「共同参画」2010年 7月号
連載 その3
女性のライフプランニング支援総合推進事業成果の紹介
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課
平成21年度「女性のライフプランニング支援総合推進事業」の委託先団体の一つである「財団法人日本女性学習財団」の事業の成果を紹介します。
当該団体は、女性のライフプランニング支援プログラム開発に向け、3つの対象を設定し、港区、埼玉県男女共同参画推進センター、聖心女子大学との共催によって実験プログラムを実施しました。
実験プログラムの概要
○Aプログラム
・「子育て女性のためのキャリア支援セミナー -"これからの私"のためのライフプランニング」
・対象:育児期の女性
○Bプログラム
・「仕切り直し・巻き返し」のライフプランニング支援セミナー
・対象:現在、就業中、離職・休職中、就業を目指している女性、主に20~30代
○Cプログラム
・「女子大生のためのキャリアしゃべり場」
・対象:女子大学生
【Aプログラム】
9月に港区立子ども家庭支援センターで4回の連続講座と交流会を行いました。また、翌年3月にフォローアップとしての同窓会を開催しました。
長期的、総合的な視野でライフプランニングを捉えるため、「キャリアデザインのポイント」をテーマとした講義、キャリアモデルによる体験談のほか、毎回、グループワーク、ふり返りシートの作成を取り入れ、受講生はそれぞれが抱える課題を共有しました。
【Bプログラム】
10月に埼玉県男女共同参画推進センターで4回の連続講座を行いました。
女性の就労の現状と課題を認識し、自らの状況を客観的に把握することで、自分の経験が生かせる生活設計をすることをねらいとし、「"私"を取り巻く社会情勢を知る」をテーマとした講義、キャリアモデルによる体験談のほか、毎回、グループワーク、ふり返りシート作成に加え、同センターの施設の紹介やパソコン講座等スキルアップに役立つ講座情報、チャレンジ相談事業等をワンポイント情報として提供しました。
【Cプログラム】
12月に聖心女子大学と埼玉県男女共同参画推進センターで各1回ずつのワークショップを行いました。
ライフプランニングの土台づくりを目指し、キャリアモデルによる体験談と質疑応答のほか、グループで感想を語り合い、各人の気づきを共有しました。
全プログラムとも、各回毎に関係者のふり返り検討会を行い、実施状況を分析しながら進めました。
Cプログラムの活動風景
学習内容・方法
対象毎の課題を抽出し、それに対応したプログラムを提供したことで、受講生のライフプランニングへの関心や重要性の認識度が高まりました。また、各自の課題や目標の明確化を図り、漠然としていた将来イメージをより具体的なものにするために、参加型のグループワークを中心とした学習方法を用いました。
受講生が安心して学ぶことのできる学習環境づくりに向けて、保育の充実(0~5歳児)や欠席者のフォローにも努めました。セミナー修了後に自主グループも生まれ、受講生同士の関係づくりができました。
図1 学習内容・方法プロセス
情報提供の必要性とその成果
受講の目的として「情報を得たい」というニーズが高かったため、セミナー中にライフプランニングに関する生涯学習などの情報を提供しその結果、関係機関の講座の受講や相談窓口の利用につながりました。
今後は、本事業の成果を還元するため、女性関連施設担当者への研修資料の作成と研修会の実施を団体自主事業として計画しています。
【問合せ先】
財団法人日本女性学習財団
TEL:03-3434-7575