「共同参画」2008年 8月号

「共同参画」2008年 8月号

特集/男女共同参画週間の主要行事について Part2

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰
及び女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞 内閣府男女共同参画局総務課

6月26日、総理大臣官邸において、福田内閣総理大臣及び上川男女共同参画担当大臣の出席のもと、男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰及び女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞の表彰式が行われました。

本年度の受賞者は以下の皆様です(50音順・敬称略)。

<男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰>

男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰は、多年にわたり男女共同参画社会に向けた気運の醸成等に功績のあった方や、各分野において実践的な活動を積み重ね、男女共同参画の推進に貢献してきた方などを内閣総理大臣から表彰するものです。従来は内閣官房長官からの表彰でしたが、制度の充実を図り、今年度から、内閣総理大臣からの表彰となりました。

赤水照子 しまね女性会議会長(島根県)
赤水 照子
しまね女性会議会長(島根県)

しまね女性会議の会長として、卓越した実行力をもって、県内の女性団体のネットワークの形成・充実に努め、女性の地位向上と社会参加の促進を図るなど、男女共同参画社会づくりを推進するためにさまざまな取組を進めています。

島根県連合婦人会会長等として、婦人会活動を中心に女性の力を結集し、行政とも連携して、地域の環境保全や美化、地場産業の振興、男女共同参画社会づくり、消費者被害への対応など幅広い分野で活躍しています。

さらに、消費者問題研究組織を立ち上げ、会長として、警察等と連携して、悪徳商法等に関する勉強会の開催や独居老人に対する働きかけ等を行うなど、多様化・複雑化する消費者被害の未然防止に努めました。

淺岡美惠 特定非営利活動法人気候ネットワーク代表(京都府)
淺岡 美惠
特定非営利活動法人気候ネットワーク代表(京都府)

元気候フォーラム事務局長、NPO法人気候ネットワークの代表として地球温暖化に関する情報発信、政策提言、国際交渉への働きかけやネットワークの形成など、地球温暖化対策の推進に大きな役割を果たしました。また、本分野でリーダーシップを発揮する女性として、男女共同参画社会づくりの推進に寄与しました。

中央環境審議会委員等として、地球温暖化問題についての高い見識をもって、京都議定書目標達成計画の見直しに向けた審議等に積極的に参画するなど、我が国の地球温暖化対策に関する審議に多大な貢献をしています。

さらに、京都市男女共同参画懇話会委員等として、「第2次京都市女性行動計画」の策定及びその改定等に参画し、男女共同参画施策の推進に尽力しました。

伊藤さなゑ 元JA全国女性組織協議会会長(三重県)
伊藤 さなゑ
元JA全国女性組織協議会会長(三重県)

JA全国女性組織協議会において会長等を歴任し、若い世代の女性のエンパワーメントを推進するための組織「フレッシュミズ」の立ち上げに尽力し、同協議会50周年記念大会の開催、組織改編に取り組むなど、農村女性の活躍のための環境整備を行いました。また、方針決定の場への女性の参画を推進するため、全国の農業関係機関への要請活動等を通じて、農業分野の男女共同参画の推進に尽力しました。

世界女性会議やWTO関係会議において、日本の農業、農村について発言し、国外においても積極的に活躍するとともに、国際会議やセミナーの場に若い女性農業者が参加できるよう世界的な視野を持ち自ら行動する女性農業者の育成に貢献しました。

井原理代 香川県男女共同参画審議会会長(香川県)
井原 理代
香川県男女共同参画審議会会長(香川県)

香川県男女共同参画推進委員会委員長として、かがわ男女共同参画プランの策定や香川県男女共同参画推進条例の制定に尽力し、さらに、香川県男女共同参画審議会会長として、かがわ男女共同参画プラン後期計画の策定に取り組むなど、男女共同参画の推進に大きく貢献しています。

大学では、会計学の専門家として、日本簿記学会では数少ない女性役員として活躍し、香川大学経済学部長に女性として初めて就任しました。就任後、国立大学法人化に対応して、中国・四国初のビジネススクールである同大学大学院地域マネジメント研究科の立ち上げに尽力し、設立後は初代の研究科長に就任し、数々の業績を上げています。

岩佐郁子 宮崎県男女共同参画審議委員(宮崎県)
岩佐 郁子
宮崎県男女共同参画審議委員(宮崎県)

永年にわたり、宮崎県婦人問題懇話会委員、同男女共同参画推進懇話会委員、同審議会委員として、「みやざき男女共同参画プラン」等の男女共同参画に関わる各種計画等の策定・改定に携わるなど、男女共同参画社会づくりの推進に大きく貢献してきました。

また、延岡市男女共同参画審議会の初代会長として、市の男女共同参画施策に対して積極的に提言するほか、男女共同参画講座において「女性と法律」等をテーマとした講演を行うなど同市の男女共同参画の推進に貢献してきました。

宮崎県初の女性弁護士として、「自由と正義・公平と平等」を信条に活躍しており、宮崎県弁護士会会長を歴任しました。

遠藤宮子 福島県女性団体連絡協議会会長(福島県)
遠藤 宮子
福島県女性団体連絡協議会会長(福島県)

福島県女性団体連絡協議会会長等として、男女平等、人権尊重、自立意識の向上等を考える「福島県男女共生のつどい」を開催し、従来の型にとらわれない自由な発想で男女共同参画社会推進のための実践活動に意欲的に取組むとともに、加盟団体の連携協力体制の確立に尽力してきました。

女性リーダー育成講座の修了者による福島県磐青の会では、設立当初から会の運営等の中心的役割を担っており、会長等としてリーダーシップを発揮し、県内のネットワークを活かして、女性の自立や女性のエンパワーメントに向けた学習活動を地域に根ざした形で展開するなど、男女共同参画の推進に貢献しています。

川瀬啓子 広島県男女共同参画審議会会長(広島県)
川瀬 啓子
広島県男女共同参画審議会会長(広島県)

広島県男女共同参画懇話会会長、同審議会会長として、広島県男女共同参画推進条例の制定や広島県男女共同参画基本計画の策定及び改定等に尽力するなど、男女共同参画に関する重要施策の推進に多大な貢献をしています。

広島市男女共同参画審議会会長等として、男女共同参画施策に対して積極的に提言するなど、同市の男女共同参画の推進に貢献してきました。

平成19年10月開催の日本女性会議広島大会では共同実行委員長を務め、卓越した発想力と行動力により、民間主導で企画・運営を行うという従来の大会とは異なる広島独自のやり方で全国大会を成功裏に開催し、県民や地域団体による主体的な取組の促進に寄与しました。

坂井眞壽子 熊本県人権擁護委員連合会長(熊本県)
坂井 眞壽子
熊本県人権擁護委員連合会長(熊本県)

永年に渡り、人権擁護委員として職務に精励し、人権擁護推進の先頭に立って努力しています。

前熊本県人権擁護委員連合会男女共同参画社会推進委員長(平成14年6月11日から委員)として、各地域、学校、企業等において、男女共同参画推進をテーマとする独自のシナリオに基づくミニシアター、朗読劇等の各種啓発活動を実施するとともに、ドメスティック・バイオレンス等に関する講演、アンケートを行うなど、男女共同参画社会の実現に向けた取組を積極的に推進しています。

全国人権擁護委員連合会男女共同参画社会推進委員として、夫やパートナーからの暴力を含め様々な人権問題についての相談を受ける「女性の人権ホットライン」に係る取組を進めるとともに、男女共同参画に係る啓発活動を推進するなど、男女共同参画社会の推進に向けて尽力しています。

神宮由美子 栃木県女性団体連絡協議会会長(栃木県)
神宮 由美子
栃木県女性団体連絡協議会会長(栃木県)

地元の生活学校の代表や栃木県生活学校連絡協議会事務局長等として、レジ袋を減らす運動やマイバック運動等に力を注ぐとともに、行政と連携して広く県民向けに消費者問題の啓発活動を行うなど、くらしに身近な生活課題の解決に取り組んでいます。

栃木県女性団体連絡協議会会長等として、「男女共同参画社会を考えるとちぎ県民のつどい」を毎年開催するなど、女性の社会参画に関する意識改革や理解促進のためのさまざまな活動を展開しています。

栃木県男女共同参画審議会会長等として、「栃木県男女共同参画推進条例」の制定や、「とちぎ男女共同参画プラン(二期計画)」の策定等に貢献しています。

利谷信義 前社団法人農山漁村女性・生活活動支援協会会長(東京都)
利谷 信義
前社団法人農山漁村女性・生活活動支援協会会長(東京都)

総理府婦人問題企画推進有識者会議の起草担当委員や、同男女共同参画審議会会長代理として取りまとめに尽力した意見書や答申を受け、男女共同参画推進に向けたビジョンである「西暦2000年に向けての新国内行動計画」(第一次改訂)や「男女共同参画2000年プラン」が策定されました。我が国の男女共同参画社会づくりの推進のための礎を築いたものであり、その功績は顕著です。

婦人問題企画推進本部機構に関する検討会委員として、推進本部の強化等を内容とする「今後の婦人問題企画推進本部機構の在り方について」の報告書のとりまとめに携わるなど、男女共同参画の国内推進体制の整備に貢献しました。

前(社)農山漁村女性・生活活動支援協会会長として、農山漁村の女性の能力発揮と地位向上に貢献しました。

原楫 前長野県男女共同参画推進県民会議会長(長野県)
原 楫
前長野県男女共同参画推進県民会議会長(長野県)

地産地消の推進と郷土料理の継承に取り組むなど健康で質の高い社会を目ざして食育活動を展開するとともに、時代や地域のニーズに合った食生活改善活動を積極的に推進しています。

こうした永年の活動実績をもとに長野県食生活改善推進協議会会長等を務めるほか、内閣府食育推進会議委員として、国の食育推進計画の策定にも参画しました。

長野県男女共同参画推進県民会議の会長等として、民間団体等による男女共同参画推進のための県民運動の中心的な役割を担っており、意識啓発や女性の指導的立場への参画促進等を図るための活動を展開しているほか、長野県男女共同参画審議会会長代理として、同県男女共同参画計画の改定等に貢献しました。

伏見妙子(宇津木妙子) 元ソフトボール女子日本代表チーム監督(群馬県)
伏見 妙子(宇津木 妙子)
元ソフトボール女子日本代表チーム監督(群馬県)

オリンピックの正式種目となった平成8年のアトランタオリンピックで日本代表チームのコーチを務め、平成9年にはソフトボール女子日本代表チーム監督に就任し、平成12年のシドニーオリンピックでは銀メダルを獲得しました。平成14年アジア大会でも金メダルを獲得し、平成16年のアテネオリンピツクでは、チームをよくまとめ上げ、日本を銅メダルに導きました。

「ソフトボールの指導者は男性」という固定概念を、自らの卓越した指導力で打破し、日本代表チーム初の女性監督として多大なる功績を挙げ、後に続く女性競技者や女性指導者に夢と目標を与えました。また、指導者としての実績等が評価されて、平成17年には、日本人指導者として初めて国際ソフトボール連盟の殿堂入りを果たしました。

平成20年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰及び女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞表彰式平成20年6月26日於総理大臣官邸
平成20年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰及び
女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞表彰式
平成20年6月26日 於 総理大臣官邸

<女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞>

この表彰制度は、起業、NPO法人での活動、地域活動等にチャレンジすることで輝いている女性個人、女性団体・グループ及びそのようなチャレンジを支援する団体・グループを男女共同参画担当大臣から顕彰し、チャレンジの身近なモデルを示すこと等によって男女共同参画社会の実現のための機運を高めることを目的として、平成16年度から実施しています。

(1)女性のチャレンジ賞(女性の個人及び女性団体・グループを対象)4件

グリーンレディースにかほ
グリーンレディースにかほ
代表:菊地 紀子(秋田県)

営農情報交換グループ「トマト会」を経て、1997年に「グリーンレディースにかほ」を発足し、水稲単一経営が中心であった地域で女性主体で花卉栽培に取り組み、複合経営を定着させて女性農業者の経営参画を実現しました。

2001年には秋冬野菜等を送る「ふるさと薫り宅配便」を開始、2002年には農家と非農家の男女による援農システム「グリーンネットワーク」を立ち上げて繁忙期の労力調整に成功するなど、地域の人々のネットワークづくりに貢献しています。また、商店街の空き店舗を利用した直売活動や消費者交流イベントの開催を通じて、地域づくりにも貢献しています。

谷あゆみ 谷厩舎経営(北海道)
谷 あゆみ
谷厩舎経営(北海道)

1993年にばんえい競馬厩務員となり、2005年には女性として初めてばんえい競馬の調教師試験に合格、翌年10頭の馬で厩舎を開業しました。その年の秋に発生したばんえい競馬の存続問題では、携わる人々の失職やばん馬の行く末という問題とともに、北海道の開拓の歴史である「馬耕文化」を後世に伝えることができなくなるという考えから、積極的に街頭活動等を行い、存続に貢献しました。

そのほか、馬を題材にした絵本の発行や新聞コラムの執筆、「馬と馬文化」などについての講演活動等により、ばん馬・北海道の馬文化の情報発信に務めています。

村山由香里 株式会社アヴァンティ代表取締役社長(福岡県)
村山 由香里
株式会社アヴァンティ代表取締役社長(福岡県)

1993年に起業し、女性たちが働き方や生き方を考え、勇気と希望を感じる情報誌をつくりたいと、働く女性を応援するネットワーク型情報誌というコンセプトのもと「アヴァンティ」を発行しています。現在、福岡、北九州、熊本地域の事業所等に約32万部を無償配布するとともに、働く女性のためのコミュニティサイト「e-avanti」を運営し、紙媒体とウェブサイトを通じた情報発信により、あらゆる場面で女性が活躍できるような意識づけに取り組んでいます。また、活躍する女性たちをパネリストとしたトークライブやセミナー、食事会等を行い、女性の出会いや刺激の場を提供しています(本号のスペシャル・インタビューをご覧ください。)。

山本文子 NPO法人いのちの応援舎理事長(香川県)
山本 文子
NPO法人いのちの応援舎理事長(香川県)

助産師としての経験を生かし、主に思春期の子どもたちを対象として講演活動を行っていましたが、1999年には長年勤めた病院を辞めて「いのちの応援舎」として、講演をしながら子育てや思春期の悩み相談に応じる活動を始めました。

2005年には活動を通して集まった仲間とともにNPO法人に改組し、翌年には助産院、子育て支援、高齢者デイサービスを行う福祉施設を開設しました。助産院を含む地域に開かれた多機能複合施設の運営は、全国的にも先駆的な取組です。

また、2007年からは県内で初めての緊急子育てサポートセンターとしても活動を行っています。

(2)女性のチャレンジ支援賞(団体・グループを対象)1件

NPO法人フローレンス
NPO法人フローレンス
代表理事:駒崎 弘樹(東京都)

2005年、地域の子育て経験豊富なベテランママたちが、提携する地域の小児科医の医療的バックアップを受けながら自宅等で病児を預かるという地域密着型の病児保育サービスを、全国で初めて事業化しました。特定の施設を持たず、また、会員から利用の有無に関わらず一定額の月会費を徴収して運営費に充てるという共済型のシステムを採用することで、新たなビジネスモデルを構築しています。

そのほか、「ワーク・ライフ・バランスコンサルティング事業」等により中小企業を含めたワーク・ライフ・バランスの推進にも力を入れるなど、子育てや働く女性を支援する新しい取組も行っています。

(3)女性のチャレンジ賞特別部門賞(女性の個人及び女性団体・グループを対象)3件(平成20年度の特別部門は「環境」)

江崎貴久 有限会社オズ代表取締役(三重県)
江崎 貴久
有限会社オズ代表取締役(三重県)

2001年に(有)オズを設立し、鳥羽市答志島等で「海島遊民くらぶ」として海や磯の体験ツアーのほか、エコツーリズムに関するインフォメーションセンターの運営等を行っています。漁協などと連携して提供している様々な海や磯の体験学習プログラムでは、観察方法、ツアー人数、活動日数などに自主ルールを設けて、自然や環境への影響を少なくするようにしています。

自らもインストラクターとしてツアーを引率し体験指導等を行うほか、鳥羽若女将うめの蕾会の代表として、高齢者や障害者への観光サービスの提供や、海と観光のつながりの学習等に関する勉強会を主導しています。

NPOグリーンコンシューマー高松
NPOグリーンコンシューマー高松
代表:勝浦敬子(香川県)

2005年に地元特産の讃岐うどんと割りばしを結びつけたリサイクル活動として、地元うどん店や製紙工場、福祉施設などに働きかけ、知的障害者等がうどん店から回収して乾燥させた割りばしを古紙卸売業者が製紙工場に運び込み、紙に再生するシステムを構築しました。これまでに、約31トンの使用済み割りばしを回収して紙に再生し、循環型社会の構築に大きく貢献しています。

また、2006年からは生活に身近な割りばしのリサイクルをきっかけとして環境問題を考える「こどもわりばしサミット」の開催など、環境問題に対する意識啓発にも取り組んでいます。

NPO法人スペースふう
NPO法人スペースふう
代表:永井寛子(山梨県)

2002年に全国でも例のないリユース食器のレンタル事業を開始し、地元企業、山梨大学、山梨県、増穂町などと産学官連携により取組を進め、2004年には地元企業との協働によりサッカーJ2の試合でデポジット制リユースカップを本格的に導入し、商工関係者やマスコミ、特に若い世代にリユースの意識を定着させました。

活動が広がるにつれて使用食器の遠距離輸送という新たな弊害が課題となったことから、事業の広域ネットワーク化を図るため2005年に「リユース食器ふうネット」を開始しました。加入団体を募りノウハウを提供して事業所設立を支援する形で、現在、全国に7事業所を展開しています。

6月26日の男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰及び女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞表彰式の模様
6月26日の男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰及び女性のチャレンジ賞・支援賞・特別部門賞表彰式の模様