「共同参画」2010年 1月号

「共同参画」2010年 1月号

取組事例ファイル/自治体編

仙台市 男女共同参画の一層の推進に向けて

DV防止と被害者支援への取組

仙台市では、DVに関する市民の意識と実態等を把握し、DVの防止及び被害者支援に役立てるために、せんだい男女共同参画財団と共同で「配偶者やパートナー等との間における暴力に関する調査」を平成20年度に実施しました。(市民3,000人を対象とするアンケート調査及び暴力被害を受けた経験のある女性への個別面接調査)

調査結果からは、(1)女性の2割以上が身体的な暴力を受けた経験があること、(2)男女の役割分業に肯定的な人は加害経験が多い傾向がみられること、?被害者の子どもへの影響が大きいこと、(3)対策として医療機関等の関係機関との連携が必要なこと等がわかりました。

これらの調査結果等も踏まえて、平成21年3月にいわゆるDV防止法に定める基本計画としても位置づけた「男女共同参画せんだいプラン〔2009-2010〕」を策定しました。被害の把握から相談、被害者保護、被害者の自立支援までの一連の切れ目のない支援体制の構築を目指しています。

また、11月には「ストップ!DVシンポジウム」を開催し、DV被害の実態を伝えるとともに、関係機関の連携により地域全体でDV防止啓発と被害者の自立支援に取り組む必要性を強く訴えました。

男女共同参画推進センター

本市では、男女共同参画を推進する拠点施設として「エル・パーク仙台」と「エル・ソーラ仙台」の2館の男女共同参画推進センターを設置し、講座やイベント等を実施するとともに、市民活動の情報や場の提供を行っています。11月には「出会う つながる ふたつの“エル”で」をテーマに両館を会場として男女共同参画推進せんだいフォーラムが開催され、多くの市民グループ・団体が参加しました。今後も市民に活動と交流の場を提供するとともに、企画運営力の向上や相互のネットワーク形成を支援していきます。

ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて

女性の就業継続や男性の家事・育児への参加など男女共同参画を進めるためにはワーク・ライフ・バランスの実現が欠かせないことから、企業との連携に向けた様々な取組を進めています。せんだい男女共同参画財団と共同で8月には内閣府のアドバイザー派遣助成事業を活用したセミナーを開催し、東レ経営研究所の佐々木常夫社長から「部下を定時に帰す仕事術」と題して基調講演を頂いた後、在仙企業3社の事例報告を基にパネルディスカッションを行い好評でした。

本市の最近の取組をご紹介しましたが、このほか、仕事と子育ての両立支援等、社会のニーズに応じた施策を行い、男女共同参画の推進に向けた取組を進めています。

(仙台市企画市民局男女共同参画課)

※「配偶者やパートナー等との間における暴力に関する調査」の報告書は仙台市のHPで公開しています。

  • ストップ!DVシンポジウム
  • セミナー「経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス」
  • 参画フォーラム「交流ひろば」

仙台市は、本州の北東部に位置し、人口百万人を有する東北地方最大の都市です。1601年、伊達政宗公によって雄藩の城下町として開かれ、「東北地方における経済、行政の中枢都市」として発展してきました。「杜の都」と呼ばれる豊かな自然環境、「学都」と呼ばれる高度な研究開発機能、そして力強い市民活動の広がりをもったまちであり、将来にわたり良好で美しい環境や活力を持続できる都市を目指しています。