「共同参画」2010年 1月号

「共同参画」2010年 1月号

行政施策トピックス2

「男女共同参画の輪をさらに拡げよう」第2回私立大学合同シンポジウム
男女共同参画局推進課

女性研究者支援モデル育成

女性研究者支援モデル育成事業は、大学や公的研究機関を対象として、女性研究者が研究と出産・育児等を両立し、その能力を十分に発揮しつつ研究活動を行える仕組みを構築するモデルとなる優れた取組を支援する文部科学省の事業です。

今回のシンポジウムは、この女性研究者支援モデル育成事業に採択された大学のうち私立大学である津田塾大学、慶應義塾大学、東海大学、日本大学、東京女子医科大学、日本女子大学、早稲田大学、上智大学、東京都市大学、東邦大学の10私立大学により開催されました。各大学の取組が報告されるとともに、男女共同参画の輪をさらに拡げるために「男女共同参画推進のための共同宣言」が採択されました。

企業における男女共同参画

NECラーニング株式会社代表取締役社長内海房子氏より、基調講演がありました。

内海氏からは

・女性の管理職登用のためには、結婚・出産の時期に女性が退職せず働き続けられる環境づくりが必要であること。

女性を活用しようとする会社の本気度を示し、研修等を通じ男性管理職に女性を活用する意識を高めることが重要であること。

・女性たちもサポート体制や会社の期待度等に不安を抱えているため、女性たちを集めたフォーラムの実施、女性同士の話し合いの場の設定等も必要であることなどが示されました。

また、最近は、育児のため休むのではなく、もっと働く時間を確保したいと希望する者が増えているため、女性社員が働く時間を確保するための支援策を実施している等のお話しがありました。

私立大学と男女共同参画

日本私立大学連盟会長・早稲田大学総長白井克彦氏による特別講演がありました。

主な内容としては、人口減少社会において女性研究者・教員の数を増やし、その能力を発揮してもらうことが必要であること。女性研究者支援の対策を講ずる上で、細かいデータが不足しており、私立大学全体でデータ把握に取り組む必要があること。私立大学における男女共同参画を進めるため、500以上加盟している私立大学連盟全体で、女性研究者・教員が一層活躍する対策を議論する委員会を設置していく方向に進んでいる等の話がありました。

各大学の事例報告

各大学からも、様々な工夫による女性研究者支援の取組の報告がありました。主な取組としては、保育施設の整備・フレックス制の導入等の出産・育児に対する支援、相談窓口の設置・カウンセリング等の心理面での支援、WEB会議システム等の導入などのネットワーク環境の整備等です。成果として、女性研究者の論文執筆数・学会発表数の増加、女性教員比率の増加、入学志願者数の増加等が報告がされました。

共同宣言

最後に、10大学の学長、総長による内外に向けた取組として、「男女共同参画推進のための共同宣言」が採択され、福島男女共同参画担当大臣からの応援メッセージが岡島男女共同参画局長から読み上げられ、シンポジウムは盛況のうちに終了しました。

私立大学の代表による共同宣言