「共同参画」2009年 2月号

「共同参画」2009年 2月号

取組事例ファイル/その2 企業編

三井住友銀行 人事部ダイバーシティ推進室

ダイバーシティは、企業の生き残り、持続的成長への鍵

三井住友銀行では、2008年7月に人事制度を改定、業務多様化などを背景に、一般職については職務に応じたコースを新設し、役職者階層のある「ビジネスキャリア職(BC職)」に再編しました。

「多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場作り」が企業業績向上のキーであると考え、従業員2万4千人の4割を占める女性の活躍推進を最大の課題として、ダイバーシティを推進しています。

トップ・ボトム両面からの問題意識

当初、女性活躍推進の取組は、現場・マーケットへのアプローチの観点から、女性比率の高い個人部門の活動として始まりました。プロジェクト室として2年半の活動を経た後、企業全体の取組への発展、活性化を目指し、2008年4月にダイバーシティ推進室が新設されました。両立支援、人材育成、意識改革を活動の大きな柱としています。

トップである頭取からも、広告への登場、拠点長会議での言い込みなど、内外に向けたメッセージ発信をしています。

スムースな職場復帰を第一の目的とした「従業員サポートプログラム」

女性の長期就労とスムースな職場復帰を主目的として、「従業員サポートプログラム」も拡充を図ってきました。

短時間勤務制度や看護休暇制度を整える一方、定時退出の困難な管理職なども想定した「託児補給金制度」(延長保育、時間外シッターなどの実費を子ども1人あたり月額5万円まで補助する制度)といったメニューを用意し、働き方の多様性に対応しています。

既存制度も、女性従業員の声も受け、例えば、育児休業制度の期間延長(最長2歳まで)や期間変更回数増加、看護休暇の日数増加(子どもの数による)、旧姓(ビジネスネーム)利用ルール明確化などのバージョンアップを重ねています。また、「ワークライフバランスガイドブック」や妊娠中の従業員への「プレママミーティング」実施などにより、現場への浸透と利用しやすい風土醸成を目指しています。

確実な「復帰」とその後の職場への「定着」を最大の目的と考え、制度に加え、自己啓発講座として「育児休業者のための職場復帰サポート講座」を研修所と共催し、会社からのメッセージの発信とネットワーク形成の場としています。

「働く」を「輝く」へ

BC職再編も受け、人材育成上、キャリア教育が現在の大きなテーマとなっており、ワークライフバランスを図りつつ、自律的なキャリアデザインを促す研修プログラムを拡充しています。

一方、管理職にも「上司の虎の巻・女性部下のライフイベント対応読本」を配布したり、管理職研修で講話を実施するなどして、意識改革を促しています。

女性管理職は459人(2008/7/末時点)と6年前の3倍近くになりました。一方、育休後、現場復帰し課長登用されたり、管理職登用後、再度育児休業を取得するなど、様々なライフスタイルも見られるようになりました。

「『働く』を『輝く』へ」進化させ、「女性が頼りになる三井住友銀行」というお客さまのお声を目指し、今後も取組を進めていきます。

  • 育児休業制度取得者のための職場復帰サポート講座
    育児休業制度取得者のための職場復帰サポート講座
  • SMBCこども参観日
    SMBCこども参観日
  • プレママミーティング
    プレママミーティング
  • ダイバーシティセミナー
    ダイバーシティセミナー

会社概要/株式会社三井住友銀行(SMBC) 2001年にさくら銀行と住友銀行が合併して発足。2002年12月、株式移転により(株)三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)を設立し、その子会社に。従業員数(2008年10月末現在) 24,017人(男性13,952人、女性10,065人)。ネットワーク(2008年6月末現在) 国内=本支店475、出張所163、代理店1、付随業務取扱所23、無人店舗844/海外=支店19、出張所6、駐在員事務所16。