「共同参画」2009年 7月号

「共同参画」2009年 7月号

取組事例ファイル/企業編

シャープ株式会社

事業所と連携しながら女性社員の活躍を推進

当社は、著しいビジネス環境の変化に迅速、柔軟に対応するためには「多様な人材を活かす」こと、すなわちダイバーシティ・マネジメントが重要であると考え、2005年6月よりその第一ステップとして「女性社員の戦力化」に取り組んでいます。

具体的なプログラムでは、アクションプランと目標を設定し、女性社員の能力や適性をさらに活かせる重点活躍部門(職域)への職域拡大や、計画的な女性リーダー育成を目的とした「女性リーダー研修(次期管理職候補者対象)」を実施しています。この「女性リーダー研修」では、各事業所との連携のもと、受講者別にキャリア育成プログラムを策定し、ダイバーシティ推進チームと受講者、上司による三者面談の実施や上司参加型の研修を含め、約半年間の研修カリキュラムを推進しています。

その結果、女性管理職は施策スタート時の2.5倍の53名となる等の施策効果が出てきています。

全社員のワーク・ライフ・バランス支援をめざして

社員の多様なニーズに応え、全社員がいきいきと働き、能力を充分に発揮できる職場づくりを目指し、毎週1回の早帰り日の設定による定時退社の励行等、メリハリのある働き方の風土作りに向けた取り組みを推進しています。

又、育児・介護中の柔軟な勤務を可能にする勤務制度や、出産育児再雇用保証制度など、様々なワーク・ライフ・バランス支援制度の整備・拡充も行っており、2008年4月に育児休職の一部有給化や育児支援金の支給を開始した結果、男性社員の育児休職取得者の大幅な増加につなげることができました。

これらの施策に加え、社員への意識啓発策としてイントラネットにワーク・ライフ・バランスの情報サイト「男女いきいき応援サイト」を掲載し、子育てや介護経験者、自己啓発に取り組む社員等幅広い社内ロールモデルを紹介すると共に、ステップアップの為のセミナーや書籍情報、両立支援のための各種制度のガイドブックを公開しています。

多様な人材をオンリーワン経営の戦力に

約4年間の女性活躍推進の取り組みをさらに拡大し強化するため、2009年3月より専任組織を「ダイバーシティ推進チーム」に再編しました。

「女性社員の戦力化」の継続的な取り組みに加え、従来から取り組んでいる外国人(国内勤務)の活用、障がい者雇用、定年退職者再雇用などトータルでダイバーシティを推進し、全ての社員が能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進しています。

当社のダイバーシティの考え方は、「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」という「経営理念」の上に成り立っています。ダイバーシティコンセプトを「多様な人材をオンリーワン経営の戦力に」と定め、社員一人ひとりが互いの個性を尊重し合うことで、新しい価値を生み出し、オンリーワン商品の開発、サービスの提案、CS向上等につなげることをめざしています。

(人事部ダイバーシティ推進チーム)

女性リーダー研修 研修風景 ダイバーシティの概念図

両立支援ガイドブック男女いきいき応援サイト

会社概要 シャープ株式会社 創業:1912年9月15日。事業内容:AV・通信機器、電化機器、情報機器、LSI、液晶、その他電子部品などの製造・販売。従業員数(単体):(2009年4月1日現在)23,800人(男性21,600人、女性2,200人)。