「共同参画」2014年 8月号

「共同参画」2014年 8月号

取組事例ファイル/自治体編

宮城県

宮城県章


復興推進に男女共同参画の視点を

東日本大震災の発生から約3年半が経過しました。

これまで、皆さまからのたくさんのご支援や励ましの言葉に支えられながら、復興へ向けた歩みを進めてまいりました。心温まるご支援に、感謝申し上げます。

宮城県では、平成24年8月に宮城県男女共同参画審議会から「宮城県の復興推進に男女共同参画の視点を」との提言を受け、復興の過程や防災分野に男女共同参画の視点を取り入れて事業を推進しています。

被災者の悩みの解消

被災地においては、長引く避難生活や生活不安などの影響によるストレスの高まりから、被災者の方々が様々な悩みを抱えることや、配偶者やパートナーからの暴力が生じることが懸念されました。

しかし、支援する立場にある地方公共団体そのものも「被災者」であるため、相談対応に十分に手が回る状況にはありませんでした。

こうしたことから、内閣府と宮城県で女性の悩み・暴力相談窓口を平成23年9月に開設し、電話と面接による相談を開始しました。この事業では、全国から専門性の高い相談員の方々にお越しいただき、地元相談員と一緒に相談を受けていただくとともに、地元相談員の人材育成にも取り組んでいただいております。

みんなで備える防災・減災

東日本大震災後の、様々な調査結果等では、被災者支援や避難所運営に当たり、女性や子育て家庭等への配慮が十分でなかったとの指摘がありました。

この反省を踏まえ、今後の防災・復興分野の取組に男女共同参画の視点を積極的に取り入れていくための基礎資料とすることを目的として「東日本大震災での被災者支援等における男女共同参画の状況調査」を平成24年度に実施しました。

平成25年度には「男女共同参画・多様な視点 みんなで備える防災・減災のてびき」を作成するとともに、防災実践講座を県内4カ所で開催し、232人の防災の普及啓発を図るリーダーを養成しました。

防災実践講座の様子
防災実践講座の様子

男女共同参画・多様な視点「みんなで備える防災・減災のてびき」
男女共同参画・多様な視点「みんなで備える防災・減災のてびき」


「復旧」にとどまらない「創造的復興」を

宮城県では、震災前の状態に戻す「復旧」にとどまらない「創造的復興」を目指しています。このためには、女性の一層の活躍が不可欠です。

これまでも、男女ともに働きやすい就業環境づくりを促進するため、ポジティブ・アクションやワーク・ライフ・バランスを推進している企業等を「女性のチカラを活かす企業」として認証する制度を実施してきましたが、取組の更なる拡大を図るため、平成25年度に認証のメリットの拡充と、認証を目指す企業等を対象とした「取組宣言制度」、認証時のポイントが高い企業等を「ゴールド認証企業」と位置づける制度を導入しました。

この制度の広報には「ワーク・ライフ・バランス推進連携協定」を締結している第一生命保険(株)様のご協力をいただいております。

「女性のチカラは企業の力」普及推進シンポジウムの様子
「女性のチカラは企業の力」普及推進シンポジウムの様子


宮城県の男女共同参画の視点からの復興の一端をご紹介しました。

皆さまには、引き続き、被災地の復興に心をとどめていただき、今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

宮城県は、日本三景松島や蔵王の御釜、大崎の鳴子峡などの風光明媚な景観、「食材王国みやぎ」が誇るお米、仙台牛、カキ等の美味しい食べ物、豊富な泉質を誇る鳴子温泉郷や秋保温泉に代表される温泉などの多彩な観光資源を有しており、四季折々の表情を楽しむことができます。2015年には仙台市営地下鉄東西線開業や、夏の観光キャンペーンを控えております。訪れる皆様が一層元気になっていただけるよう、笑顔いっぱいのおもてなしでお迎えいたします。仙台・宮城で、たくさんの笑顔を咲かせてください。お待ちしております。