「共同参画」2010年 6月号

「共同参画」2010年 6月号

連載 その3

女性のライフプランニング支援総合推進事業成果の紹介
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課

文部科学省においては、平成21年度に「女性のライフプランニング支援総合推進事業」として、各地域における既存の社会資源(行政の支援、民間団体の支援等)を整理し、必要な対象に支援が届くような体制整備に関する検討を行うため、全国7団体において試行的実施を行いました。

今回、委託先団体の一つである「特定非営利活動法人関西こども文化協会(大阪府)」の事業の成果を紹介します。

当該団体は、20代から40代の女性をターゲットに、仕事・子育て・介護等様々な選択の機会を前向きにとらえ、女性が輝き、心身ともに健康な人生を歩めるようそれぞれのライフイベントにあった多様な情報を掲載したライフプランニング手帳「わたしデザイアリー」を作成し、活用プログラムを実施しました。

事業概要

(1)ヒアリング調査

対象の女性がライフプランを考える上で実際に生じる不安や課題を明らかにするため大阪府内5か所で20代から40代の女性を対象にヒアリング調査を行いました。子育て中の女性も参加しやすいよう、一時保育も実施しました。

本調査により、乳幼児の子育て中の女性には、「時間をゆっくりとって自分のことについて考える時間が必要」、「目先のことにとらわれる傾向がある」ということがわかりました。

(2)社会資源の調査

ヒアリング調査を基に、ライフイベントごとに生じる仕事や結婚、妊娠、子育て・教育等における課題や不安に対応する社会資源について、行政に情報を提供してもらうほか、連絡協議会委員により調査を実施し、社会資源に関する情報を精査しました。

(3)ライフプランニング手帳「わたしデザイアリー」の作成

手帳は、「ワークシート」、「ライフイベントに応じた情報」、「フリーページ」の順で構成されています。

「ワークシート」では、つながりマップやリバランスシート、マイヒストリーシート、プランニングシート等を掲載しており、ワークシートに書き込むことで、自分を見つめ、より自分らしいライフプランニングができるようなページとなっています。

「ライフイベント情報」では、ライフイベントごとの選択肢・情報を例示しているページです。例えば、「仕事」では就職を探すための民間機関やキャリアアップのための情報サイト等を紹介しています。

(4)ライフプランニング手帳活用のプログラム作成・実施

ライフプランニング手帳促進モデル地域を2か所選定し、20代から40代の子育て中の女性と仕事をしている女性を対象に手帳を活用したワークショップを実施しました。

参加者アンケートによると、ライフプランニングに関する意識が向上し、「ほしい情報、なりたい将来が考えられたことで指針を作れると思いました」、「これからのライフイベントに不安になったりもしたが、それに備えていくことが大事だなと気づくことができた」等の感想が寄せられました。

成果の活用

関西こども文化協会では、大阪府豊中市地域就労支援センター等が主催する就職活動中の女性を対象とした講座の中で、ライフプランニング手帳を活用したワークショップを3月に実施しました。

今後も、男女共同参画センターや企業などと協働し、女性のライフプランニングを支援していくこととしています。

  • ○ワークシート(つながりマップ)
  • ○ワークシート(プランニングシート)

【問合せ先】

特定非営利活動法人関西こども文化協会

電話番号:06-6460-1621

URL   :http://www.kansaikodomo.com