男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり 報告・開催概要

  • 5 「妻や恋人に従ってもらいたい」という意識
萩原:
男女共同参画で女性の意思決定への参加ということがよく言われる。では、「大事なことを決めるのは男性という」考え方に賛成の方は「○」を挙げてください。
→ 何人かが「○(賛成)」、残りは「×(反対)」
萩原:
では、データを見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
浜田:
今、企業は女性の目線を大事にしている。車でも住宅でも、実は女性が決めているのが実情だと思う。実はこれは、「こうありたい」という願望ではないか。
安藤:
確かに願望かも知れない。従う、という関係ではないような気がする。
我が家で言うと、実は自分の方が年収は多いが、出張で家にいないこともあり、家庭の負担は妻に大きくかかる。だから家にいるときは、妻が気持ちよく仕事に出かけられるように、気を遣う。「家庭内マネジメント」と言っているが、気持ちいい家庭とは笑顔がある家庭だと思う。この事例のような家庭には、笑顔がないような気がする。
萩原:
では、具体的な事例を見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
安藤:
昔はこういう考え方の人もいたと思うが。ライフステージで価値観が変化したというのは、イクメンに多いパターンだ。
浜田:
意識が変化したきっかけについて「妻がつらいのを見て」というのもあるが、実は特集で、「似非イクメン」というのを取りあげたことがある。自分が仕事がうまくできない、生き甲斐を持てないと挫折する時に、「イクメンって流行っているし、楽しいかもしれない」とそこに逃げ込むこともある。そこで終わるのは「似非イクメン」。
安藤:
一番下の50代の話は、正に少しずつOSを直していった。
50代の男性でイクジイをやっている人の話を聞くと、価値観がガラッと変わる瞬間があるようだ。健康や家庭の危機を迎えるなど、結構壮絶な話が多い。
浜田:
逆に、そこまでの経験をしないとなかなか変わらないものか。
安藤:
OSの入れ替えはそれだけ大変だということだと思う。
萩原:
一度、夫に激しく怒ったことがある。私が風邪をひいて高熱を出して寝込んだときに、帰ってきた夫の言葉が、「僕はご飯食べたから大丈夫だよ」だった。子どももいるのに、一番の心配は自分のことか、と。でも、それは彼なりの優しさでもある。
浜田:
女性が気付いてあげた方がいいこともある。私が夫と大ゲンカをしたきっかけだが、「今日は早く帰ってきた」と夜の8時に帰ってきた。これからご飯作るよ、と言っているが、子どもはもう寝ている。その時間に帰って何がご飯だ!と言って怒った。本当に早く帰って来くるというなら、仕事中断して6時に帰ってきて、ご飯作って、それから残りの仕事を家でやるのではないか、と。
安藤:
8時から11時の間は帰ってくるなと言われたことがある。仕事が終わって9時くらいに駅に着いたことがあった。育児中で、その時間には家に帰れず、仕方がないので、駅前の居酒屋で一人で時間をつぶした(笑)
浜田:
自分の場合で思うのは、夫は良かれと思ってやったことが通じなかったということ。本当は、育児のタイムスケジュールを開示すればよかったとも思う。「早い」と言ったら何時なのか、寝かすのはこの時間だと教えてあげればよかった。
安藤:
情報を開示してあげることが有効なこともある。男性は、実はすべてを知りたがっているので、全体とゴールを見せてあげることで上手くいくこともある。
浜田:
女性も、「あ、うん」で分かると思っている部分がある。
萩原:
家庭内情報開示が重要になるということで、よろしくお願いしたい。
萩原:
次は、妻がいない際の生活の困難度について、データを見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
安藤:
男女とも、生活人として自立していることが大事である。妻だって風邪をひくし、不幸があれば実家に帰らなければならないこともある。
浜田:
また、今後は未婚率もどうしても上がっていくと思う。一生一人で暮らすことになる可能性が、男女とも高くなる。結婚する、しないに関わらず、リスク管理として、一人で暮らせる力を高めておく必要がある。