男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成20年3月26日(水) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府庁舎5階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
    加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    住田 裕子 弁護士
    平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
    室伏きみ子 お茶の水女子大学教授
    山田 昌弘 東京学芸大学教授
    渡辺 幸子 多摩市長

(議事次第)

  1. 男女共同参画の今後の地域レベルの推進方策について(報告書の中間整理)

(配布資料)

資料1
基本問題専門調査会報告書 中間整理(案)

(議事の概要)

報告書を中間整理し、パブリックコメントを実施することを決定した。
報告書の中間整理案について協議。今回委員から出された意見を反映して、パブリックコメント用の中間整理をとりまとめることになった。なお、欠席委員からも書面で意見を募ることとした。

○意見交換の概要

【全般】

  • 地域の男女共同参画は、地方公共団体の財政難等の問題もあって進んでいない。地方公共団体や男女共同参画センター等を応援できるような報告書にする必要がある。閉塞感を打破し、財政難のなかでどう盛り返していくかという方法論を丁寧に書くべき。
  • 到達点の男女共同参画社会の説明が不十分。どのような社会に向けてどのような着地点を目指すのか、短期的視野と長期的視野の両方を入れるべき。
  • 全体を集約する言葉、スローガン的なものを最後に入れる必要がある。男女共同参画を進めると地域が活性化でき、防災を含む安心安全の体制ができ、地域と家庭における人のつながりが強化されるというコンセプトを示して書いていくべき。キーワードも必要。
  • 根拠となるデータが少なく、説得力が弱い。国際比較のデータはいろいろあるが、都道府県や市町村の比較データはあまり見ない。今後は地域に関するデータを取っていく必要があることに触れておくとよい。
  • わかりにくい表現や整合性がとれていない部分があり、十分整理するべき。

【地域における現状と課題】

  • 地域の課題の最初に人口減少と少子高齢化を入れ、社会的・経済的な活力が低下した地域の増加と地域間格差の拡大が地方の疲弊につながっているという危機感について書くべき。
  • 地域における人のつながりが希薄になり、互助、防犯、仲裁、教育等の地域力が低下しているため、それを再構築する必要があるという視点が必要。
  • 若者には人とつながり合いたくないという傾向がある。安心して暮らす上でつながりが重要であることを書くべき。
  • 恋人からの暴力など、重要ではあるが、後の記述で具体的に触れないものは省いてはどうか。
  • 地域において女性の活躍の場が乏しいとあるが、活躍の場があっても、男性が独占して事実上閉ざされていることを書くべき。

【今後の地域における男女共同参画の推進の基本的な方向性】

  • 地域のいろいろな場で意思決定過程への女性の参画が要請されていることを書くべき。「2020年までにあらゆる分野で、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%に」という目標を踏まえ、首長、地方議員、地域団体の長など地域で目標を達成することが重要。そのために、男女共同参画センター等ができることにも触れるとよい。
  • 多様な主体の強みの活用・新たな視点の導入による課題の解決の記述に、経済界にも注目されるよう「ダイバーシティ」という言葉を入れるとよい。
  • 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)への配慮について、企業への働きかけを書くべき。
  • 観光、まちおこし、環境の事例をもっと入れるべき。
    → 事例は男女共同参画白書のためにも収集中で、最終的な報告書で増やしたいと考えている。
  • 短い記述では事例を選んだ意図を十分に説明できない。男女共同参画の視点を持って地域づくりをしていくことの大切さや効果も書き加えるとよい。

【地域における男女共同参画の推進主体】

  • 地方分権について書くべき。地方公共団体の基本計画、条例、宣言都市の取組が進んでいることを書く。宣言都市を推奨する意味でも、宣言都市の一覧表をつけるべき。
  • 地方公共団体の連携・協働に関して、医療の充実についても書くべき。女性の研究者が研究を続けられなくなるのは出産と育児のためで、特に産科と小児科の充実が課題。
  • 地方公共団体や男女共同参画センター等にとって効率的な事業運営は必要だが、定量的な評価は難しいため、できるだけ可視化・透明化を図ればよいということにした方が地方は楽になる。男女共同参画は、収益が上がらず民間では事業化しにくいために官がやっているという面があり、経済的な評価に結びつかないことを前提にするべき。
  • 男女共同参画施策の到達点と課題を検証・評価するシステムをつくるなど、自治体内部での具体的な動きも紹介するとよい。
  • 男女共同参画センター等に関する課題として、効率性や経費削減の追求のために事業や組織・施設の存続すら危ぶまれる事例が見受けられるということを書いてはどうか。
  • 指定管理者について、非常勤職員の比率の増加だけでなく、不安定雇用や低賃金に関して労働問題が発生していることを書くべき。
  • 国の部分の内容が弱いので、もっと書き込むべき。制度設計は国がしており、その中で地方公共団体が努力するという構図である。

(以上)