「共同参画」2013年 2月号

「共同参画」2013年 2月号

行政施策トピックス5

男性にとっての男女共同参画シンポジウム inとっとり「男と女の家庭内パワーバランス Before After
~役割分担の秘訣大公開!」
内閣府男女共同参画局推進課

『男女が家庭での役割を上手に分かち合えれば、どんな生活が実現するでしょう?その実現を妨げているのは何か?どうすれば実現できるのか?』という内容でパネルディスカッションを行いました。
※近日中にホームページ公開予定

○「妻が働くこと」について、どう考えるか

以下のデータ(※)に基づいて議論

  • 「妻にはできるだけ稼いでもらいたい」と回答した男性は全体の2割弱であり、妻が働くことに期待しない傾向がみられる。
  • 特に既婚者においては、年代が高くなるほど肯定する者が減少する。
  • 一方、女性では「自分もできるだけ稼ぎたい」との回答が多く、全体の5割弱。

浜田氏:「イクメンはモテない」という企画では、好きになる男性はギラギラした肉食系が多い。家事や育児の分担を求めながら「仕事でバリバリやる男性が素敵」と言う女性にも自己矛盾があると思う。

萩原氏:自分は38で独り立ちしたが、女性の経済的な自立も大事だと思う。

安藤氏:男性には、家長として家庭を養うという「大黒柱意識」がある。自分はむしろ、妻に外で稼いで欲しいので、働く妻の愚痴を家で聞いて、「ママ凄いね。僕はそんな仕事できないよ。」などと言う。妻はニコニコして会社に行く。

全員:男性の打出しは、肉食・草食ではなくその中間、例えば外見は草食で中身は肉食の「ロールキャベツ系」、あるいはその逆の「アスパラ肉巻系」などがいいのではないか。

○ライフステージ・経験により、男性の意識が変化するケース

男性の「大事なことは男性が決め、妻や恋人には自分の意見に従ってもらいたい」という意識が変化したケースについて、以下の事例(※)に基づいて議論

  • 妻は専業主婦だが、子育てに疲れた状態を通じて、家事もシェアし、助け合いを大切にするようになった。ライフステージにより、妻に従ってほしいという考え方も変化するのでは。(30歳代・既婚)
  • 当初「妻に従ってもらいたい」と意識したが、数十年の様々な経験から、仲良くやるには、そうした意識は阻害要因となると学んだ。現在「妻に従ってほしい」という意識は、ほとんどない。(50歳代・既婚)

安藤氏:年配で育児に目覚めた男性(イクジイ)に聞くと、家庭や健康の危機に直面するなど、厳しい人生経験をした時に、価値観が変わることがある。

浜田氏:女性が気付くことも必要だ。私の夫は「今日は早く帰った」と夜の8時に帰ってきた。「これからご飯作る」と言うが、子どもはもう寝ている。「その時間に帰って何がご飯だ!」と怒った。夫にすれば、良かれと思ったことが通じなかった。本当は、育児のスケジュール、寝かしつける時間を教えればよかった。

安藤氏:情報を開示することが有効なこともある。男性は、実はすべてを知りたがっているので、全体とゴールを見せてあげることで上手くいくこともある。

萩原氏:「家庭内情報開示」が重要ということで、よろしくお願いしたい。

※「男性にとっての男女共同参画に関する意識調査」(2012年 内閣府)
http://www.gender.go.jp/research/dansei_ishiki/index.html

平成24年12月1日(土)、鳥取県米子市にて開催された「ファザーリング全国フォーラムinとっとり」の分科会として、男性にとっての男女共同参画シンポジウムを実施しました。

○コーディネーター
萩原 なつ子氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授)

○パネリスト
浜田 敬子氏(AERA副編集長)
安藤 哲也氏(NPO法人ファザーリング・ジャパン ファウンダー)


萩原 なつ子氏


浜田 敬子氏


安藤 哲也氏