「共同参画」2008年 11月号

「共同参画」2008年 11月号

取組事例ファイル/その1 自治体編

佐賀県  【誰もが活躍できる佐賀県を目指して】

佐賀県では、昨年11月に「佐賀県総合計画2007」を策定し、「男女を問わず誰もが活躍できる社会」や、「女性に対する暴力がなくなり安心してくらせる社会」の実現を目指すこととしています。

県が実施した県民意識調査結果によると「社会通念・慣習・しきたり」、「政治の場」、「職場」で男性が優遇されているとの回答が6割以上であり、男女の不平等感は根強く残っています。また、「夫は仕事、妻は家庭」という伝統的な性別役割分担には6割以上が反対ですが、依然として約8割の女性が家事の大半を担っており、これらの解消に向けた取組が重要となっています。

一方、配偶者からの暴力の被害については、配偶者暴力相談支援センターに寄せられる相談件数が、平成16年度以降、毎年延べ1,000件前後で推移しており、DV被害者への支援の強化や県民への啓発が重要となっています。

佐賀県立女性センター

男女共同参画社会づくりと女性のエンパワーメントの拠点施設である佐賀県立女性センターでは、「女性のための起業入門講座」や「就労支援のためのIT講座」などの女性人材育成事業をはじめ、「男性の家事フォトコンテスト」や「男性の家事川柳」などによる男性の家事参画を推進するための啓発事業等を実施しています。

また、「人間開発報告書」で公表されているGEM(ジェンダー・エンパワーメント指数)を参考に、国内版として都道府県別GEMを比較するための試算を行い、今後の施策への参考資料としています。

さらに、女性総合相談を実施するとともに、配偶者暴力相談支援センターとして、DV被害者に対する相談から同行支援、自立支援に至る関係機関との調整を行っています。

佐賀県男女共同参画推進連携会議

佐賀県男女共同参画推進連携会議は、男女共同参画社会づくりに関し、広く各界各層との情報及び意見の交換並びに連携を図り、もって、あらゆる分野において男女共同参画に取り組む全県的な気運を醸成することを目的に、県内の企業・団体で構成されています。

今年1月には、佐賀県男女共同参画推進連携会議と県が「県民みんなで家事参加運動」を共同提唱し、男性の家事参画の推進を県民運動として展開しています。

佐賀県DV総合対策センター

佐賀県DV総合対策センターは、DV被害者支援の関係機関の事業を総合調整し、被害者支援体制を強化することを目的に、平成16年4月に設置しました。

DV被害者支援の関係機関で構成される「佐賀県DV総合対策会議」の運営のほか、市町などDV関係機関の実務者に対し、研修や会議の実施による意識啓発やスキルアップを図っています。

また、DVをなくすためには、若年からの教育・啓発が必要であることから、教育委員会と連携し、中学校、高校において生徒、教師、保護者を対象に、DVの予防教育事業を実施しています。

まとめ

家庭、地域、職場などのあらゆる分野において男女がともに個性や能力を十分に発揮でき、安心してくらせる社会を目指し、各種施策の推進に取り組んでいきます。

佐賀県くらし環境本部男女共同参画課

http://www.pref.saga.lg.jp/web/si-danjo.html

  • 男性の家事参画推進リーフレット
    男性の家事参画推進リーフレット
  • 佐賀県男女共同参画推進連携会議
    佐賀県男女共同参画推進連携会議
  • 平成20年度 男性の家事フォトコンテスト 育児部門最優秀作品 「トラ刈りはかんべん!」
    平成20年度 男性の家事フォトコンテスト 育児部門最優秀作品 「トラ刈りはかんべん!」

佐賀県概要/佐賀県は、九州の北西部に位置し、多くの観光資源に恵まれています。特に特別史跡の吉野ヶ里遺跡は訪れる人を弥生時代に誘い、特別名勝の虹の松原は、まさに自然が織りなした絶景を目のあたりにすることができます。また、有田焼をはじめとする伝統的な産業も盛んで、磁器発祥の地有田町で毎年4月29日から5月5日に開催される有田陶器市は、全国から100万人の焼き物ファンが訪れます。