「共同参画」2008年 8月号

「共同参画」2008年 8月号

取組事例ファイル/その1 自治体編

兵庫県丹波市  【言ってみようやってみよう丹波市の男女共同参画社会へ向けて】

市民の「心の合併」を!!老若男女による丹波市づくり

平成16年11月1日、旧6町が合併して、丹波市が誕生しました。

物理的な合併はできたが広大な面積の丹波市は、市民の「心の合併」が、大きな課題であるという市長の公約により、市民の一体感の醸成をめざして市内25の小学校区において、地域づくり事業を始めました。「行政は何をしてくれるのか?」ではなく、「我々がやるべきことは何か?」という市民の意識変革により、小学校区を単位としてそれぞれの地域が「自治協議会」を設立し、老若男女の多様な視点で地域の課題を考え、共に汗をかき、少子高齢社会に対応できる住民主導・行政支援型地域づくりに向けて取り組んでいくものです。

自治会などの役員構成は、殆ど中高年男性の役員で占められ、女性の声が反映されにくい組織体制になっているのが実状です。中山間地域である本市においては、三世代同居率が高く、やる気がある若いお嫁さんが、地域活動等に出ていこうとしても家庭内で険悪な空気になる、といった声もあるように、男女の役割分担意識が固定化し、女性が自治会や地域の役員に就くという意識は、まだまだ確立できていません。

自治会へ男女共同参画推進員設置

市では、平成19年12月、丹波市男女共同参画計画丹(まごころ)の里ハーモニープランを策定しました。多くの女性に、まだ男女共同参画の態勢ができていないため、中身の伴わない数値目標を揚げても、やらされ感の思いが強くなり、形だけの男女共同参画に終わってしまうことが懸念されます。真の男女共同参画社会の実現に向け、まず市民の参画を促し、それを受け入れる地域社会を形成するための基盤づくり計画として位置づけています。スタートの取組として、今年度から各自治会に男女共同参画推進員の設置をお願いしました。市民に最も身近にある自治会において、きめ細かく草の根的に住民一人ひとりに啓発し、意識を積み上げていくためです。もちろん推進員を経験した人達が自治会等で役員や委員として就けるきっかけになればという願いも込めています。推進員は1~2年で改選されますので、その度に理解を深めていただく人の輪が広がっていくと考えています。6月23日現在で、丹波市内298自治会のうち、249自治会で推進員が設置され、推進員2名体制のところを含め、男女別の内訳が男性177名、女性114名となっています。人選の仕方や任期、人数、手当等については全て自治会の任意としています。説明会を開催し推進員の役割や仕事について説明、日を改めて推進員研修会として兵庫県理事(男女共同参画推進連携会議議員)の清原桂子氏に講演をいただき、男女共同参画推進の意義を正しく理解し、今後の活動に取り組んでいくことを確認し合いました。いよいよこれからが本番です。車の両輪のように行政と連携しあえるよう、地域での活躍に期待しているところです。

(丹波市企画部心の合併室)

  • 兵庫県理事(男女共同参画推進連携会議議員)清原桂子氏の講演
    兵庫県理事(男女共同参画推進連携会議議員)清原桂子氏の講演。
  • 男女共同参画を共通認識する自治会男女共同参画推進員
    男女共同参画を共通認識する自治会男女共同参画推進員。

丹波市の概要/兵庫県の中央東部に位置し、面積493.28km2、人口71,746人の中山間地域。市内には瀬戸内海へ注ぐ加古川と日本海へ注ぐ由良川の本州一低い中央分水界(海抜95m)がある。また一昨年、市内において発見された“丹波竜”は、日本では産出が稀な大型草食恐竜の化石で、連なった尾椎や肋骨、脳函や環椎に加え5,000点を超える骨辺が発見されるなど、ほぼ一体分の恐竜化石発見への期待が高まり、話題を呼んでいる。