「共同参画」2011年 4・5月号

「共同参画」2011年 4・5月号

取組事例ファイル/団体編

国連NGO国内婦人委員会
(National Women’s Committee of the United Nations, NGOs)

日本が国連に加盟したのは1956年12月18日であるが、その直前の12月6日、国連の経済社会理事会(ECOSOC)にNGOとして認められている国際的な組織の女性団体に加盟している6団体((財)日本YWCA、日本婦人有権者同盟、(社)大学女性協会、(財)日本基督教婦人矯風会、婦人国際平和自由連盟日本支部、日本女性法律家協会)が、重光外務大臣に対し、国連政府代表に民間の女性の登用を要望した。国連憲章の目的実現のため、国連及び国連諸機関に協力することを目的として、1957年8月1日、6団体+日本汎太平洋東南アジア婦人協会の7団体で国連NGO国内婦人委員会を設立し、初代委員長に「市川房枝」氏を選出、1957年、第12回国連総会政府代表代理に初の女性として「藤田たき」氏が任命された。

2011年現在、加盟団体は上記7団体の内(財)日本基督教婦人矯風会をのぞく6団体+(社)日本看護協会、日本BPW連合会、(社)日本女医会。その他、個人会員30名余。

現在の主な活動は、次の通りである。

1.国連総会第3委員会の政府代表団に本委員会から女性代表を推薦する:第3委員会は国連総会の6つの主要委員会の1つで、社会、人道、文化に関係する問題を担当するが、最近は、社会開発、青少年、高齢者問題、障害者問題、犯罪防止・刑事司法、国際組織犯罪対策、麻薬問題、女性の地位向上、女性に対する暴力、女児の問題、女子差別撤廃条約、世界女性会議、国連難民高等弁務官の難民及び人道問題の報告、児童の権利、人種差別撤廃、民族自決権、人権問題などについての審議が多い。

2.国連婦人の地位委員会(Commission on the Status of Women, CSW)政府代表団に加わるNGO女性を2005年より推薦: 1946年2月16日の経済社会理事会(以下、経社理)決議により、CSWが設置され、1946年6月21日に完全な委員会となった。CSWの機能は、政治的、市民的、社会的及び教育の分野に於ける婦人の権利を増進することに関して、及び男女平等の原則の実施を目的として、女性の権利について緊急な措置を要する問題に対して、経社理に勧告を行うと共に、その報告の実施に関して提案を行う。

3.国際婦人年連絡会の加盟団体としての活動:本委員会の呼びかけにより1975年に国連が提唱した国際婦人年の目標「平等・開発・平和」の実現に向け、日本の女性団体(41団体)が結集し、1975年に最初の国際婦人年日本大会が開催された。以来、国際婦人年連絡会として男女平等参画社会実現のために、5年毎に「NGO日本女性大会」を開き、評価と提言を行っている。現在は38団体が加盟している。

4.日本・アラブ女性交流事業:ジョルダンのバハマ王女が1993年に来日された時、王女から日本との定期的交流を要望され、外務省がこの交流事業を本委員会に委託した。最初は1996年ジョルダンの女性団体との交流であったが、その後エジプト、パレスチナが加わり、2008年にはシリアが加わり、4ヶ国との交流事業となっている。この事業は日本からアラブ諸国を訪問し、現地の女性団体との交流、アラブの女性団体の代表を日本に招聘して日本の女性団体との交流を行っている。

  • 第65回国連総会(2010年)議場
    第65回国連総会(2010年)議場
  • 第25回CSWサイドイベント(2011年)
    第25回CSWサイドイベント(2011年)
  • 第24回アラブ女性交流(2009年)ヨルダン
    第24回アラブ女性交流(2009年)ヨルダン

国連NGO国内婦人委員会

委員会は、1957年に結成された。国際組織に属する日本の女性団体の内、9団体及び30名余の個人会員により構成されている。初代委員長は市川房枝氏、1983年から藤田たき氏、1987年大羽綾子氏、1991年中村道子氏、2001年から現委員長の江尻美穂子氏。国連総会政府代表団に女性の推薦、任命された際第3委員会を担当、CSWへの参加、男女平等参画社会実現に向けて活動する国際婦人年連絡会の活動支援、日本・アラブ女性交流事業等を行っている。