「共同参画」2009年 6月号

「共同参画」2009年 6月号

リレートーク

Relay Talk 1 九州大学大学院生 木下 直子

  • 木下 直子
  • 私は福岡市で「慰安婦」問題の法的・政治的解決を求める市民運動に参加しています。福岡市議会は2009年3月25日、“日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書”を採択しました。これは宝塚市、清瀬市、札幌市に続き全国で4番目の動きです。2008年から地方議会が市民の声を受け止め、「慰安婦」問題の解決を求める意見書を出す動きが活発化しているのです。私も市議会を傍聴しました。

    男女共同参画の事業は、今の日本社会がどのような歴史の上にあるのか、男女が歴史的に、その身体や精神にいかなる意味を付与されてきたのか見つめながら、よりよい方向へ推進されるべきだと思います。被害者の多くが亡くなった今、声を上げ続けるサバイバーと手を取り、沈黙する被害者に思いを馳せ、この公的な問題に取り組むことは、女性も男性も生きやすい世の中をつくるうえでも重要だと思っています。

Relay Talk 2 沖縄県男女共同参画センター「てぃるる」 常務理事兼事務局長 仲嶺 マチ子

  • 沖縄県男女共同参画センターの「てぃるる」とは、琉球の叙事的歌謡のことで、原意は照り輝くような美しいことばという意味です。開館から13年間本県の拠点施設として、活動を続けています。主な事業内容は、啓発学習事業、相談業務、アメラジアンスクールへの日本語指導者派遣事業、DV対策事業、施設管理事業、図書情報提供事業等です。相談業務においては、県内唯一、基地等から派生するフェミニズムカウンセリングを主体とする諸問題に対応した国際相談を行っております。事業では、平成20年度は高校生を対象にしたDV防止講座を10校で実施、本年度は、農山漁村地域の女性を対象に、亜熱帯農業の資源を活用した起業養成講座をスタートさせたところです。一方、様々な団体等が視察にみえますが、今年2月、JICA研修事業でイラク青年指導者の方々が本県の戦後復興を通して、国づくりのビジョンを考える目的で訪れたのが印象に残っています。