男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成13年12月10日(月) 17:00~19:17
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
    会長代理
    八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
    委員
    伊藤 公雄 大阪大学教授
    住田 裕子 弁護士
    高橋 和之 東京大学教授
    竹信 三恵子 朝日新聞企画報道室記者
    寺尾 美子 東京大学教授
    古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
    松田 保彦 帝京大学教授
    山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事

(議事次第)

  1. 開会
  2. 男女共同参画に関する基本的な問題について 
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ [PDF形式:103KB] 別ウインドウで開きます
資料2
選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ(概要) [PDF形式:12KB] 別ウインドウで開きます

(議事)

  1. 法務省より、「選択的夫婦別氏制度に関する審議の中間まとめ」公表以降の本制度導入のための民法改正に関する動向 について、説明が行われた。
  2. 内閣府より、本専門調査会における今後の検討課題案として「政策・方針決定過程への女性の参画の促進のための積極 的改善措置」を説明した後、自由討議が行われた。
    八代会長代理
    今、大事なのは、男女にかかわらず考え方の多様性をいかにして入れていくかということ。せっかく女性が企 業で、または公務員として採用されても、続けられないことに実は問題があって、それは働く環境とか社会保障制度の問題によ るところでもある。税制とか社会保障制度、雇用システムといった多様な働き方を実現するための重要な要素について、検討す べきではないか。
    古橋委員
    私は本専門調査会では、もっと基本的なこと、男女共同参画社会にかかわる思想的な根拠というものをきちんと つくっておくことが必要ではないかと思う。
    伊藤委員
    私は基本法の精神を実現するということが我々の任務であり、そのための理念的な枠づけをするというのが我々 の仕事だと思う。積極的改善措置の問題については、男女共同参画社会基本法では定義づけられているが、あちこちの自治 体や企業の動きを見ると、理解が十分ではない。そういう意味で、積極的改善措置の位置づけについても、本専門調査会にお いて明らかにすべきことの一つではないかと考える。
    高橋委員
    ポジティブ・アクションの正当化について、従来は、過去の差別の影響が出ているから、それを救済するといった 面からの説明が多かったが、これからは、男女共同参画社会を形成するという政府の大きな政策課題の下、こうした課題を遂 行していくための人材というのはどういう人材か、という前向き指向、未来志向で説明した方がいいのではないか。こうした未来 指向の議論が、諸外国では強くなってきているというのが私の印象。そのための理論面を検討し、提案していくということが必 要ではないか。
    寺尾委員
    女性が機会を与えられても続けられないという問題は、実は家庭の問題とリンクしているから、こうした問題こそが 究極のポジティブ・アクションの分野ではないかと思う。
    山口委員
    経済社会面だけでなく、立法府に関すること、例えば選挙制度などについても検討しなければいけないのではな いか。
  3. 内閣府より、男女共同参画に関する基本的な考え方に関する論点(質問)について説明した後、自由討議が行われた。
    山口委員
    男女共同参画社会というのはどういう世の中なのか、それを描かなければいけない。小泉総理も、構造改革の中 で男女共同参画というのは重要なんだと言われているけれど、それとの関係を明らかにするとか、強調することが、基本問題専 門調査会の役割としてある。地域向けには、なぜ男女共同参画なのか、なぜ女性の起業にお金を出さなければならないのかと いうようなことを、説明できたほうがよい。
    古橋委員
    男らしさ、女らしさがあっていいのはどういう場合であるか、具体的に詰めていかないといけないのではないか。検 討に当たっては、都道府県の男女共同参画担当にとって参考となるような質問のほか、学問的にも検討しておかなければいけ ないものについて何が問題になっているのか、委員から伺い、議論をしてはどうか。
    伊藤委員
    例えば、女性が働くと少子化が進むのではないかとか、男女共同参画は結果の平等を押し付けるものではない かという意見や議論について、きちんと対応すべきではないか。同時に、国際社会の大きな流れとして、ジェンダー平等の方向 に向かっているのだということを国民に知らせることが必要ではないか。
    住田委員
    日本における男女共同参画の現状を、GEMのほか、意識、家事時間などのデータによって国際比較し、客観的 に示してはどうか。これからの理想像は、男女ともそれぞれの能力に応じた働き方をすることではないか。
    寺尾委員
    男女共同参画の問題について、若い人たちも含めて、国民一人一人が自分たちの問題として考えるようになって ほしい。そのためにも、普通の言葉でこれに関連する問題について答えられるようにしなければならない。
    岩男会長
    わかりやすく、そして明るい、みんながこういう社会ならば是非この方向に向かっていきたいと思える男女共同参 画社会像を、具体的に描いてみせる必要がある。
    竹信委員
    働かなければいけないでしょうか、という質問への回答についても検討すべき。
    伊藤委員
    男女共同参画社会は男性にとってもメリットがある、つまり男性が家庭・地域生活や趣味の時間が確保できる社 会だというメッセージを流していかないと、男性の側はぴんとこないのではないか。また、メッセージを向ける対象を、世代別、専 業主婦向け、職業別に、細かく対応していくことも必要ではないか。
    松田委員
    男であれ女であれ、個人という単位に立つ、こうした価値観を皆が納得できる形で打ち出し、これを積み重ねてい くことが重要ではないか。

(以上)

(以上)