「共同参画」2011年 7月号

「共同参画」2011年 7月号

連載 その2

三重大学における男女共同参画の取組について
文部科学省

三重大学では、平成20年4月当初に男女共同参画推進委員会並びに同推進専門委員会を発足させ、同年7月に男女共同参画宣言を学長が表明し、同時期に平成20年度科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」事業に採択され、女性研究者支援室を立上げました。以来本学においては、女性研究者支援室と男女共同参画推進専門委員会とが、車の両輪をなす形で活動してきました。本学のこれまでの取組の一端を紹介します。

○女性研究者支援事業の特色

県下における教育研究機関(私立大学2校、理系女性研究者を擁する独立行政法人研究所2機関、独立行政法人の工業高等専門学校と商船高等専門学校の2校の計6機関と、広報面での支援という形で三重県男女共同参画センター・フレンテみえ)と連携し、地域全体の理系女性研究者が活躍できる環境を整え、次世代の理系研究者の育成を図り、多種多様な活動を共に行うことを目指しました。

学内においては、医学、工学、生物資源学の理系3研究科の全面的な協力を得て、所期の目標をほぼ達成することができました。更に平成22年10月開催の女性研究者支援事業連携機関連絡協議会シンポジウムにおける各連携機関長の発言と、共同宣言からも明らかなように、いずれの機関においても、女性研究者が増加しているなどの効果が上がりました。

そして現在は、このような連携の輪が女性研究者のいる三重県の科学技術系の研究所へも広がりつつあり、顕著な波及効果となって現れてきています。

本事業は本年実施期間終了となりましたが、平成23年4月新たに開設した男女共同参画推進室が、継続発展を図っています。そして、本学の意思決定に関わる理事(副学長)に理系の女性教員を登用し、更に学外の女性を経営協議会委員として任命し、バックアップ体制も整えました。

○男女共同参画推進事業の取組

(1)女性教員の確保として、本学の中期計画に外国人教員・女性教員の増加が謳われており、外国人特任教員(教育担当)の雇用や、女性教員の増加に向けて、次世代育成支援対策推進法の改正に伴い、男女共同参画推進専門委員会において、就業制度や職場環境改善等の取組を検討し、女性教員等の育児参加支援や、特に男性の育児休業の積極的取得促進等を新たに加えた本学一般事業主行動計画を策定するなど、多様な取組が実施されました。(2)特に平成22年12月に開催した平成22年度大学改革シンポジウム「地域の活性化と男女共同参画の推進」では、板東文部科学省生涯学習局長をはじめ、三重県内で活躍する女性起業家等による講演やパネルディスカッション及び国立女性教育会館や、県市町等の各種27団体によるブース出展で、活発なロビープログラムが展開されました。本学の男女共同参画に係る取組実績に対して、有識者からの高い評価が得られました。

○男女共同参画推進室の今後の取組

取組として急務なのは、国の第3次男女共同参画基本計画が変更されたことに伴い、三重大学の男女共同参画基本計画策定があります。ワーク・ライフ・バランス推進を目標に、全ての教職員が仕事と子育てを両立させ、働きやすい環境をつくることを主眼に、部局と連絡調整して、男女共同参画推進専門委員会に企画・立案を諮ります。また、今後男女共同参画推進室は女性研究者育成を継承する事業を含めて、学生・教職員を対象に意図的・計画的・継続的に男女共同参画を推進し、活動していくことにしています。

県内7連携機関の共同宣言
県内7連携機関の共同宣言

大学改革シンポジウム、27団体ブース出展ロビープログラム(ポスターは学生作) 大学改革シンポジウム、27団体ブース出展ロビープログラム(ポスターは学生作)
大学改革シンポジウム、27団体ブース出展 ロビープログラム(ポスターは学生作)

男女共同参画推進室概念図
男女共同参画推進室概念図

三重大学男女共同参画推進室

TEL:059-231-9830 内線:9830

URL:http://www.mie-u.ac.jp/danjo