「共同参画」2013年 2月号

「共同参画」2013年 2月号

行政施策トピックス1

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2012の概要について
内閣府仕事と生活の調和推進室

内閣府では、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」(平成19年12月策定、平成22年6月改定。仕事と生活の調和推進官民トップ会議決定)に基づき、労働界、経済界、地方公共団体等の各主体と関係省庁等と一体となり、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に向けた取組を推進しています。

◆ワーク・ライフ・バランスの実現した社会の姿

「憲章」では、誰もがやりがいを感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、社会全体で仕事と生活の調和の実現に向けて、次のような社会を目指しています。
(1)就労による経済的自立が可能な社会
(2)健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
(3)多様な働き方・生き方が選択できる社会

◆進捗状況を点検・評価

「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート」は、仕事と生活の調和の実現の進捗状況を点検・評価し、更なる取組推進を目的として、各主体の代表と有識者で構成された「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」及び「仕事と生活の調和関係省庁連携推進会議」により作成しています。

本レポートでは、現状分析のほか、今後に向けた課題や重点的取組事項を提示しています。

◆ワーク・ライフ・バランス実現の状況

ここでは、「レポート2012」より、主な最近の動きをご紹介します。

(1)就労による経済的自立

雇用者全体に占めるパート・アルバイトや契約社員など非正規雇用者の割合は長期的に高まっています。2000年代半ば以降男性は20%近く、女性は50%を超えほぼ横ばいで推移しています。

(2)健康で豊かな生活のための時間の確保

年間総実労働時間についてみると、全労働者の年間総実労働時間は減少傾向にあります。2008年までは、全労働者の労働時間の減少はパートタイム労働者比率の増加によるものでした。2009年には景気の悪化の影響により前年に比べて大幅に減少し、2011年には、パートタイム労働者比率が横ばいであるにもかかわらず、一般労働者とパートタイム労働者ともに減少しました(図表1)。

図表1 就業形態別年間総実労働時間とパートタイム労働者比率の推移

(3)多様な働き方・生き方の選択
─ 仕事と子育ての両立

第1子出産前後の女性の就業経歴を見ると、就業継続している人の比率は、約4割で長期的にあまり変化していません。これを就業形態別にみると、正規の職員は就業継続している人の割合が増加していますが、パート・派遣は正規の職員に比べて少ない状況です(図表2)。女性が活躍できる環境整備としても、子育てに関わりたい男性の希望を実現させるためにも、仕事と子育ての両立は重要です。

図表2 出産前有職者の就職継続率(職業形態別)

─ 仕事と介護の両立

近年、家族の介護等を理由とする離転職者が増加傾向にあり、働く人にとって、仕事と介護の両立は新たな課題です。

働く人が、仕事と介護を両立する上で必要な支援として勤務先に望むことは、「出社・退社時刻を自分の都合で変えられる仕組み」(30.5%)や「残業をなくす/減らす仕組み」(29.4%)といった勤務時間に関する配慮が多く(図表3)、地域や社会に対しては、「介護に関する情報の普及啓発」(48.0%)や「緊急時に対応できる介護サービスの利用」(44.7%)が多いです。(図表4)

図表3 仕事と介護の両立促進のために必要な勤務先による支援(複数回答)

図表4 仕事と介護の両立促進のために必要な地域や社会による支援(複数回答)

今後、介護休業等の多様で柔軟な働き方を可能にするための環境整備や、社会全体で高齢者介護を支える仕組みづくりのほか、働きながら介護に従事する人が、地域において、介護保険制度等仕事と介護の両立に必要な知識・情報等を得られるよう国、地方公共団体等の取組を推進していくことが必要です。
詳しくは内閣府ホームページ。
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/report-12/index.html