臣
(於:仙台国際センター)


■仙台防災枠組2015-2030

第3回国連防災世界会議では、新たな国際的な防災の枠組である「仙台防災枠組2015-2030」と、枠組の推進に向けて高いレベルでのコミットメントを示した「仙台宣言」が策定されました。

仙台防災枠組には、事前の防災投資、「より良い復興(Build Back Better)」、多様な主体の参画によるガバナンス、人間中心のアプローチ、女性のリーダーシップの重要性等、日本が重視する点が盛り込まれました。

また、指導原則に、女性のリーダーシップの促進が明記されたほか、ステークホルダーの役割としての女性とその参加、及び、女性の能力構築が盛り込まれました。

パブリック・フォーラム

会期中、一般参加が可能なパブリック・フォーラムとして、日本政府、地元自治体、民間企業、学術界、NGO等、国内外の諸団体が、仙台市内や被災隣接県会場において、様々なシンポジウムやセミナー、展示等を行いました。

仙台市男女共同参画推進センター「エル・パーク仙台」は、「女性と防災」テーマ館として、男女共同参画に関する様々なイベントを開催しました。


「女性と防災」テーマ館
(於:エル・パーク仙台)


■仙台市・UNDP主催「防災における女性のリーダーシップ」(3月15日)

「女性と防災」テーマ館の特別プログラムとして、仙台市及び国連開発計画(UNDP)主催のシンポジウムが開催され、有村治子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が出席しました。

開会に当たり有村大臣は挨拶を行い、「防災・復興において女性の視点がより活かされることは、家族の健康や安定に直結し、地域の安全・安心につながり、国々の活力になっていく」と述べました。

ヘレン・クラークUNDP総裁による基調講演では、災害による被害が女性に偏っている男女の「レジリエンス・ギャップ」に触れ、女性のリーダーシップの促進は、災害に強い国づくりを支援するUNDPの取組の中でも不可欠と述べ、女性が男性と対等に参画し、リーダーシップを発揮することが必要と話されました。


挨拶を行う有村大臣
(於:エル・パーク仙台)


■外務省・内閣府・復興庁主催「災害復興時の女性の活躍」(3月18日)

3月18日(水)に、外務省、内閣府、復興庁の主催によるワークショップが開催されました。これは、APECワークショップとして開催されたものです。

「災害復興時の女性の活躍~地域経済再生の視点から~」と題し、東日本大震災やアジア太平洋地域における自然災害からの復興過程において見られた女性の起業と復興への貢献事例を共有するとともに、女性による起業の成功・阻害要因等について、一般の参加者も交え活発な議論が行われました。

第1部は、「復興時の女性の経済的エンパワーメント事例調査」の結果について、目黒依子 Gender Action Platform代表から報告があり、第2部は、「災害復興過程における女性の活躍及び起業・活躍における事例報告」として、宮城県、福島県、岩手県、フィリピン、チリからのスピーカーによる発表とディスカッションがありました。

第3部は、「女性の果たす役割の重要性、女性の活躍促進と起業の成功・阻害要因と効果的な支援メニュー」と題して、OECD東京センター、復興庁、オックスファム・ジャパン、レディ・アジアパシフィック、タイとニュージーランドからのスピーカーによるパネルディスカッションの後、フロアとの活発な意見交換が行われました。


外務省・内閣府・復興庁主催ワークショップ
(於:エル・パーク仙台)


■「女性と防災」企画展(3月14日~18日)

内閣府男女共同参画局は「女性と防災」テーマ館の企画展に、ブースを出展しました。

「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」の内容をまとめたパネルのほか、男女共同参画局が昨年12月に福島市で開催した「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ~第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム~」の開催報告や、男女共同参画推進連携会議「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組推進」チームの活動報告等を展示しました。

展示会場では、冊子やリーフレットを来場者に配布したほか、前述の12月のシンポジウムでのリレートークの映像を上映しました。

企画展で使用したパネルは、貸出可能です。御希望の方は上記ホームページを御覧ください。


「女性と防災」企画展
(於:エル・パーク仙台)



内閣府男女共同参画局の展示ブース
(於:エル・パーク仙台)