「共同参画」2008年 8月号

「共同参画」2008年 8月号

取組事例ファイル/その2 地域編

かながわ女性センター

市町村・NPO等と連携・協働して男女共同参画を推進

湘南の観光地として有名な江ノ島に約22,000m2の敷地を持つ神奈川県立かながわ女性センターは、昭和57年に開館しました。神奈川県における男女共同参画推進の拠点施設として、専門性・先導性の発揮、市町村との連携・協力、NPO等との協働を運営方針として、女性の人材育成、総合相談、調査研究等の事業に取り組んでいます。

館内の95,000冊の蔵書を有する図書館では、女性運動の歴史を学ぶうえで貴重な「山川菊栄文庫」を公開しています。ホールや体育室、会議室等のほか、宿泊室(17室)も備え、男女共同参画に関する会議・研修等の会場として人気が高く、大学のゼミでの利用も増えています。

かながわ女性センターが特に力を入れているのは、女性のチャレンジ支援です。講座等は対象者や目的別に体系化されています。女性の社会参画セミナー「江の島塾」をはじめ、中高生、無業の若年女性、就業中の女性(勤続年数・職階別、育休中)、起業希望者、企業の人事担当者等それぞれの課題に合わせたメニューが用意され、立場や状況に応じて活用し、ステップアップしていくことができます。

講座等以外の起業支援として、平成20年4月にオープンした「江の島夢づくり支援ルーム」があります。起業準備のための専用ブース3室を備え、起業を目指す女性たちの情報交換とネットワーク形成の場となり、専門家の助言・指導が無料で受けられます。

また、NPOと協働して運営する「かながわ女性キャリア支援センター」では、支援情報の提供や個人のニーズに応じたキャリアカウンセリング等により、就業・起業等にチャレンジする女性を総合的に支援しています。

地域の様々な機関・団体との連携やネットワークづくりにも力を入れています。NPOから事業企画を募集して対等な立場でのパートナーシップを組んで実施するなど、市町村やNPO等と連携・協働して、地域の実情に応じた男女共同参画や女性の人権に関する事業を実施しています。多様な活動を行うNPOが集うNPOフォーラムも年1回開催しています。

かながわ女性センターは配偶者暴力相談支援センターの機能も担っており、相談、被害者の自助グループづくりの支援、若者向けのデートDVのリーフレットなど啓発資料の作成等を行っています。特徴的なのは、外国籍の県民向けに外国語での支援を行っていることです。外国語版(8ヶ国語)のDV防止啓発用リーフレットは、市町村の婦人相談員からも実際の対応に役立つと好評です。県が民間団体に委託している「多言語相談」とも連携しています。外国籍の県民も多い神奈川県において、在留資格等の外国籍被害者に特有の問題や文化的背景の違いから生じる問題に配慮し、地域の外国人が生活しやすい環境をつくることを通じて、多様な立場の地域住民の共生に役立っています。

神奈川県立かながわ女性センター
神奈川県藤沢市江の島1‐11‐1
http://www.pref.kanagawa.jp
(神奈川県のホームページからかながわ女性センターのページに入ってください)

  • 女性起業家入門講座・かながわ
    女性起業家入門講座・かながわ。
  • 男女共同参画NPOフォーラム(かながわ女性センター中庭にて)
    男女共同参画NPOフォーラム(かながわ女性センター中庭にて)。