「共同参画」2008年 4・5月号

「共同参画」2008年 4・5月号

取組事例ファイル/その3 地域編

パルティ とちぎ男女共同参画センター 栃木県

県民参加型の施設運営の試み

愛称のパルティは、「参加、参画、関与」を意味するスペイン語 Participacionから引用されたもので、多くの県民に参加してもらいたいという期待が込められています。この愛称のとおり、県民参加型の施設として利用者の視点に立った事業を構築するため、施設の設計段階から、女性団体と公募による県民との協働で準備を行い、平成8年4月に開館しました。

パルティの企画運営委員や調査研究スタッフの経験者、講座等の参加者のなかから、男女共同参画の普及啓発、生活や地域の課題についての情報交換・学習、地域交流やネットワークづくり、研究発表など、さまざまな活動を行うグループが生まれ、パルティの事業への参加や企画・運営への参画もしています。たとえば、パルティを拠点として活動しているグループの一部をネットワーク化した「P.G.N.ひまわり」に、パルティの事業「男の生活工房」を委託して協働で実施しています。また、寸劇等による男女共同参画の啓発活動を各地域で行うグループや、研究の結果を毎年のフェスタ inパルティで発信するグループなどがあります。パルティでは、このような活動を支援するため、情報ライブラリーや交流サロン、ミニコミ誌等の印刷編集室を設けたり、団体・グループ・NPO名簿を作成するなどの支援をしています。

男女共同参画の講師養成講座の修了者は、パルティの出前講座等で講師を務めています。県内各地に置かれたパルティ特派員は、地域の男女共同参画に関する情報を収集し、情報誌「パルティ」に掲載したり、地域のなかから男女共同参画の推進に努めています。

パルティの事業のうち特筆すべきものに、「とちぎ女性政策塾」があります。これは、女性の政策・方針決定過程への参画を支援するため、地方行政に参画する意欲のある女性を対象に、平成13年度から実施されています。塾の修了者へのアンケート調査(平成19年5月)によると、修了者145名のうち78名が県や市町村の審議会等に委員として参画したということです。その他にも多くの修了者が、市町村議会議員、地域の団体の役員として、また、地域活動において活躍しているということです。塾の修了者の多くがこのように地域で活躍できるのは、塾自体の内容が充実しているだけでなく、修了者に対する支援があることも大きいでしょう。県は、修了者について市町村に通知するなど、市町村が修了者を審議会等の委員として登用しやすい条件をつくっています。また、塾の修了者が結成したグループ「ラ・ポリティクスとちぎ」は、審議会等に参画している会員による情報提供や学習機会の提供など、塾の修了者を支援する取組をしています。

パルティ とちぎ男女共同参画センター
栃木県宇都宮市野沢町4番地1
ホームページ http://www.parti.jp/

パルティから生まれたグループの活動(左から)フェスタで展示とフリートークによる女性の政治参画の呼びかけ(ラ・ポリティクスとちぎ)、「P.G.N. ひまわり」による「男の生活工房」、寸劇で啓発(あしたばの会)
パルティから生まれたグループの活動(左から)フェスタで展示とフリートークによる女性の政治参画の呼びかけ
(ラ・ポリティクスとちぎ)、「P.G.N. ひまわり」による「男の生活工房」、寸劇で啓発(あしたばの会)