「共同参画」2008年 10月号

「共同参画」2008年 10月号

取組事例ファイル/その2 企業編 株式会社損害保険ジャパン 東京都

女性活躍支援のための施策3つの柱

損保ジャパンは女性社員の割合が多い会社であり、現在はパート・アルバイトを含む全従業員の約6割が女性です。その女性社員の大半が当社業務の根幹を担う保険の引受・支払部門の事務を担当しています。したがって当社にとって女性社員が活躍することは会社全体の活性化に繋がり、競争力をより強化できると考えており、女性活躍支援のための施策として3つの柱で推進しています。

1つ目は「仕事と生活の両立支援制度」です。女性社員がより長く働いてもらうための支援となるよう、これまでの利用者の声を反映させて、より取得しやすい制度を目指し新設・改定しています。代表的な改定のひとつとして育児休業制度があります。以前の制度では休業期間は子供が満1歳になるまででしたが、保育園に空きが出る時期は4月であること、入園して1ヶ月は慣らし保育があり復帰時に苦労するという利用者の声がありました。そこで満1歳になった翌年度の4月末まで育休が取得できることとし、利用者が復帰しやすいかたちに改定しました。その他、制度を柔軟に改定・新設することにより、今では2002年度から比べ各種両立支援制度の利用者が約4倍と増加しています。

2つ目は「キャリア充実支援」です。さまざまな価値観や働き方に応じたキャリアアップができる仕組みづくりを実施しています。例えば、業務職(他社でいう一般職)の新たなキャリアモデルとして、2005年に「業務リーダー」という他の職員の指導・育成、業務の適正化を担うポジションを新設しました。さらに業務リーダーの次のステップとして2007年にはマネジメントに関する業務も行う「業務リーダー(課長)」が作られ、業務職ならではの経験とスキルを活かして活躍できるフィールドを広げています。

3つ目は「社員の意識改革(企業風土の醸成)」です。女性活躍推進浸透のための仕組みづくりとして意識改革は最も重要であり、トップとボトム両方からの働きかけが必要と考えています。トップからの働きかけとしては社長メッセージや管理職向けの研修などを継続的に実施しています。ボトムからの取り組みの代表的なものとしては社員組織である「ダイバーシティコミッティ」があり、全国各地域の職場に所属する男女各1名のメンバー(約420名)と、核となるボードメンバー(14名)から構成されています。本コミッティは人事部女性いきいき推進グループと連携・協働して社員の意識改革活動を行っており、各メンバーが自主的に全国各地のセミナーやファミリーデイ(職場参観)などの企画・実施をしたり、ダイバーシティに関する情報を幅広く集約・発信したり、その集約した声を施策に生かせるよう提言したりという活動をしています。

この3つの柱をベースにそれぞれ多方面な施策を展開し、最終的には男女の差なく社員のさまざまな価値観(働き方)を受け入れ、社員それぞれのポジションで最大限の能力を発揮・活躍でき、働き続けることのできる企業を目指して取り組んでいます。

(人事部 女性いきいき推進グループ)

  • 各種制度の掲載サイト。産休・育休期間の自動計算ができる。
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  • 各種制度の紹介や取組事例をまとめた小冊子
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  • 本社ファミリーウィーク(職場参観)
    本社ファミリーウィーク(職場参観)

会社概要/株式会社損害保険ジャパン 2002年に安田火災・日産火災が合併し、のちに大成火災が合流。2007年度、正味収入保険料は13,450億円。社員数は16,095名で代理店数54,282店。国内拠点は営業部・支店-108、営業課・営業所-535、サービスセンター(事故対応サービス拠点)-251。海外拠点は26か国41都市。