「共同参画」2013年 8月号

「共同参画」2013年 8月号

特集2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、
女性のチャレンジ賞、
男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰
内閣府男女共同参画局総務課

平成25年6月28日、総理大臣官邸において、菅内閣官房長官、森内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、女性のチャレンジ賞、男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰の表彰式が行われました。

本年度の受賞者は以下の皆様です。(50音順・敬称略)

本年度の受賞者


<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰>

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた機運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。


内永 ゆか子 特定非営利活動法人 ジャパン・ウイメンズ・イノベイティブ・ネットワーク理事長(東京都)
内永 ゆか子
特定非営利活動法人ジャパン・ウイメンズ・イノベイティブ・ネットワーク
理事長
(東京都)

業種や業態の枠を超えた女性企業人の相互研鑽、ネットワーキングの構築等のために特定非営利活動法人ジャパン・ウイメンズ・イノベイティブ・ネットワーク(J-Win)を設立し、女性リーダーの育成、能力開発等を行うとともに企業経営者への情報提供、意識改革に尽力されています。また、内閣府男女共同参画会議議員等として、男女共同参画社会づくりの推進及び女性の地位向上に貢献されています。


遠藤 恵子 元(公財)せんだい男女共同参画財団 理事長(宮城県)
遠藤 恵子
元(公財)せんだい男女共同参画財団
理事長
(宮城県)

宮城県内市町の男女共同参画推進審議会等の会長として、男女共同参画基本計画の策定等に貢献するとともに、仙台市男女共同参画推進センター(エル・パーク仙台及びエル・ソーラ仙台)を管理する(公財)せんだい男女共同参画財団の初代理事長を務め、地域の男女共同参画推進の先導役として活躍されています。東日本大震災発災後は、女性の視点による被災者支援や日本女性会議2012仙台の開催に尽力し、さらに復興を先導する女性の育成に向けて取り組まれています。


岡村 正 株式会社東芝 相談役(神奈川県)
岡村 正
株式会社東芝
相談役
(神奈川県)

株式会社東芝の役員として、女性社員の活躍推進を目的とする組織的な支援を行うなど、企業活動等を通じて、仕事と生活の調和の実現、女性が働きやすい環境整備、女性の能力開発・能力発揮に対する支援に尽力された。また、内閣府男女共同参画推進連携会議議員として、男女共同参画社会づくりに向けた国民的な取組の推進に貢献されています。


久保 八百子 元群馬県農村生活 アドバイザー 協議会会長(群馬県)
久保 八百子
元群馬県農村生活アドバイザー協議会
会長
(群馬県)

群馬県農村生活アドバイザー協議会会長として、農業委員の女性登用にかかる首長等への要請活動を積極的に行い女性登用率向上に貢献されました。農村女性代表として、ぐんま農業農村男女共同参画ステップアップ委員等を務め、群馬県全体の農業・農村における男女共同参画推進ビジョンの策定に参画するとともに、ぐんま農村女性会議会長として、女性農業者の社会参画に尽力され、現在は農業委員として、地域農業の活性化に活躍されています。


後藤 明子 元佐賀県女性団体 協議会副会長(佐賀県)
後藤 明子
元佐賀県女性団体協議会
副会長
(佐賀県)

18団体(当時)が加盟する佐賀県女性団体連絡協議会副会長等として、県内各地の女性団体の育成やネットワークづくりなどに尽力されるとともに、佐賀県女性海外派遣事業に参加した者で結成された「佐賀県翼の会」会長としても、女性のエンパワーメントやまちづくりを目的とする男女共同参画フォーラムの開催に尽力された。また、武雄市女性ネットワークの会代表理事として、積極的に女性の活躍の場や交流の場を広げる活動に取り組まれるなど、男女共同参画社会づくりに貢献されています。


後藤 澄江 元愛知県男女共同参画審議会 会長(愛知県)
後藤 澄江
元愛知県男女共同参画審議会
会長
(愛知県)

愛知県男女共同参画審議会会長として「新あいち男女共同参画プランの基本方向について」の答申のとりまとめに多大な貢献をされ、また、半田市、東海市の男女共同参画懇話会会長等として地域の男女共同参画の進展に尽力され、県内外の研修会の講師としても男女共同参画の普及・啓発に大きく寄与されています。


坂上 有利 元奈良県地域婦人団体連絡協議会 会長(奈良県)
坂上 有利
元奈良県地域婦人団体連絡協議会
会長
(奈良県)

昭和47年に地域の婦人会に入会され、その後、婦人会会長、奈良県地域婦人団体連絡協議会副会長・会長、全国地域婦人団体連絡協議会奈良県代表等に就任されるなど、永年にわたり婦人会活動を通じて女性の地位向上や男女共同参画社会づくりに貢献されています。


佐藤 惠子 元青森県男女共同参画審議会 会長(青森県)
佐藤 惠子
元青森県男女共同参画審議会
会長
(青森県)

女性学・女性問題・女性福祉を専門分野として、大学における学生の教育や女性リーダーの育成に長年携わるとともに、青森県男女共同参画推進条例の制定や基本計画の策定、DV基本計画の策定など、県や市町村における男女共同参画行政の推進において中心的な役割を果たし、多大な功績がありました。また、自らNPO法人のメンバーとして、地域に密着した男女共同参画の推進やDV被害女性の相談・支援活動等草の根レベルの活動を長年にわたり続け、近年は、乳幼児を抱える母親たちが、自分らしく生きるための支援に活躍されています。


高木 絹子 元熊本県男女共同参画審議会 会長(熊本県)
高木 絹子
元熊本県男女共同参画審議会
会長
(熊本県)

熊本県男女共同参画審議会会長として、「第2次熊本県男女共同参画計画」、「熊本県配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画」の策定に尽力されるなど、男女共同参画社会づくりに多大な貢献をされています。また、熊本県弁護士会会長に就任されるなど女性の少なかった分野でロールモデルとしても活躍されています。


野々山 久也 兵庫県男女共同参画審議会 副会長(兵庫県)
野々山 久也
兵庫県男女共同参画審議会
副会長
(兵庫県)

兵庫県男女共同参画審議会副会長、同政策部会長として「新ひょうご男女共同参画プラン21」などの策定に尽力され、また兵庫県家庭問題研究所所長としても男女共同参画に関連する調査研究を毎年テーマを変えながら実施するなど兵庫県男女共同参画施策の推進に貢献されています。


松田 千鶴子(公財)ふくい女性財団 理事長(福井県)
松田 千鶴子
(公財)ふくい女性財団
理事長
(福井県)

47団体が加盟するふくい女性財団理事長として、県内の男女共同参画を進める団体の相互連携・協調を図るとともに、財団の公益法人化に尽力され、また、JA運営への女性参画、正組合員化や女性の視点を生かした地産地消、6次産業化に尽力するなど、農業分野における男女共同参画の推進に貢献されています。


<女性のチャレンジ賞>

女性のチャレンジ賞は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための機運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞 5件

浅利 妙峰(有)糀屋本店 代表取締役社長(大分県)
浅利 妙峰
(有)糀屋本店
代表取締役社長
(大分県)

杜氏と呼ばれる男性が主流のこうじの製造現場において、自らを「こうじ屋ウーマン」と名乗りブログを通じてこうじの魅力を発信するとともに「活用法が分かれば買ってもらえるかもしれない」と考え、こうじを使ったレシピを積極的に発信しました。

また、平行して自社ブランドの開発にも取り組み、甘酒の原液である「甘糀」、江戸時代から広く使われていた「塩糀」、新たな発想による「こうじ納豆」など次々と新商品を開発し、家庭に不可欠な調味料の一つとして、塩糀を塩、甘糀を砂糖の代わりに料理に使うように売り込んだことにより、糀の認知度は飛躍的にアップしました。混迷を極めていたこうじ業界を飛躍させ、廃業寸前の老舗を復活させるとともに、「塩糀」ブームの火付け役として全国の仲間に勇気をあたえました。


籠田 淳子(有)ゼムケンサービス 代表取締役(福岡県)
籠田 淳子
(有)ゼムケンサービス
代表取締役
(福岡県)

男性が多数を占める建設業において、新入社員から育児中、子育てが一段落した者など、多様なライフステージにある女性社員が各自の事情に応じて働けるようワークシェアリングの導入等、「女性だからできる経営」を実践しています。

また、全国的に建設投資額が低迷する中、女性社員が多いことを「弱み」から「強み」へと転換するため、本業である建築業から派生した新規事業「JKDT女性建築デザインチームによるまちづくりへの挑戦」は、女性の視点をデザインや設計に生かし、「家づくり」「店づくり」「まちづくり」そして「幸せづくり」につなげていくもので、自社のみならず、全国の有志とともに進めるプロジェクトであり、店舗、住宅、医療・福祉施設などで多数の実績を残し、高い評価を受けています。


佐藤 真琴(株)PEER 代表取締役(静岡県)
佐藤 真琴
(株)PEER
代表取締役
(静岡県)

看護学校時代に、看護実習で受け持った白血病患者が、抗がん剤の副作用で脱毛したが、高価なかつらは治療費のため断念、他界してしまった経験から、看護学校在学中に起業しました。

起業以来、「抗がん剤の副作用などで髪が抜けて日常生活が困難になった状態を、丸ごと何とかする」というコンセプトのもと、がん患者の切実なニーズに応え、経済的基盤の弱い女性も購入しやすい価格設定のかつらを販売するほか、専門美容室を開業する等、がん治療しながら社会生活を送る女性患者の生活の質の向上に貢献しています。


能登 祐子 能代市 自治会長(秋田県)
能登 祐子
能代市
自治会長
(秋田県)

能代第一中学校で初の女性PTA会長を務め、その後、地域活動へ積極的に参加し、交流の場を欲している多くの女性の声を受け、上町自治会に女性部「上町すみれ会」を創設しました。女性の視点で町内の困り事の解決に向けた活動を開始し、能代市内自治会において初の女性自治会長に就任しました。実践をより重視した自治会活動を展開し、「自主防災組織」を立ち上げ、ハザードマップ作成、災害危険度の学習等を通じた「人との繋がり」及び「防災力向上」の取組を他に先駆けて実践する等、防災分野に尽力されました。


横田 響子(株)コラボラボ 代表取締役(東京都)
横田 響子
(株)コラボラボ
代表取締役
(東京都)

女性社長の可能性を広げる事業継続支援サービスを軸として起業し、日本最大の女性社長コミュニティサイト「女性社長.net」の運営等、現在1300名強の女性事業主コミュニティを運営しています。

また、女性経営者を支援をする活動、女性の雇用を促進する活動、企業のイノベーションに貢献し、さらには、被災地企業と首都圏を中心とした女性経営者との連携支援にも貢献している等、多岐にわたり活躍をしています。


(2)女性のチャレンジ支援賞 1件

(株)グロッシー(北海道)
(株)グロッシー(北海道)

北村社長が十勝の素晴らしい食材で外貨を稼ぎ地元を活性化するため、食品のネット通販会社(株)グロッシーを設立し、さらに、キャリア形成や起業を目指す女性のネットワーク組織「十勝キャリアデザインネットワーク」を設立し、事務局を(株)グロッシー内に設置しました。

その活動目標は「管内の企業の女性管理職(課長以上)の割合が10%を超えること」「本ネットワークを介し起業する女性が100人を超えること」とし、企業内のキャリアアップを求めることや起業を考えることが特別ではなくなることを目指しています。

また、同組織主催の「キャリアデザイン大賞」を2011年から隔年で開催し、実行委員長として、様々な働き方を通じて頑張っている女性を発掘、表彰し働く女性のロールモデルとしてPRしています。

(3)女性のチャレンジ特別部門賞「女性活躍企業リーダー」 4件

生駒 京子(株)プロアシスト 代表取締役(大阪府)
生駒 京子
(株)プロアシスト
代表取締役
(大阪府)

「IT」という目に見えないものを売っているからこそ、一番大切にしているのは「人」を経営方針に掲げ、社員の働きやすい環境を作るとともに、男女が同一線上で積極的に仕事に取り組むことを実践し、幹部女性を多く登用しています。

人材の育成には強い信念を持ち、社内外で人材育成に熱心な企業とのネットワークを構築するとともに、地域の行政・企業・大学等の女性、若者の働きやすい環境作りの様々な取組みに対して、アドバイスや講演などを通じて、積極的に協力していく姿勢は、地域において高く評価されています。


川原 正孝(株)ふくや 代表取締役社長(福岡県)
川原 正孝
(株)ふくや
代表取締役社長
(福岡県)

代表取締役社長として、女性社員の育児休業取得を進め、職場への復帰1か月前に、復帰後の勤務時間の希望や子育て環境を十分に聞き取り、可能な限り希望に沿った柔軟な復職支援を行っています。さらに、社員がキャリアアップのために資格取得を目指す際には、男女に関わらず受験料を会社が負担する等、きめ細かな取り組みを行い、女性社員の就業継続、育成に積極的に取り組んでいます。

また、平成25年5月19日に安倍首相の参加のもと開催された「若者・女性活躍推進フォーラム(第8回)」では、仕事と家庭の両立支援の取り組み、女性の活躍を進める必要性・効果や、男性の理解が必要であることを提言・発信しています。


林 克重 タカラ印刷(株)代表取締役(福島県)
林 克重
タカラ印刷(株)
代表取締役
(福島県)

1995年の北京会議に役員を参加させ、そこで学んだ企業における女性の起用・能力開発の重要性を活かし、社内の改革に取り組み、社内横断的に女性の視点・生活者の視点でのチームを結成して企画開発を行った結果、売上げアップにつながり、女性活用による成功事例を作りました。

また、女性社員をパートタイマーのまま管理職として営業課長に起用するなど、やる気のある社員に機会を提供し、活気があって働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。


福井 真紀子(株)ハーモニーレジデンス 代表取締役(東京都)
福井 真紀子
(株)ハーモニーレジデンス
代表取締役
(東京都)

2007年に日本で初めてシングルマザーの正社員人材に特化した人材紹介を開始しました。「女性をもっと活用したいが、先頭を走ってくれる女性のお手本がいない」という企業の切実なニーズに着目し、優秀なシングルマザーを100社以上の企業に「ロールモデル」としての紹介実績があり、リピート求人依頼率も90%以上の実績を残しています。

誰もが当たり前に子育てと仕事の両立ができる社会の実現に貢献することを使命に、ロールモデル・女性管理職の優秀な女性人材の紹介事業を展開しています。特に女性管理職が少ないのは、「社内にリーダー候補が少ない」「居ても経験や研修を受けさせる余裕がない」という2点に着目し、選抜した女性管理職候補者に「リーダーシップ研修」を提供し、研修修了者と企業が参加する、「女性管理職候補者 採用合同面接会」を開催するなど、参加者双方から大変高い評価を得ています。また、女性管理職を30%にするという政府目標にも寄与しております。


<男女共同参画週間キャッチフレーズ表彰>

安本 実織(兵庫県)
安本 実織
(兵庫県)

男女共同参画を推進する、特に、女性が様々な分野で活躍することにより、日本が元気になることが伝わるようなキャッチフレーズを募集し、応募総数3,290点の中から、審査の結果、安本実織さんの作品「紅一点じゃ、足りない。」を最優秀作品に決定し、森大臣から表彰しました。

<男女共同参画に関する懇談会>

6月28日、男女共同参画に関する懇談会を総理大臣官邸において開催しました。菅内閣官房長官、谷垣法務大臣にもご参加いただき、男女共同参画に関する表彰受賞者、男女共同参画に深い見識を持つ方々や各界で活躍する女性など200名余りにお集まりいただき、意見交換をしました。森大臣は、挨拶において、「女性の中に眠る能力を十二分に開花させていただくべく、関係大臣とも連携しながら、従来からの取組を強化・加速化するとともに、新たな取組にも果敢に挑戦していきたい。」と述べました。