「共同参画」2008年 7月号

「共同参画」2008年 7月号

取組事例ファイル/その2 企業編

株式会社ふくや 福岡県

両立支援への取組(背景)

株式化を図ったばかりのふくやは、売上もまだ28億円で、新卒者の方々が選ぶ会社ではありませんでした。現社長は接客を重視すべきとし、女性を店頭に採用するようにしました。しかし採用に大変苦労し、縁故も頼って、なんとか人材が集められたようです。男性の営業職も採用しようとしましたが有力企業ばかりに目を向け集まりませんでした。応募してきた女性を採用した所、優秀な人材でうまく仕事が回っていくことがわかりました。当時、人材の確保に苦労したことが、いま当社で従業員を大切にする気持ちにつながっています。

当社の製品は食材であり、顧客も女性が大半です。女性は生活情報に長けており、流行のものやおいしいものをよく知っています。店頭、営業に女性を配置することで、顧客とのコミュニケーションも良くなりました。しかし、育児などを理由に退職する人が多く、経営側も対策を講じなければならないと育児休業後の勤務について見直しを行うことにしました。導入当初は育休中には職場に人員を補充し、復帰後はその補充人員に異動してもらうため、初め職場でも混乱がありましたが、現在では時間が経つにつれて少しずつ制度も浸透してきました。

育休復帰後は、残業をしない、土日出勤はしない、というように働き方を選択できる制度としています。これには本人、家庭、保育所の状況などをくわしくヒアリングして決定しています。また、正社員として勤務し続けるのがむずかしい人は、まずはパートタイマーとして働くこともできます。この制度は97年に導入したもので、パートタイマーとして勤務できる期間を3年とし、この間にフルタイムで働けるよう環境を整えてもらい、3年後に正社員に復帰してもらいます。

大半が育児休業前と配置先や勤務時間を変更しながら、正社員として働いています。育児休業後に復帰してもらう方が、新しい人材を最初から教育するよりも会社にとっては良いからです。出産しても会社が受け入れてくれるということで、社員に甘えが出ます。社員には、これからの働きに期待をしているからこの制度があるのだということをしっかりと伝えるようにしています。

育児休業取得者状況は、1997年から現在まで延べ46名取得。うち、2001年までに6名が休業中に退職されました。また、パート社員になった人は、3名でその他の従業員の大半が配置先や勤務時間を変更しながら、条件のあった職場で仕事を続けています。

現在、2名育児休暇取得中ですが復帰の意思は確認しています。

地域活動支援の取組について

・地域役員活動・ボランティア活動支援制度

(目的)

この規定は、当社の企業理念である『良い会社』を目指し、社員の「地域社会への貢献」を促進するとともに、社員が成長できる環境をつくるために定めるものです。

社員が社内外を問わず地域社会とのコミュニケーションを取る事で、創造性・柔軟性・リーダーシップ等の能力向上を自己啓発の一環と据え、通常の業務では評価できない社員の活動や努力・功績を側面から支援します。

(株式会社ふくや 総務課)

会社概要/株式会社ふくや 売上は2007年3月で182億円、経常利益は8億8000万円。従業員数は570名で、正社員は男性113名、女性128名、その他、パート、アルバイト、契約社員である。合計570名のうち、男性160名、女性415名と、非常に女性社員の多い会社です。●福岡県「子育て応援宣言企業」第一号 現在登録企業500社(2003年)●福岡県男女共同参画企業賞を福岡県内の企業で初めて受賞(2002年)