「共同参画」2010年 11月号

「共同参画」2010年 11月号

連載 その3

秋田大学における男女共同参画の取り組みについて
文部科学省

秋田大学では、平成17年2月の「男女共同参画推進委員会」、「男女共同参画推進専門委員会」の設置以来、男女共同参画に係わる取り組みは、着実に成果をあげてきました。平成19年度には「秋田大学男女共同参画推進のためのアクションプラン」を策定し、ポジティブアクションとワークライフバランスの実現のために検討を重ね、平成21年5月に男女共同参画推進室を開設し、平成21年度科学技術振興調整費・女性研究者支援モデル育成プログラムに採択されたことは、更なる発展のきっかけとなるものと考えられます。

これまでの取り組みをご紹介します。

■大学間連携と女性研究者支援in秋田

このプロジェクトは、秋田大学女性研究者の研究環境の整備と、本学を拠点とする県内大学間連携による女性研究者支援の地域社会への環流を目的とし、支援相談窓口の設置などによる育児・介護等の柔軟な支援、県内大学等との連携した代替要員制度の確立、女子大学院生に対する支援、特に理工系女子育成のためのロールモデル事業を行うことにより、女性研究者の裾野の拡大を図るものです。

まずは、多様な勤務形態の研究活動を可能とするための環境作りの一環として、育児や介護について気軽に安心して相談できるよう平成21年11月に支援相談窓口(コンシェルジュ・デスク)を開設し、スタッフの研修会を実施しつつ、相談体制の充実を図っています。

次に、学内保育施設(千秋保育園)に平成22年4月に病児・病後児保育室「ことりのおへや」を開設し、仕事の都合で自宅看護が困難な場合に家庭に準じた環境での看護・保育を可能としました。

更に、平成22年6月の育児・介護休業法の改正に合せて、本学の利用可能な様々な制度を教職員のすべてが有効に活用できるよう、わかりやすく雇用形態別に整理して一覧にした「コロコニガイドブック」を作成、配布しました。

平成22年9月には、「男女共同参画の現状と課題」をテーマにシンポジウムを開催し、県内大学等の参加を得てパネルディスカッションを行うなど、育児・介護休業によって必要となる代替要員制度の構築に向けた連携体制作りを進めています。

また、グローバルな視野での意識啓発のために、平成22年3月にはノルウェー王国大使館からドッテ・バッケ氏を、同年8月にはノルウェーのトロムソ大学医学部附属病院からトーベ・スメスロー氏を招いて講演会を実施し、先進国の取り組みを紹介しております。

その他、理工系女子育成のため、平成21年12月に「あなたも、もしかしたら工学女子?」と題して中高生向けイベント等も実施しています。

コロコニガイドブック コロコニガイドブック
コロコニガイドブック

■ダイバーシティー尊重の風土醸成を目指して

今、激動する社会の中で、大学は、より一層、人材育成、知的創造の中核としての男女共同参画の推進を期待される存在となってきています。秋田大学では約2,000人の教職員が、様々な雇用形態によって勤務しています。制度自体はかなり整備してきた本学が取り組むべき次の課題は、ダイバーシティー尊重の風土を醸成し、ワークライフバランスの実現を目指した活動をすることであり、これらの活動を通じて、教職員の制度活用の増進及び制度に対する理解の向上による利用しやすい環境づくりを推進しつつ、目標としている平成23年度女性教員比率18%達成を目指してこれからも努力していきます。

  • 講演会「男女共同参画推進を考える」
    講演会「男女共同参画推進を考える」
  • コンシェルジュ・デスク研修会
    コンシェルジュ・デスク研修会
  • 家庭的な雰囲気の「ことりのおへや」
    家庭的な雰囲気の「ことりのおへや」

秋田大学男女共同参画推進室コロコニ

TEL:018-889-2260

URL:http://www.akita-u.ac.jp/coloconi/