男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり 報告・開催概要

  • 3 家計の担い手はやはり男性?
萩原:
「家計の担い手はやはり男性」という考えに賛成する方は「○」を挙げてください。
→先ほどより、少し「○(賛成)」が増えた。
萩原:
では、現状がそうだという方は「○」を挙げてください。
→さらに少し「○(賛成)」が増えた。
萩原:
では、データを見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
浜田:
結婚相手に求める勤務先についての調査をしたことがある。男性が女性に求める勤め先を見ても大企業が並んだ。ここでは容姿とあるが、リスクヘッジとして女性に稼いでもらいたいとも考えている。一方、女性に聞くと、男性の勤め先として求めるのは見事に「年収」を重視するという考え方の答えが多い。
安藤:
これは男性にはプレッシャーになる。やりたい仕事があっても十分稼げないと、やりたくない仕事をやることになってしまう。
浜田:
就職活動が厳しい中、学生がやる気をなくしてしまうのが目に見えて分かる。
就職活動が思うように進まないと、女性では子どもを育ててキャリアを積んで、という道を諦めてしまう。そうなると経済的安定を求め、年収のいい大企業に勤める男性との結婚を求める。でもそういう男性は極めて少ないので、そうすると今度は結婚を諦めてしまう。
安藤:
年収の高い男は家に帰って来ないという法則もある。人一倍働いているから年収が高い、という面もある。セミナーに来る母親の話を聞くと、「年収の高い男性と結婚したのはいいが、育児を一手に担わねばならず大変だ」という話もよく聞く。
萩原:
仕事中毒というが、残業をしないと収入が上がっていかない。
安藤:
それに、一家を支えるのは男性という「大黒柱意識」というものある。
萩原:
私は日本NPOセンターの理事をやっているが、NPO業界では「NPO寿退社」というのがある。NPOは収入が低いので、結婚を決めるとNPOを辞めてしまう。
萩原:
もう一つのデータを見てみたい。
男性にとっての男女共同参画シンポジウムin とっとり
浜田:
女性はやりがいを求めて働くので、自分の嫌な仕事をやってまで、という意識が強いような気がする。男性は、家族のために覚悟を決めると、嫌な仕事もする。その覚悟は男性の方が強い気がする。本当は家庭の担い手は五分五分、やり甲斐は二人ともそこそこ、というがベストバランスだと思うが、なかなかそうはならない。
安藤:
家庭環境も人それぞれなので、これが正解というのはないが、キャリアというのは常に走り続けなければならないものではなく、例えば子どもができた時などは少し仕事から家庭に重心を移すことができるとよい。後々、育児も楽になり、夫婦の関係も良くなる。育児に時間を割くことは時間を「失う」のではなく「投資する」ということだと言っている。よい投資にはよいリターンがある。仕事と育児や家庭はトレードオフではないと思う。