「共同参画」2009年 11月号
男女共同参画社会基本法制定10周年女子差別撤廃条約採択30周年
本年6月に、男女共同参画社会基本法制定10周年を迎えます。
また、12月には、女子差別撤廃条約採択30周年になります。男女共同参画の取組の新たなステージに向かう記念すべき年です。
巻頭言
今年は女性差別撤廃条約が1979年の国連総会で採択されて30年目にあたる。
過去30年の間にこの条約の解釈が最も大きく発展した点は、「女性に対する暴力」は女性差別である、として、政府報告書においてその取り組みを記載させるようになったことだと言われている。
女性差別撤廃条約のモデルとなったのは、1965年に成立した人種差別撤廃条約であり、確かにふたつの条約にはよく似た規定が置かれている。しかしよく読んでみると、人種差別撤廃条約には「暴力または傷害に対する身体の安全および国家による保護についての権利」が明記されているのに対して(5条b項)、女性差別撤廃条約にそのような規定はない。女性差別撤廃条約の起草者たちは、ドメスティック・バイオレンスやセクシュアル・ハラスメント、人身取引などの暴力から女性を保護する義務が国にあることを明確には意識していなかったのかもしれない。世界的な女性運動が、これこそが女性の社会参画を阻害している原因であると主張し始めたは、1980年代に入ってからのことである。30周年を迎えた女性差別撤廃条約が、世界中で「女性に対する暴力」に立ち向かっている男女に理念と連帯のメッセージを伝え、取り組む力の源泉となることを願っている。
弁護士
林 陽子
主な予定
11月12日~25日 | 女性に対する暴力をなくす運動(主唱:男女共同参画推進本部)(11月25日 女性に対する暴力撤廃国際日) |
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11月15日~21日 | 全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間(主催:法務省、全国人権擁護委員連合会) |
12月4日~10日 | 人権週間(主催:法務省、全国人権擁護委員連合会) |
(平成22年) | |
1月23日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(茨城県守谷市) |
1月30日 | 男女共同参画宣言都市奨励事業(沖縄県宜野湾市) |