「共同参画」2011年 4・5月号
行政施策トピックス
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)
内閣府男女共同参画局総務課
経 緯
2010年7月の国連総会決議において、既存のジェンダー関連4機関(ジェンダー問題事務総長特別顧問室(OSAGI)、女性の地位向上部(DAW)、国連婦人開発基金(UNIFEM)、国際婦人調査訓練研修所(INSTRAW))を統合し、2011年1月に、新たな機関が、「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)」として発足することが決定されました。UN Womenの設立は、国連改革の課題の一環として実現され、より大きな効果をもたらすために、4機関の財源及び権限が統合されました。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを最優先事項と位置付けてきたパン・ギムン国連事務総長は、「UN Womenは、世界でのジェンダー平等の促進、機会の拡大等に関する国連の取組を大いに高めるだろう」と述べています。
初代事務局長
初代国連事務次長兼UN Women事務局長として、前チリ大統領のミチェル・バチェレ氏が任命されました
バチェレ氏は、彼女のキャリアを通して、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを支持してきました。大統領在任中も、女性と子どものための社会保護プログラムや、託児所の設置等に取り組んできました。
バチェレ氏のリーダーシップのもとに、世界、地域、国レベルでのジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関する任務を行っていくことになります。
執行理事国
UN Womenには、41カ国からなる執行理事会が設置されています。2010年11月に行われた執行理事会理事国選挙において、我が国は同機関の初代執行理事国に選出されました。任期は3年です。我が国は、執行理事国として、国連における女性分野の活動が、より効率的・効果的に実施されるよう、同機関の活動に積極的に貢献していく考えです。
ビジョン、優先課題領域
UN Women 執行理事会の初会合が本年1月24日に開催され、バチェレ事務局長より、UN Women のビジョン、5つの優先課題領域等が紹介されました。
◆ビジョン
男性と女性が平等な機会と能力を持ち、開発、平和、安全に関する課題において、ジェンダー平等の原則が根付くこと。
◆優先課題領域
1) 女性のリーダーシップと参画を拡大
2) 女性と女児に対する暴力の根絶
3) 平和と安全保障の交渉における女性の全面的な介入
4) 女性の経済的エンパワーメントの強化
5) 国家の開発計画と予算編成におけるジェンダー平等の推進
今後の予定
6月に開催される執行理事会で今後の戦略計画が策定される予定です。
2/24に開催されたUN Women 発足記念式典の様子