男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり 報告・開催概要

  • 7 男性の育児参画
萩原:
これも、会場に聞いてみたい。「自分は育児に参加している」という男性の方は「○」をあげてほしい。
→ほとんどが「○」を挙げた
萩原:
では、実態をデータで見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
萩原:
男性の育児時間は、5年前から7分は増えたものの、まだ世界最低水準とされている。
浜田:
保育園に送ることはあってもお迎えをする男性は少ない。
萩原:
でも、男性も育児に参加したいという希望は持っているが、どう考えるか。
安藤:
男性の育児休業の取得はまだ過渡期だと思う。今の若い世代は中学校で家庭科が必修だった世代であり、それなりに育児に参加すると思うので、今後については楽観視している。また、固定的役割分担意識の強い世代が引退し、今のイクメン世代が管理職になってくると一気に広がっていくのではないかと予測している。
萩原:
ノルウェーは男性の育児休業取得率が90%を超えている。当初は低かったが、クオーター制度などを導入し、「取るのが当たり前」と言われる社会になっている。
浜田:
リーマンショックがきっかけで意識が変わったという話があったが、首都圏では大震災を経て、働く意識に変化が見られる。転職をしたい男性が増えたが、家族と長い時間を過ごしたいというのが一番の理由だと、転職会社の方が言っていた。職住近接の地方都市にUターンやIターン移住する人も出てきている。家族という存在を見直す動きも見られている。
萩原:
激しい経験、ショック療法以外の方法で意識を変えることはできないか。
安藤:
FJのパパスクールでは、子どもが生まれる前の段階から子育ての大事さや喜び、大変さを伝えるようにしている。事前の正しい情報が大事だ。
萩原:
子守の大切さを見直そうという話もしている。小さいころに子どもの面倒を見た経験が。ここで、故郷のヤンママ(若い母親)の活動を紹介したい。「赤ちゃんがいるからこそできる社会貢献」として、高校に赤ちゃんを連れて行き、高校生に赤ちゃんの世話をしてもらうという活動をしている。特に男子高校生が、安心感をもって赤ちゃんと接することができるなどの成果が報告されている。
安藤:
それが「パパスイッチ」になるかもしれない。
浜田:
かわいいとか、いい匂いとか、そういう感覚的なものは大事だと思う。
安藤:
核家族化が進んだ結果、今は2割の女性が、赤ちゃんを抱っこしたことがないまま子どもを産むと言われている。
浜田:
やむを得ず子どもを職場に連れて行くと、皆が喜んで、職場の雰囲気が変わった。当初は遠慮していたが、子どもに接すると、普段の職場の顔と全然違う顔を見せることがあり、それが良いことだと思った。
萩原:
思い込みという話になるが、娘が生まれる前に大きなお腹で大学に行ったことがある。「大学は18~22歳くらい」だから「妊婦が大学に来るはずがない」と思い込んでいる。そこからは自由になっている方がいいと思うが、どうだろうか。
浜田:
一度育児休業から復職したケースが出てくると、二人目を生んでも大丈夫と思う女性も出てくるし、男性で育児休業を取得する社員も出てくる。少しずつでも、周りにそういう人が出てくることが、考えが変わるきっかけになる。
安藤:
父親にも色々なタイプがいて、「これが正解」というものはないが、「マニュアル世代」の父親はメディアの影響か父親のあり方についても「こうあるべき」というのがあって、「父親らしい育児をするべき」などと言ったりするが「父親らしい育児」について、実はよく分かっていなかったりする。ネットワークの中で、実在の父親のあり方から学んでいく方がいいと思っている。