「共同参画」2009年 5月号

「共同参画」2009年 5月号

行政施策トピックス 4

平成20年版働く女性の実情 内閣府男女共同参画局総務課

厚生労働省雇用均等・児童家庭局では、毎年、働く女性に関する動きを取りまとめ、「働く女性の実情」として紹介しています。本年は、平成20年の働く女性の実態とその特徴を明らかにするとともに、近年進学率が上昇し、労働市場に占める割合が高まっている大卒女性の働き方の現状及び課題を分析しました。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0326-1.html

平成20年の働く女性の状況

平成20年の女性の労働力人口は5年ぶりに減少し(2,762万人)、労働力率も5年ぶりに低下し48.4%となりました。年齢階級別の労働力率は、25~29歳(76.1%)と45~49歳(75.5%)を左右のピークとするM字型カーブを描いています。M字型の底は昭和54年に25~29歳から30~34歳に移動して以来30~34歳となっていましたが、比較可能な昭和43年以降初めて35~39歳となりました。また、M字型の底の値は前年は64.0%でしたが、0.9%ポイント上昇し64.9%となりました(図1)。

図1 女性の年齢階級別労働力率

また、平成20年の一般労働者(平均39.1歳、勤続8.6年)の所定内給与額は22万6,100円(前年比0.4%増)でした。所定内給与額でみた男女間の賃金格差(男性=100.0とする女性の給与額)は67.8(前年66.9)となっており、前年に引き続き格差は縮小しました。

大卒女性の働き方

均等法制定時(昭和60年)以降の15~64歳の有業率の推移をみると、男性はこの20年余の間ほぼ横ばいのまま推移しているのに対し、女性は、昭和62年54.2%から平成19年61.7%と上昇傾向を示しています。特に大卒女性は昭和62年の62.6%から平成19年の72.6%へと10.0%ポイント高まっており上昇幅が大きくなっていますが、年齢階級別の有業率が描くカーブにも大きな変化がもたらされています。

大学・大学院卒業者については、卒業後すぐの有業率は高いものの結婚や出産、育児を機に早期に労働市場から退出したまま、その後も労働市場に復帰しない者の割合が高いという特徴があったために、年齢階級別の有業率が「きりん型」-首の部分(若年層)の傾斜が極めて急で(高く)、背中(中高年層)が平坦-と称されていましたが、近年、25~29歳と30~34歳での有業率が大幅に高まっているため、「きりん」の「首」に例えられた若年層での有業率の急降下が解消されています。また、35歳以上の有業率は高校・旧制中卒業者の有業率と近似の値を示しており、学歴による顕著な違いがみられなくなっています。これは、結婚や出産、育児期に労働市場から退出するという女性特有の行動をとる者は、かつても現在も一定程度存在しますが、未婚率の上昇もあり曲線が上方にシフトし、さらに、晩婚化、晩産化により退出する年齢層のピークが高まった結果、曲線が右方にシフトした結果と考えられます。(図2)