「共同参画」2011年 3月号

「共同参画」2011年 3月号

連載 その3

九州大学における男女共同参画の取り組み
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

九州大学では、平成13年度に男女共同参画推進に関するワーキンググループを設置以来、種々の検討を重ね、平成16年度に男女共同参画推進室を設置し、これまでに男女共同参画に関する様々な活動に取り組んできました。

上記以外にも、医療人のためのきらめきプロジェクトキャリア支援センターや女性研究者のための女性研究者キャリア開発センターを設置し、利用者のニーズに合わせた支援を実施しています。

これまでの取り組みの一例をご紹介します。

○九州大学病院きらめきプロジェクト

このプロジェクトでは、出産・育児・介護・自身の病気などのためにこれまでキャリアを中断していた医師・歯科医師が、このような人生のイベントを抱えながらも九州大学病院で働き続けることができる環境を整備しています。

現在、このプロジェクトでは医師8人と歯科医師4人が子育てをしながら生き生きと働いています。

このプロジェクトの前身は平成19年度に採択された文部科学省大学改革推進事業「女性医療人きらめきプロジェクト」です。平成19年度から3年間に30人以上の女性医師、歯科医師、看護師がこのプロジェクトで家庭と仕事の両立を図ることができ、専門医資格や博士号等を取得しました。また、非常勤職員から常勤職員へ復帰した方もいます。このプロジェクトの成果を受けて、平成22年度からは女性だけでなく男性にも対象を広げて九州大学病院独自の事業を展開しています。

九州大学病院きらめきプロジェクト学生交流会
九州大学病院
きらめきプロジェクト
学生交流会

○女性教員増加に向けた取り組み

平成21年度に文部科学省科学技術振興調整費『女性研究者養成システム改革加速』事業(実施期間5年間)に採択され、「女性枠設定による教員採用・養成システム」を実施しています。「女性限定」で国際公募を行い、これまでに14名の優秀な女性教員が着任しています。採用後も研究費支援やメンター制度など様々なサポートを実施しています。この事業は5年を経過した後もさらに自主経費で5年間継続し、定着させていく計画です。

また、「休業を取得しやすい就労環境を整備」「部局の教育研究業務への影響の軽減」「優秀な人材の定着・雇用促進」などの観点から、平成22年9月に教員(講師・助教)が出産・育児・介護に係る長期休業を取得する場合、これまでの育児休業期間の代替教員とは別に、休業開始の3ヶ月前から中長期的に新たに教員を雇用できる制度を導入しました。

○学内保育施設の設置

就業・修学と子育てとの両立支援、人材確保及び人材定着を目的として、3つのキャンパスに学内保育施設を設置しています。また、病院地区に設置している保育施設では、医師や看護師の勤務形態に合わせた終夜保育や仕事の都合により自宅での看護が困難な場合でも預けることができる病後児保育を実施しています。

学内保育施設 たけのこ保育園
学内保育施設 たけのこ保育園

九州大学では平成22年4月に新たに今後6年間の基本理念・基本方針を定め、成果と責任を分かち合う活力に満ちた大学を目指すとともに、多様な人材の育成・供給により、持続的活力のある社会の実現に貢献していきます。

九州大学男女共同参画推進室

TEL:092-642-4320

URL:http://danjyo.kyushu-u.ac.jp/