「共同参画」2010年 12月号

「共同参画」2010年 12月号

連載 その3

平成22年度 女性のライフプランニング支援総合推進事業
「はたらくくらす見つめよう私のライフプランニング」ワークショップ開催

文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

文部科学省では、女性のライフプランニング支援総合推進事業を実施しており、この一環として、福岡大学にご協力いただき、学生に向けてワークショップを開催しました。

ワークショップは、中村信博福岡大学就職・進路支援センター長及び高口努文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長の挨拶から始まり、「「女性が働く」ということ」をテーマに、三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済・社会政策部公共政策グループ主任研究員であり、女性のライフプランニング支援総合推進委員会委員である、矢島洋子氏に講義いただきました。

講義では、ご自身のこれまでの働き方やそれを支えてくれた職場の話から、女性の働き方の希望と現実にはギャップがあること、職業を続けることに対し、男性の意識の方が急速に変化していること〈グラフ〉など女性の置かれている現状についての説明がありました。また、女性が結婚や子育てしながら働き続け、キャリアアップしていくことを支えるために、仕事と家庭の両立支援や雇用機会の均等施策、そして、男性も含め、働き方の見直し(ワーク・ライフ・バランス)に係る施策が揃ってきたこと、女性自身は、社会や企業が変わってきたことを知り、この状況を生かした選択をすることやきちんと自分に合った「企業を選ぶ目」を持つことが必要であること、このために、女性はライフイベントを踏まえた、長期的な視点で、ライフプランニングを持つことが大切であり、それは、何か壁にぶつかったり、迷ったりした際に見直していくことが重要であることなどのお話がありました。

矢島洋子氏による講義
矢島洋子氏による講義

続いて、福岡大学の卒業生である、田中奈緒美氏(㈱石村萬盛堂)、村岡麗氏(㈱地域情報センター「ふくおか経済」)のお二人をロールモデルとして迎え、矢島氏のコーディネートにより、学生の頃から働くことや自分が積んできたキャリア等の体験を語っていただきました。そして、学生へのメッセージとして、田中さんからは、育児をしながら仕事を続けてきた経験から、「会社が女性の活躍を後押ししてくれるので、自分に合った会社を見つけてほしい、たとえ知らない会社であっても話を聴きに行ってほしい」、村岡さんからは、「これまで仕事をして気づいたことは、何かを始めることはもちろん、自分自身で始めたことを続けることが大切だと感じた。就職活動でも仕事でも続けていくことで自分自身の道がみえてくる」との言葉がありました。

ロールモデルによる体験談(左から田中さん、村岡さん)
ロールモデルによる体験談
(左から田中さん、村岡さん)

最後は、学生からワークショップを振り返って、「育児休業や短時間勤務などの制度について知ることができ、この点にも着目をして就職活動をしていきたいと思います。」という気づきについて意見がありました。

このワークショップのアンケートには「男性と女性の働き方の違いなんて今まで考えたこともなかったので、話が聞けて良かった」「私の今後の人生観について考え直すきっかけとなった」などの感想がありました。

今回のワークショップを参考に、他の大学等におかれても、ライフプランニングの視点をもって進路指導等を行っていただけると幸いです。

○ グラフ「一般的に女性が職業を持つことに対する意識変化」
○ グラフ「一般的に女性が職業を持つことに対する意識変化」

【福岡大学概要】

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