「共同参画」2010年 8月号

「共同参画」2010年 8月号

取組事例ファイル/企業編

株式会社 妙徳

トップダウンで徹底した業務の効率化を

当社では、業務の効率化を進めることによって利益を創出するというトップの信念から、労働時間短縮に取り組んでおり、時間外勤務のゼロ化と有給休暇の100%取得をトップダウンで推進してきました。ワークライフバランスをはじめから目的とした時短活動ではありませんでしたが、これらの活動が結果として時間外勤務ゼロ化や長期有給休暇制度などに結びつきました。

業務効率を高める取組のなかでWLB実現
業務効率を高める取組のなかでWLB実現

【時間外勤務ゼロ化】

当初は、週に1回のノー残業デーを導入したりもしましたが、それだけでは他の日の時間外勤務は減りません。

限られた時間の中で効率的に業務を行うためには、社員の間に業務改善意識を共有することや、時間外勤務には必ず上司の事前承認を必要とするなど職場での改善を推進するとともに、コンピュータ化できる作業については、極力コンピュータで処理するようにするため、受注・購買・製造・売上・売掛金を一貫管理する基幹システムなどのIT投資や組織の見直しも行ってきました。

例えば、従来は、顧客からの受注は営業拠点ごとに顧客からのFAXによる注文を入力していましたが、そのため、それぞれの営業拠点ごとに繁閑の波が異なっていました。この業務を1ヶ所の受注センターに集約することにより、業務の平準化が図ることができました。また、一部の顧客については、FAXではなくデータ送信による注文にしてもらい、直接コンピュータ処理することにより、大幅に作業の時間を短縮することができました。

 このように、当社は、作業と仕事を区分し、「作業」はできるだけコンピュータ化、機械化することにより、人は、頭を使う「仕事」に集中するようにし、そのことによって業務の効率化と労働時間短縮を図っていこうと考えています。

突発的な事象への対応や一時的な受注増など時間外勤務で対応せざるを得ない場合を除いて、恒常的な時間外勤務はほとんどゼロになっております。。

【長期有給休暇制度】

効率的な業務を行うためには、特定の社員だけがある業務に携わるのではなく、その社員がいなくても他の社員が代わって業務を行えるようにする必要があります。そのために、当社では文書の私物化はしない=文書ファイリングの徹底、データ情報は個人パソコンに溜め込まず全社共通のサーバー内のフォルダーにファイルし、誰でもその情報にアクセスできるようにするなど、5S活動とからめて、情報の整理、公開、共有を徹底しています。

また、仕事は個人が抱え込むのではなく、他の人でも代行しうる体制(多能工化)を推進しました。

その結果、長期の有給休暇を取得しやすい環境になり、連続5日間の有給休暇を計画的に取得するリフレッシュ休暇という制度を設けています。有給休暇日数の多い社員は、年に数回取得して、文字通りリフレッシュをしてもらっています。

(常務取締役 吉田清輝)

会社概要/株式会社 妙徳

東京都大田区において昭和26年4月に設立された資本金7億4千8百万円、従業員数115名(連結ベース)の空気圧機器関連製品メーカーです。

主な製品は、コンバム(エジェクタ式真空発生器)、吸着パッド、圧力センサ、液晶パネル等搬送用エア浮上ユニットなどで、半導体製造装置関連、自動車関連をはじめとするあらゆる製造業において使用され、国内はもとより中国(上海)、韓国、タイに所在する子会社および海外販売店を通じて全世界に販売されております。