「共同参画」2011年 7月号

「共同参画」2011年 7月号

連載 その3 女性首長から

すべての世代にとって居心地のいいまちを
播磨町長 清水 ひろ子

播磨町は、兵庫県南東部に位置し、東播磨臨海工業地域の一翼を担う町として発展してきました。年々都市化が進んでいますが、町の北部には弥生式住居跡が多数存在する国指定の大中遺跡などもあり、4年前に誕生した県立考古博物館の存在とともに古代からの「風」が感じられるまちでもあります。自然と産業が調和した「人にやさしく、すべての世代にとって居心地のいいまち」を目指しています。

議員時代も含めて、町政に携わっていく中で、これまでの主婦経験・生活体験がおおいに役立っていると感じています。出産、育児、家庭ごみの処理、地域交流、教育、ボランティア、介護など住民生活に関わるものは、これまでは主に女性が担ってきたもので、今、そうした経験を踏まえて、政策にきめ細かく反映できることを何よりと思っています。

これから政治を志す若い方々が、生活の中で男女共同参画を実践され、政治の場でもその経験が活かされることを願うものです。

就任当初から、教育・福祉に重きをおいた施策を展開してきました。子育て施策は、継続性があり、でき得る限り多彩なメニューを提供し、子育て世代の選択肢を増やすことが大切と感じています。支援メニューの拡大と多様化で子育て家庭に寄り添った「きめ細かな支援」に努めたいと思っています。また、父親が育児や子育てに楽しく参加できるよう「パパ応援プログラム」など、お父さんのための講座や情報交換の場づくりなども積極的に進めています。PTAから出発した「おやじの会」も、子どもたちとともに環境問題に取り組み、現在は「蛍」の育成をするまでになりました。お父さんたちが子育てに関わる中で、地域活動に目覚め、地域での居場所を見つけ、地域の要となっていただけることは、とても喜ばしいことと思っています。

保育園の待機児童はゼロ、幼稚園では3年保育を実施しています。今年から実施している中学校給食や、学童保育の公設化なども、子育て家庭や働く女性への応援になればと思っています。

また、女性職員の管理職への登用、行政委員の男女比率、男性職員の育児休暇取得なども鋭意取り組んでいます。播磨町では教育長、教育委員会委員長、選挙管理委員会の委員長、学校長、図書館長など多くの役職に女性が就いています。数年前に結成した女性消防団の活躍も町内外から高い評価をいただいています。しかしながら、これは女性だからの登用、選抜ということではなく、この方々がそれだけ努力をされ、優秀だと認められた結果だと思っています。男女の性別が話題になるのではなく、その実力が正当に評価される社会であれば、女性も仕事に対して意欲を持って頑張れるのではないでしょうか。男女共同参画社会の実現は、女性だから、男性だからということが重要視されるのではなく、まずはお互いの働きを認め合い、尊重しあうことから前進していくのではと思っています。

2期目の目標の一つに、人材発掘、人材登用、人材育成を掲げています。共同参画が当たり前のように定着し、町の次代を担う人材が気持ちよく活躍できる土壌をつくっていくことが、今の時代を生きる私たちの役目だと思っています。

播磨町長 清水 ひろ子
武庫川女子短期大学卒業。平成7年4月から播磨町議会議員(3期)。 平成18年7月から播磨町長就任(現在2期目)。