「共同参画」2010年 3月号
行政施策トピックス
「企業参画型の子育て支援事業」
に関する取組状況等調査
内閣府(共生社会政策担当)少子化対策担当
社会全体で子育てを支える~自治体・企業の子育て支援事業~
社会全体で子育てを支える事業の一つに、自治体が企業の協賛を得ながら子育て家庭にサービスを提供する「企業参画型の子育て支援事業」の実施があります。具体的には、自治体が発行する優待カードで各種割引サービスなどを受けることができるもので、現在52道府県市で実施されています。
内閣府では、この事業の取組状況の実態や推進に当たっての課題等を整理し、今後の取組の一層の推進に役立てるべく、3つの調査を実施しました。その結果、社会のニーズや課題が見えてきました。
子育て支援の内容は多様
子育て家庭が利用したいと思う優待サービスの中では、料金割引が多くなっていますが、「金銭」「物品」に係るサービスだけでなく、「場所」「時間・機会」「人・情報」に係るサービスの利用希望も多いことがわかります。
協賛企業の業種は飲食店、サービス業など様々でその幅も広がってきています。それに伴い、サービス内容も子育て支援の観点から工夫されています。
利用者の期待と事業への課題
取組の効果(図表)は、「子育て家庭への経済的負担の軽減」が最も多く、次いで、「子育て支援をしている企業のPR効果/イメージアップ」、「子育てをしている親の精神的負担(孤立感)の軽減」と続いています。特に、子育て家庭の経済的負担だけではなく、精神的負担の軽減にもつながっているのは注目に値します。
利用者が期待することは、協賛企業やサービス内容の拡大ですが、一方で企業側の意見を見ると取組への課題も示されています。
協賛するに当たっては、「フランチャイズチェーンのため、統一したサービス提供が困難」、「対象者と一般顧客とのサービス内容に差が出る」などが懸念されています。また、取組の継続のためには、「自治体による積極的なPRが必要」であることや「自治体ごとにサービス内容が異なる」ことなどが課題として挙げられます。
社会全体で子育てを支援すべく、今後の事業の普及と拡大には行政と企業がさらに一体となって議論をし、共に取り組むことが必要です。
(1)地方自治体における取組状況等の調査:自治体を対象として、郵送調査を実施。129自治体から回答(2009年10月21日~11月9日)。
(2)企業に対するアンケート調査:子育て支援事業を行っていると思われる企業(1,000社)を対象として、郵送調査を実施。292社から回答(2009年10月21日~11月9日)。
(3)国民に対するインターネット調査:18歳未満の子どものいる男女を対象に、登録モニターへのアンケート調査を実施。10,000人から回答(2009年10月23日~11月6日)。
詳細は
https://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa21/kigyousanka/index_pdf.html