男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成14年12月18日(水) 16:30~19:10
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    会長代理
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    委員
    伊藤 公雄 大阪大学教授
    北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
    寺尾 美子 東京大学教授
    樋口 恵子 東京家政大学教授
    古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 地域社会における女性のチャレンジ支援策について
  3. 閉会

(配布資料)

資料1
滋賀県説明資料 [PDF形式:162KB] 別ウインドウで開きます
資料2
山口委員説明資料 [PDF形式:479KB] 別ウインドウで開きます
資料3
地域における特色ある取組事例 [PDF形式:3820KB] 別ウインドウで開きます

(概要)

地域社会における女性のチャレンジ支援策について滋賀県より、地域における政治への女性のチャレンジ支援について山口委員より、地域における特色ある取組の事例について事務局から説明があった後、自由討議が行われた。

  1. 地域社会における女性のチャレンジ支援策について
    北村委員
    人口が増えている数少ない県の1つだということだが、流入してきた人と、もともと地元にいた人との間で男女ということについての意識の差というのはかなりあるのかどうか。もしあるとしたら、その辺の調整をどんなふうにしていらっしゃるのか。
    西原参事(滋賀県)
    湖南の地域では新たに転入されてきた方が非常に多く、ここでは男女という取組でというよりも、自治会活動そのものに入ってこられないというところで新たな問題が発生している。男女の取組は、都市部において、NPO等自主的な活動という形で、自治会での活動ではなく行われているところが多い。
    古橋委員
    滋賀県の場合には、男女共同参画条例というものが県の場合はもうできているのか。市町村でどういうふうになっているのかということとの関係についてはどうか。それから、今後戦後生まれた方々が定年を迎え、だんだん地元に定着してくるに当たって、そういう人たちをNPOに組み入れていくという努力がこれからの地域活動によっては必要だが、そういう点についての意識というようなものを今持っておられるかどうか。
    西原参事(滋賀県)
    市と町村で取組の状況がかなり格差がある。滋賀県は昨年度、条例が12議会で制定され、滋賀県の場合は、去年、大変な苦労の中で一部条文の変更という形で可決し、この4月から動いている。滋賀県内で今、83団体ほどNPOの登録の審査があり、このうち75団体が既にNPOとして活動しているが、男女は非常に少ない。こういったNPOも育てながら取組を進めていきたい。
  2. 地域における政治への女性のチャレンジ支援について
    竹信委員
    まず、さっきボランティアの労務提供で、どうしてその必要があるのかをもう少し詳しく説明していただきたいのが1つ。あと、クォーター制がほとんど浸透していないのは、クォーター制実現の可能性はもうほとんどないから地域の活動から地道に底上げしていった方がいいということなのか。または上からクォーター制で網をかぶせていく可能性というのはあるのかについて、見通しを伺いたい。
    山口委員
    第1点のボランティアの問題については、選挙運動に従事するボランティアは、事務員と運動員の労務提供というのがある。選挙運動員はお金をもらってはいけないが、事務やその他の労務提供は有償である。ボランティアでも金銭に換算して選挙費用に計上するわけである。一番いいたいことは、福祉等はボランティア活動だけれども、自分たちのまちをつくる、自分たちの地域をつくる、選挙活動へ自発的に参画することこそ最大のボランティアではないか。ボランティアを推奨しながら、金銭に換算するというのはおかしいのではないか。それからもう1つ、クォーター制について、3,300ある議会の中で、大体、無所属が圧倒的。無所属というのはクォーター制のしようがない。
    古橋委員
    地方議会議員についての政党化ということがないからクォーター制ができないというお話について、地方議員が政党化することは好ましくないと思う。地方議会議員というものはまさに地域のものだから、政党の理念とか、そんなものは関係ないのではないか。女性のエンパワーメントをまずやるべき。それからもう1つは、今、地方議会とかで一番必要なことは、リーダーの養成の仕方。
    伊藤委員
    地域の女性の政策に関わるような活動を活性化していくことが、結果的に、無所属の市民の声が反映できるような議員の誕生につながっていくのではないか。もう1つ、最近、若い世代の中に職業としての地方議会議員という動きがちょっと出始めているが、そのような動きと男女共同参画がどうドッキングできるのかも考える必要がある。
    山口委員
    市や区議会議員というのは圧倒的に女性運動や市民運動、特に環境、教育、福祉の問題に取り組んでいる人が多い。最近、女の人は職業として考えるという傾向があることは確か。男性で本格的に議員だけやる人は、報酬が安いので生活できない。こんなのやっていられるか、町村議会議員は女に任せると、実態調査ではそういうこともきいている。
    樋口委員
    地方自治体の流れとしては、滔々たる合併があり、隙間がピシッとふさがれていく傾向がある気がする。おそらく小さい自治体などでは、もっと地方議会のあり方自身が変わらなければいけないのではないか。それから、女性団体はむしろ組み込まれてしまって地域代表しか出せない。県の女性センターなどで勉強して、リーダー養成の勉強をした人が出て行くようなことはできないだろうか。
    竹信委員
    むしろそれを広めるための養成講座を各地につくるということが1つ。モデル事例でもいいが、こういうのをつくったらというような成功例を例示していければいい。
    岩男会長
    今日、いろいろ御提案があったのは、調整の上、当然、最終報告に載せるというようなことで、いろいろと調整をしていきたい。

(以上)

(以上)