「共同参画」2015年 1月号

「共同参画」2015年 1月号

行政施策トピックス2

「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム〜」開催報告
内閣府男女共同参画局総務課

平成26年12月3日(水)、「防災・復興における女性の参画とリーダーシップ〜第3回国連防災世界会議に向けてのシンポジウム〜」を福島市内で開催しました。全国各地から約150名の参加がありました。

基調講演

国連国際防災戦略事務局(UNISDR)駐日事務所代表の松岡由季さんから、「防災・減災に関するグローバルな取り組み:兵庫行動枠組と後継枠組に関する議論について」と題した基調講演がありました。

松岡さんからは、「兵庫行動枠組2005-2015」(2005年の第2回国連防災世界会議で採択された世界の防災活動の指針)の後継枠組の議論において、女性を脆弱な存在としてのみ捉えるのではなく、防災に関する計画策定・意思決定に女性が主体的に参画することが重要であるとの認識が高まっていること、また会議での主なセッションの一つとして女性のリーダーシップがテーマとなっていることなどの紹介がありました。

基調講演
基調講演


パネルディスカッション

「過去の災害対応の経験と教訓〜男女共同参画の視点から〜」と題し、清原桂子さん(神戸学院大学教授)をコーディネーターに迎え、5名のパネリストによるディスカッションが行われました。

最初に、清原さんから阪神・淡路大震災の経験と、東日本大震災で繰り返された男女共同参画の課題(女性用救援物資の不足、意思決定過程への女性の参画の不足等)、震災後の国の動き等が報告されました。

続いて、久保田崇さん(岩手県陸前高田市副市長)、宗片恵美子さん((特活)イコールネット仙台代表)、千葉悦子さん(福島県男女共生センター館長)から、東日本大震災での経験と教訓が報告され、信政ちえ子さん(広島市男女共同参画推進センター長)から、26年8月の広島豪雨災害における男女共同参画の視点での避難所対応について報告がありました。

次に、堂本暁子さん(男女共同参画と災害・復興ネットワーク代表)から、第3回国連防災世界会議の第2回準備会合でも、女性の参画とリーダーシップの育成に関する議論があったことなどの報告がありました。

意見交換では、男性にとっての男女共同参画の重要性や、厳しい状況の中で地域再生のために力を発揮しようとしている女性農業者の話も出ました。

最後に、災害の顔は災害ごとに違い、また地域によって出方も異なるが、共通して必要なものは、地域の人々が男女ともに力をつけ、横のネットワークを広げること。女性がリーダーとして活躍するためには、トレーニング・人材育成が不可欠であることを会場の参加者と共有し、シンポジウムは閉会しました。

パネルディスカッション
パネルディスカッション


展示・リレートーク(別会場で実施)

リレートークでは、(特活)石巻復興支援ネットワークの兼子佳恵さん、(特活)カリタス釜石の小笠原綾子さん、千田榮さん、きぼうのたねカンパニー株式会社の菅野瑞穂さんに、東日本大震災の経験やその後の活動等についてお話をいただきました。

展示会は、計12団体が参加しました。日頃の活動風景を大きなパネルで紹介したり、仮設住宅にお住いの方々が作成した色とりどりのタペストリーや避難所訓練で使用した非常食を展示したり、様々な地域の多様な活動を一つの会場で体験できる貴重な機会となりました。

リレートーク
リレートーク

展示(広島市安佐南消防団せせらぎ女性消防隊の展示)
展示(広島市安佐南消防団せせらぎ女性消防隊の展示)


第3回国連防災世界会議公式ロゴマーク
2015年3月14日(土)〜18日(水)
「第3回国連防災世界会議」(世界各国の代表が国際的な防災戦略を議論する国連主催の会議)が仙台市で開催されます。