「共同参画」2013年 8月号

「共同参画」2013年 8月号

特集1

いまこそ、女性の活躍を!~みんなで考え、みんなで変える!~
「平成25年度男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」について
内閣府男女共同参画局総務課

男女共同参画週間の中央行事として、6月28日(金)、メルパルクホール東京(東京都港区)において、「平成25年度男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」(シンポジウム)が開催されました。約870名の方々が出席し、会場は拍手や笑いで熱気に包まれました。

平成25年6月28日に、男女共同参画週間の中央行事として、「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」を開催しました。今年のテーマは、「いまこそ、女性の活躍を!~みんなで考え、みんなで変える!~」です。

森大臣の開会挨拶

開会にあたり、森まさこ内閣府特命担当大臣(男女共同参画)から、「仕事で活躍している女性も、家庭に専念している女性も、全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝けるような国づくり、地域づくりを進めていくきっかけとして頂ければ幸いです。」と挨拶がありました。

森まさこ内閣府特命担当大臣


基調講演

坂東眞理子昭和女子大学学長より、「女性の活躍が切り拓く日本の未来」と題して、講演が行われました。

坂東さんは、安倍総理の成長戦略スピーチ等から「日本の女性が、社会が、変わり始めている。政府が本腰を入れて女性の活用に取り組もうとしている。久しぶりに動き出した、と感じている。」と述べました。

しかし、我が国では、なぜ女性のリーダーが少ないのか、その理由として、女性リーダーに対する偏見があること、女性自身がリスクを取ってリーダーになろうとする意欲が少ないことなど、5つを挙げられました。その中で、「例えば“偏見”とは、“女性のリーダーは感情的”“危機に弱い”“最後に責任を取らない”といったもので、それにより、チャンスすら与えられず、経験を積むことができないという悪循環が発生している。女性も男性も、職場で成長するためには、“機会があり”、“鍛えられ”、“期待して”という3つの“き”が必要です。」との話がありました。そして、期待される女性リーダーの具体像を「男性と同じパフォーマンスを示すだけでなく、男性と異なる理想やビジョン、それを実現するための新たな手法を持つ、新たなリーダーシップのスタイルがあること。」と示されました。

坂東眞理子昭和女子大学学長

最後に、「GIRLS BE AMBITIOUS!」、女性たちが人間として社会の一員として社会をよくしよう、社会を支えようとそういうリーダーとなるために「アンビシャスであれ、大志を抱け」と結ばれました。

パネルディスカッション

「いまこそ、女性の活躍を!~みんなで考え、みんなで変える!~」

パネルディスカッションでは、最初に4名のパネリストから女性の活躍推進について、自らの取組や具体策を紹介していただきました。

勝間さんからは、女性が活躍するほど国の付加価値が上がっているという説明の後、女性の参画を推進する具体策として、「長時間労働規制」、「(配偶者控除の)103万円の壁をなくすこと」の二つを挙げられ、「制度を変えられるのは国民の声だ」と主張されました。

勝間和代さん


青野さんからは、自社の中で残業をしないという選択が可能、育児休暇6年間まで取得できる等の制度を試行錯誤しながら取り入れ、「働き方を多様化すると、面白い人が入ってきて、面白いディスカッションが起きて、新しいイノベーションが起きてくる。女性が活躍するといいことがあると知らしめたい。」との思いを話されました。

青野慶久さん


島田さんからは、女性が活躍する取組例として、女性の社員比率を高める、育児関連制度の充実、キャリアアップの支援、ワーク・ライフ・バランスの推進などを挙げられ、「一歩一歩、着実に女性の活用が進むように努力している。」と説明がありました。

島田 明さん


光畑さんからは、授乳服の開発によって、「お母さんたちがこの服を着ることで自由に外に出られる、社会の中で育児ができるというライフスタイル」、さらに、「子連れ出勤」という新しい働き方を発信しているとの話がありました。

光畑由佳さん


ディスカッションでは、学生が自ら企画実施したアンケート結果を紹介しながら、「最近は家庭と仕事を両立していくという考え方が学生、特に女子学生の中では基本的。しかし、上の世代との価値観の違いであったり、制度が整っていないことで不安が大きい」との報告がありました。この報告を受けて、勝間さんからの「おじさん、おばさんと価値観がどう違うのか」との質問をきっかけに、世代間の意識の差についての議論が行われました。学生が「違うというか、もう当たり前になっている、わたしたちにとっては。ですが、大人の方というのは、まだそれを議論していらっしゃる状況にあるような気がする。」と発言すると会場は笑いに包まれました。

学生の皆さん


学生の「家庭と仕事の両立に対する不安」に対して、勝間さんは「企業・社会に役に立ったということが人事評価につながる会社に勤めてください」、青野さんは「よくわからない無名の企業よりも大企業を選択したほうが良い、という親の評価基準に負けないように会社を選んでいただければと思う」、島田さんは「おじさん、おばさんも不安を持っている。けれども不安がある方がきっと楽しい。先々はわからないから楽しいと思った方がハッピーな人生を送れるのではないかと思う」、光畑さんは「とにかく歩き出してみて、そこでどうサバイブしていくかということだと思う。歩き続けてください」というメッセージを送りました。

最後は「女性の活躍のためにいま何が必要か」を一言ずつ書いていただきました。


  • 労働生産性の向上↑↑“ムダな仕事”を官民ともしないこと!(勝間さん)
  • 個性(青野さん)
  • 50/50(フィフティ・フィフティ)(島田さん)
  • ワークライフミックス 目の前の一歩から(光畑さん)

盛況のうちにディスカッションは終了しました。

飯田香織さん


パネリスト:青野慶久(サイボウズ(株)代表取締役社長)、勝間和代(経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授)、島田明(日本電信電話(株)取締役総務部門長)、光畑由佳((有)モーハウス代表取締役)
コーディネーター:飯田香織(NHK報道局記者、Biz+サンデーキャスター)
オブザーバー:大学生4名(男子・女子学生各2名)