「共同参画」2009年 8・9月号

「共同参画」2009年 8・9月号

取組事例ファイル/企業編

株式会社高島屋 高島屋のワーク・ライフ・バランス

百貨店業界は、女性のお客様が多く、人と人とのつながりによって成り立っています。お客様との良好なコミュニケーションには多様な人材の多様な経験が大きく寄与するため、従来から女性の感性や経験を活かすための環境づくりや、多様な働き方で構成されるチームとしての総合力の発揮を目指した取組を行っています。当社の取組を振り返ってみると、その取組は全て現在の全員を対象としたワーク・ライフ・バランス(以下WLB)への取組につながっています。平成18年にWLB推進事務局を立ち上げ、以来、WLBの認知度アップと共に、均等均衡の視点を踏まえた育児介護制度の充実や、働き方の見直し、健康管理体制の強化、キャリア形成への支援等、全ての従業員を対象とした取組を行っています。平成20年からは厚生労働省「仕事と生活の調和推進プロジェクト」へも参画し、取組を強化してきました。

21年度以降の取組の考え方

WLB支援は持続可能な社会への貢献であり、企業にとっても人材の確保・定着、仕事の意欲の維持・向上などのため必要不可欠な取組であると捉えています。この取組の実効を上げていくためには、従来の取組を継続していくとともに、現在の経営環境や社会的要請を踏まえて取組を進化する必要があります。当社においては、次世代法行動計画のタームに合わせ「WLB実現に向けたアクションプラン」を策定し、労使で取組の進捗状況をチェックしていますが、基本的な取組項目については、平成21年度からも継続することとし、その上で、「仕事の生産性の向上」「多様性の尊重(ダイバーシティ)の推進」「少子化社会における社会的責任」の3つの視点を踏まえ具体策に落とし込み取組を推進しています。

自らのWLBを考える~自発的な行動のサポート~

WLBは、仕事と生活を天秤にするのではなく、自分の中にそれぞれの構成要素があり、自分自身のキャパシティの範疇でバランスさせるという考え方と捉えています。企業がWLB支援に取組む最大の目的は、従業員一人ひとりにより少ない時間で高い成果を生み出させることにあります。業務改善や自己研鑽により創出した時間をさらにインプットの時間として有効活用するといった好循環を生み出し、仕事の生産性や質の向上につなげていくことが重要であり、それには一人ひとりの自発的な行動が求められます。そのきっかけとして「自らのWLBを考えるツール」を作成配布し、考えることによる意識変革を目指しています。

また、個々人のWLBの状態・考え方を職場のマネジャーが日々のコミュニケーションの中でつかみ、モチベーションアップや育成につながる仕事の与え方を行っていくことが重要であることを、管理職のWLB研修でも説いています。

WLBへの取組は何よりも「継続」が大切。一人ひとりの自発的な行動を企業の力としていくべく、継続した取組を実施してまいります。(人事部人事政策担当)

  • 取組の変遷
  • 21年度の取組の相関図・スローガン
  • 自らのWLBを考えるツール

自らのWLBを考えるツール

会社概要/株式会社高島屋

●本社所在地:大阪府大阪市中央区 創業:1831年 ●従業員数(2009年2月末時点):社員6,724名(内訳:男性3,583名・女性3,141名)上記の他、嘱託員、契約社員及びパート社員が5,351名 ●ネットワーク:国内20店舗・海外3店舗(グループ会社含む)