「共同参画」2011年 6月号

「共同参画」2011年 6月号

取組事例ファイル/団体編

一般社団法人 日本女性薬剤師会
女性薬剤師会が目指す男女共同参画社会づくり活動
―男性会員の意識を変えることから―

日本女性薬剤師会の活動

I 組織・活動目的

日本女性薬剤師会は、全国の30都道府県の薬局勤務、薬局経営者や病院などの医療機関他行政等に勤務する女性薬剤師の会員で構成されている、会員が大同団結して組織活動の強化を目指している。会員相互の連携のもとに女性薬剤師の社会的地位向上を図るとともに、地域社会の健全な発展に貢献し、公衆衛生の向上と、国民の保健、医療及び福祉の発展と地球環境保全に寄与する事を目的とする。

II 男女共同参画担当局

各都道府県女性薬剤師会においても、専従の部局はなく、担当役員は他の業務と兼務している。

III  医療の高度化、システムの進む中、環境保全、少子・高齢化の環境を乗り切っていくには、他の医療職にかかわる女性同様に、女性の社会活動を推進することが大切なのは、すでに認識されている。薬剤師の責務である、患者さんへの服薬指導、薬歴管理、薬剤情報、在宅医療への薬学的参加など多岐にわたる業務内容のため、高度な専門知識の充実とともに地域社会の健全な発展に貢献をするように下記の活動を実施している。

1、生涯学習の充実のため、中央ならびに各県での定期的研修会の開催、テキスト発行等を行う。タイムリーで、女性の視点・時代を見据えた研修を企画・実行、性差に応じた健康支援講座開催などである。(託児つき)

2、薬剤師6年制が実施され、指導者育成のための研修計画、チーム医療での指導的役割を担うためのフィジカルアセスメント実習企画、有識者による学術誌を発行するなど、会員増強をはかっている。

3、地球環境保全を目指し、市民との接点を密にし、公開シンポジウム、街頭健康相談、子どもへの薬物教育活動推進、女性の栄養と疾患、被爆医療研修会企画等、地域活動を継続実施している。

4、女性リーダーズネットワークの構築、女性経営者の会、地域保健を担う指導者育成。

また、国際交流のネットワークを図る。

5、未就業薬剤師や家庭の事情等で研修に参加出来ない薬剤師のために在宅学習が出来る「診療ガイドライン・薬剤コース」を設け、冊子の発行、専門医によるスクーリングを実施し成果をあげている。在宅医療参加推進のためにテキストを作成し、ツールとして活用している。これらの活動のなかでも男女共同参画推進を図っている。

IV 男女共同参画に関する最近の活動状況(WLN開催時にとったアンケート調査より)

日本における薬剤師数の6割強を女性が占めている現在、男女共同参画の推進は必然のことといえている。

1、女性薬剤師が活躍できる場への積極的働きかけと参加実現。

2、「一生続けて働ける社会」をキーワードにして働く環境調査、保育所の充実、介護問題についての提言、ドメスチックバイオレンス問題等の解決改善につとめる。

3、昇進の平等性を確保するために社会制度や慣行の見直し、意識改革の普及、実態調査等を実施し、関係機関に提言をする。

男女共同参画で実施したフィジカルアセスメント実習
男女共同参画で実施したフィジカルアセスメント実習

WLN、ポスター展示
WLN、ポスター展示

生涯学習の充実、中央での定期的研修
生涯学習の充実、中央での定期的研修

団体名  一般社団法人日本女性薬剤師会

代表理事  近藤 芳子

会員数  約20,000名

設立、1966年04、今でいう男女共同参画精神そのもので設立された。

「男は社会、女は家庭」の役割分担による男性主導の封建時代が長く続き、女性の社会進出が阻まれてきたものが、設立を機に男女平等の職能発揮意欲が表層化し、女性のライフサイクル“出産・育児・家事・介護”による就業中断や、離職後の復職等に多くの問題を抱える女性薬剤師の為に、男女が共に活動し問題解決にあたるとした。