仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会

  • I 全体に関する意見
    • 単に政府に対する財政援助等の要望だけではなく、自己責任や自立、社会的な価値観など、社会的な啓発も意図したまとめ方にして欲しい。
    • 男女共同参画社会は女性だけではなく男性にも良い社会であり、そのためには国民もそれなりの負担をすべきという意識を書いていただきたい。
    • 今後女性はすべて働き、その子供は皆保育ということならば、発想を変えて本格的な体制を整える必要がある。そのためには、実効性のある両立支援策を、総論ではなく地域ごとにどうするかを考える必要があるのではないか。
    • 報告内容については、一部。将来の課題として検討することが適当なもの、既に着手しつつあるものもあるが、早急に着手すべき多くの重要な課題を御指摘いただいていると考えており、実現を図っていきたい。その際、相当な予算措置を伴うものでもあることから、関係大臣の御理解をお願いしていきたい。
  • II 内容に関する意見
    1. 職場が変われば両立できる
      • 女性労働者の半分以上が非正規雇用という実態を検討する必要がある。
      • 現在の労働時間に対する検討も行うべき。
      • 看護休暇の必要性に言及すべき。
      • 育児休暇を取った際に、復帰時に必ず元の地位に戻すことを法律によって強制し、復帰までは健康保険や厚生年金の企業負担分程度は企業に持ってもらい、自己負担分は国が面倒を見るという議論になるのではないか。
    2. 待機児童ゼロ作戦
      • 中小都市及び地方の農村部でも同じ状況にあるので、大都市周辺についてのみに焦点を絞らないでいただきたい。
      • 農村、中小零細企業や自営業者の問題にも触れるべき。
      • 保育所の地域内の需給調整を考えるべき。
      • 農林水産業を職業としている女性の仕事と子育ての両立のための環境整備が他産業の女性と比べて劣ることがあってはならない。
      • 全国地域差なく進めることが大事。いろいろなところに目に見える形で保育所を作れば、一般に対し時代が変わったという啓発にもなるのではないか。
      • 保育所の人材確保にはコストがかかるという認識を持つべき。
      • 公的保育を中心にして、補完的に民間を導入するという立場で進めるべきだと思っている。
      • 空き教室の利用については全く制限がないのに何故進まないのかと思っている。
      • 駅やその近くに保育所を作るに当たり特典をつけることが望ましい。
      • 駅型保育については子供の立場から慎重な検討が必要。
      • 駅の保育施設で一時保育を行うことがニーズに合っているのではないか。
    3. 多様で良質な保育サービスを
      • 病児の小児科医等での保育については、実際にやってみたが好評であり、たいへん結構なことと思う。
      • 無認可保育所の管理をどうするか考えるべき。
      • すべての保育所について届出を義務化し、立ち入り検査を行えるようにすべき。
      • 無認可保育所については今手掛け始めている。
    4. 必要な地域すべてに学童保育を
      • 学童保育をすべての小学校区に設置し、公的責任の明確化を図るべき。
      • すべての学校内に学児自習室を設置し、従来の学童保育と選択できるようになればよい。
    5. 地域こぞって子育てを
      • 「地域こぞって子育てを」という視点では、現在働いている人だけでなく、全女性並びに全男性に向けた施策を期待したい。
      • 三世代世帯に対する優遇措置を講じてはどうか。
      • 三世代世帯への支援は難しいのではないか。
      • 農山漁村では子育て等について広域的に相談、情報交換できる機会をつくることが必要であり、また多世帯家族で個々の能力に応じ子育てを楽しめるように仕事や育児、家事を分担、協力し合い、多世代家族の良さが発揮できることが重要である。
      • 保育をボランティアでやるのもよいが、それ以外の方法として多様な仕組を用意する必要がある。そして、看護婦等の資格を持った人が従事する安価で安全なベビーシッターが必要であり、そのような分野での起業が成立し得るかどうか検討して欲しい。
      • 地域に子育て中の女性と子育て経験者をつなぐコーディネーターがいて、子育て中の女性がいつでも子育て経験者に相談できる状況になればとても助かるという声がある。地位全体で子育てを見守り、必要なときに手伝いができる仕組みとして、このようなものができればよいと思っている。
      • 実行があがらないのは、文化的な基盤が整理されていないからであり、これには教育が有効。報告にある保育等への空き教室の利用や子育てボランティアなど、文化的な基盤が変わるような教育の場づくりが必要で、構造的、複合的に施策を進めることが必要。
      • 子育て体験については大いに進めようと考えている。
      • 職住接近の街づくりには、家族構成の変化に合わせた住宅づくりや、コミュニティづくり、自然との共存を考え、男女共同参画が推進できるような都市計画を考えて欲しい。
  • III 検討中の課題に対する御意見
    • 保育に要した費用への支援については、税制控除よりも予算措置でまかなう方がいいと思うが、諸外国の事例もよく考えて検討して欲しい。
    • ベビーシッター等は非常に料金が高いこともあり、予算での対応と同時に、改めて保育料の税制控除について議論すべき。
  • IV その他
    • 幼保の一元化については、一度にはできないので、施設の共用や人材の養成段階から進めているところである。最終的には決断をして、当然一元化すべきだと思っている。幼稚園側には財源がないという壁がある。
    • 幼保一元化については我々も考えており、建物などでは進んだがまだまだなので、何とかして進めていきたい。