「共同参画」2013年 6月号

「共同参画」2013年 6月号

取組事例ファイル/団体編

公益社団法人
ガールスカウト日本連盟

挑戦し続ける運動
ガールスカウト運動

5歳から102歳の会員

ガールスカウト運動は、イギリスで始まった、青少年の育成を通し、社会を良くする運動です。

ミッションは、「少女と若い女性が、自分自身と他の人々の幸福と平和のために、責任ある市民として、自ら考え行動できる人となれるようにする」ことです。キャンプや奉仕活動は、これらの活動を通じてこの使命を実現するための手段です。人に役立つことや、自らの能力を開発するという、世界共通の価値観も身につけます。現在日本の会員は、5歳の少女から上は102歳。少女のみならず成人も関わり、一生涯を通して成長する機会のある活動です。成人男性も会員になれますが、会の運営は女性が主導し、女性のエンパワメントの機会を提供しています。

自然とともに、仲間とともに、豊かな感性と「生きる力」を育みます。
自然とともに、仲間とともに、豊かな感性と「生きる力」を育みます。

5歳から100歳を超える女性まで、ガールスカウトは日本全国で活動しています。
5歳から100歳を超える女性まで、ガールスカウトは日本全国で活動しています。

世界のあちらこちらで声をあげる

ガールスカウト運動は、世界145の国と地域で展開されており、共通のテーマに基づき、少女を取り巻く課題の解決などに取り組んでいます。2009年からは国連ミレニアム開発目標(MDGs)に連動し、「一緒にならこの世界を変えられる」を合言葉に、毎年、MDGsの一つを選び、自分たちにできることを考え、行動に移しています。世界中1000万人の仲間(もちろん5歳の少女も)がその取り組みを報告しあい、力を合わせて国際社会に影響を与えることを目指しています。国連の会議などに若い代表を派遣し、世界中の少女の声を代表し届けています。

挑戦し続ける運動体としてのガールスカウト

日本におけるガールスカウト運動は、1920年(大正9年)に始まりました。第二次世界大戦中に中断しましたが、戦後まもなく、この運動に関わっていた人たちが集まり、日本の少女のためにこの運動を再興しました。この運動を推進した先輩たちは、常に時代の先を見据え、「少女」を取り巻く課題に対してそれを解決すべく「挑戦」し続けてきました。21世紀のガールスカウト運動も、めまぐるしく変化する時代に押し流されることなく、「挑戦」し続ける運動であり続けます。

2012年から取り組んでいる「少女に対する暴力をなくす」キャンペーンでは、高校生、大学生年代のメンバーが「デートDV」に焦点を当て、取り組みを進めています。若い女性が中心となり、インターネットを利用した独自の教材を開発しました。同年代の目線で語りかけるピアエデュケーションの手法をとり、まずは問題について学びます。

第1回「国際ガールズ・デー」記念イベントで「女の子がつくる暴力のない世界」の大切さを訴えました。
第1回「国際ガールズ・デー」記念イベントで「女の子がつくる暴力のない世界」の大切さを訴えました。

小学生の少女たちは、“ぼうさい探検隊”(日本損害保険協会主催)として、少女の視点で街の防災に取り組み、7年連続受賞をしています。成人会員も女性の視点で「安全」に関する論文を発表し、大賞を得るなど地域社会の一員として、社会への働きかけを実践しています。連盟としては、少女たちに必要な力と環境について調査報告をまとめています。ガールスカウトの評価基準は、点数ではなく、挑戦することなのです。これからも、よりよい社会を創るために、挑戦し続けます。

公益社団法人ガールスカウト日本連盟

設立年月日:昭和27年3月6日

少女と若い女性が自分自身と他の人々の幸福と平和のために、責任ある市民として自ら考え、行動できる人となれるよう育成し、女性が自らの可能性を最大限に延ばし、発揮できる社会の形成を推進する事業を実施する。