「共同参画」2011年 6月号

「共同参画」2011年 6月号

連載 その3 女性首長から

男女(みんな)の和づくりプラン=男女共同参画計画

京都府与謝野町長 太田 貴美

私たちのまち「与謝野町」は、京都府北部の丹後半島に位置する小さなまちで、鬼伝説で有名な大江山のふもと加悦谷平野から日本三景天橋立を望む美しい阿蘇海へ至る、肥沃な農地と森林に囲まれた緑豊かな農山村地域です。

与謝野町は、平成18年3月1日、平野を流れる野田川沿いの3つのまち加悦町・岩滝町・野田川町が一緒になり産声をあげました。400年の歴史を有する「丹後ちりめん」の生産地として有名ですが、近年は環境にやさしい自然循環農業に取り組んでおり「京の豆っこ米」の産地としても有名です。この「京の豆っこ米」を含む丹後産こしひかりは、全国食味ランキングで平成19年から3年連続で最高評価の「特A」を受賞しており、日本でも有数のおいしいお米として誇れるものとなりました。町内の学校給食では、この「京の豆っこ米」を使用し子供たちの食育にも力を入れています。

また、美しい自然を後世につないでいくため、天橋立を世界遺産に登録しようという運動や阿蘇海の水質浄化の取り組み、NPOと協働して天ぷら油のバイオディーゼル燃料を給食センターの配送車などに使用するなど、官民あげて環境改善に取り組んでいます。

更に、女性が安心して子供を産み育てられる環境、積極的に就労できる環境を実現するため、中学校卒業までの医療費の無料化や早朝保育、延長保育などの子育て環境の充実に努めています。

このように、環境や福祉をキーワードに様々な取り組みを通じて男女が共に参画できる社会を目指して、与謝野町では「男女(みんな)の和づくりプラン=男女共同参画計画」を策定し、今、新たな協働を進めていこうとしています。

以前は「保母」と言われていた保育現場に近年では2名の男性保育士を採用し、男女の垣根を越えた子育て環境に努めています。

また、合併後に策定しました総合計画では、住民と行政が共有する目標として指標となるベンチマークを設定しており、この中では、各審議会等に占める女性委員の割合を30%にしていくことを挙げています。この目標達成に向けて男女が共に参画してまちづくりを実践する社会を構築していきたいと考えています。

私は、男女共同参画社会とは家庭・地域・職場で男女が互いを認め合い、個性を尊重し合うことから第一歩がはじまるものと考えています。今までの固定観念を払拭し、互いができることから補い合うことが必要なのではないでしょうか。今までの自分の考えを少し違った角度で見つめ直し、男女が共に楽しく支えあって暮らすことのできる社会へ、男女(みんな)の和づくりを進めていきたいと考えています。

最後に、今回の東日本大震災で尊い生命を失われた皆様に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、今もなお避難生活を余儀なくされている皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

一日も早い復興を願い、今こそ男女の垣根を越え、互いが助け合ってできることをしていかなければなりません。人は支え合うことでより大きな力を発揮します。私たちも遠くの地からではございますが、出来る限りのご支援を約束いたします。

がんばろう日本

京都府与謝野町長 太田 貴美
略歴等:1946年:京都市にて生まれる。1964年:ノートルダム女子大学入学。1966年:日本航空入社(客室乗務員)。1968年:京都市立宇多野ユースホステルペアレント(館長)。1975年~1979年:野田川町議会議員(28歳)。1983年~1993年:野田川町議会議員(36歳)。1993年~1994年:野田川町議会議長。1994年~2006年:野田川町長(3期)。2006年:与謝野町長。