「共同参画」2010年 7月号

「共同参画」2010年 7月号

取組事例ファイル/企業編

セイコーエプソン株式会社

育児休暇後の復職率100%!(2009年度)社員が安心して働ける会社を目指す

当社は「ものづくり企業」として永続的に発展していくことを目指しています。そのためには、経営資源の中で最も大切な「人材=社員」が安心して日々の仕事に取り組むことができる支援策を講じることが必要と考えています。

出産・育児を契機に大切な社員が退職しなくてすむための支援策として、1991年には育児休職制度を導入、翌1992年には育児短時間勤務制度を導入しました。

育児休職は対象者ほぼ全員が取得し、復職率は制度導入以来95%(2009年度は100%)となっています。

継続就業のために短時間勤務は有効な施策ですが、制度利用者本人と、職制・職場双方での負担感が大きくなっており、どのように負担感を解消していくかが課題となっています。今後、休職前のスキルを維持し復帰につなげるための施策や、在宅勤務制度、社内託児施設などを検討していく予定です。

「健やか休暇」制度の拡充

前々年度以前の失効年次有給休暇を「健やか休暇」として最大60日間積み立て、本人の傷病・家族介護・育児に利用することができます。

中学校3年生までの子どもの学校行事やPTA活動・地区の子ども行事の参加などにも利用可能です。

2009年度からは当初は介護目的でしか利用できなかった「健やか休暇」の半日単位での取得を、育児でも利用できるようにしました。その結果、2009年度の半日単位での「健やか休暇」(育児目的)利用者は225人で、延べ910回の利用がありました。

また、男女を問わず「健やか休暇」を育児休職に充て、有給で休職することができ、育児休職制度と併用することも可能です。育児支援の環境を整えることで、男性の積極的な育児参加を目指しています。

< 育児休職取得者の推移 >     (人)
<育児休職取得者の推移>

公平な人事制度

当社は、人材の総合力を発揮するために、男女の雇用機会均等施策にも早くから取り組んでいます。1983年には男女の賃金格差を完全に廃止し、社員の資格等級や勤務形態、勤務地にかかわらず、全社員に公平な人事制度を展開。多様な労働条件を整備して、育児や介護などにおけるサポートを必要とする社員はもちろん、すべての社員が安心して働くことができる企業を目指しています。

ワーク・ライフ・バランス推進

近年、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の考え方が一般に広まるなかで、当社の取り組みも次世代育成支援対策推進法への適応の観点から、社員それぞれが持つ時間を効率化・最大化し、積極的に社外活動への参加や男性の育児参加、自己実現をより後押しできる環境整備に力を入れています。

週1回の定時退社日の徹底、子ども参観日の開催など、WLBを推進する制度の定着も進んでいます。

(広報IR部)

会社概要/セイコーエプソン株式会社

プリンターやスキャナー等コンピューター周辺機器およびパソコン、液晶プロジェクター等の情報関連機器、水晶デバイス、半導体などの電子デバイス、ウオッチや眼鏡レンズ、産業用ロボットなどの精密機器、その他の開発、製造、販売、サービス。1942年5月創立。従業員数:連結 約78,000人