男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成22年10月25日(月) 17:00~19:00
  • 場所: 永田町合同庁舎共用第1会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
    会長代理
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    委員
    石川 哲也 神戸大学名誉教授
    伊藤 公雄 京都大学大学院教授
    勝間 和代 経済評論家・公認会計士
    加藤 さゆり 前全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
    清原 桂子 兵庫県理事
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    林 陽子 弁護士
    松井 忠三 株式会社良品計画代表取締役会長(兼)執行役員
    山田 昌弘 中央大学教授

(議事次第)

  1. 第3次男女共同参画基本計画(案)について
  2. 自由討議

(配布資料)

資料1
第3次男女共同参画基本計画(案) [PDF形式:556KB]別ウインドウで開きます
羽入会長
それでは、ただいまから「第62回基本問題・計画専門調査会」を開催させていただきます。
 本日は、9月に内閣特命大臣に着任されました岡崎トミ子大臣にお越しいただきましたので、まずは大臣からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
岡崎大臣
どうも皆様、「こんばんは」の時間になりましたね。お忙しい中、お越しくださいまして本当にありがとうございます。
 本年7月23日に男女共同参画会議から総理に出されました答申を、私もしっかりと読ませていただきました。長時間にわたって皆さんに御審議いただきまして、大変立派な報告書を作成していただきました。これまでの皆様の御尽力に、心から感謝申し上げます。男女共同参画は、私も議員になりましてからずっとかかわってきた大変重要な課題であり、もちろん民主党結党以来、重要な課題と位置付けて私も取り組んできたものでございました。法律ができる前にはドイツにも参りまして、各国で研究している内容についても勉強させていただいたところでございました。男女共同参画を大きく前進させること、本当に皆さんと同じようにこの国をいい国にしていきたい、いい社会をつくっていきたい。そのためには、この問題は大変重要だと考えております。
 先日も、羽入会長と鹿嶋会長代理にお越しいただきまして、この専門調査会での報告、答申の考え方、それからどこに力を入れてこられたのかということについて、皆さんに策定に当たっての考え方、御意見などについてお話を伺い、私も意見交換をさせていただいたところでございました。答申をいただきまして、基本計画策定のバトンを私たち政府がいただいたわけでございます。これからはそのことをしっかりと実行させるために、私も一生懸命やっていかなければいけない。先日も、参議院の内閣委員会におきましてそのことについて私も申し上げました。実行していくためにはどうしていくのか。私も頑張っていきたいと思っております。今日の会合の中で、また皆さんにいいお知恵をいただいて、よりいい計画ができますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
羽入会長
ありがとうございました。
 岡崎大臣は別の公務がございまして、ここで退席されます。どうもありがとうございました。
岡崎大臣
すみません。よろしくお願いいたします。

(岡崎大臣 退室)

 
羽入会長
それでは、議題に移らせていただきます。
 皆様には大変長い期間にわたって、非常に重要な議論をしていただきました。そこで取りまとめられた第3次男女共同参画基本計画の策定に当たっての基本的な考え方について、7月23日に男女共同参画会議から内閣総理大臣に答申がなされました。現在、政府ではこの答申の内容を踏まえて、第3次男女共同参画基本計画の策定作業を進めているところです。本日は、この計画案について皆様から御意見をいただくというのが趣旨でございます。それでは、まず計画案について事務局から御説明をいただきまして、その後、皆様に御意見をいただきたいと思います。では、事務局から御説明をお願いいたします。
藤澤推進課長
よろしくお願いします。計画案の説明に入らせていただく前に、これまで答申をいただいてからの経過ですとか、あるいは今後のスケジュールについて少し御説明をさせていただきたいと思います。
 皆様には本当に熱心に御議論をいただきまして、7月に答申を取りまとめていただきました。その取りまとめに当たっては、意見募集や公聴会において多くの皆様方から意見もいただき、それも踏まえて取りまとめていただいたわけです。そうしたプロセスを経ている答申に沿って、今度は政府の責任で、今後5年間の政府の具体的な施策を盛り込んだ計画の策定に向けて、検討を今進めているところです。
 答申にも、策定過程を重視というようなことを入れていただいておりますが、答申の取りまとめ過程におきましても、先ほど申し上げましたように広く国民の皆様方から意見をお聞きしたところですが、更に計画策定に当たっても、提案募集という形でまた改めて広く意見をいただきました。それも踏まえて今、我々は検討を進めているところです。
 その提案募集をした結果につきましては、現在皆様方からいただいた意見の取りまとめの作業中でございまして、本日は委員の皆様限りということで精査中のもので恐縮ですけれども、この緑のファイルの最後の17番のところに資料を入れさせていただいていますので、計画案を見ていただく際に御参照いただければと思います。
 それから、今後でございますが、今日御説明する案について今日はこれから皆様方から御意見をいただけるかと思いますが、ここでいただきました御意見は各府省にもきちんと伝えまして、引き続き私どもは検討を進めていくほか、今後男女共同参画会議の方でも意見をいただき、また与党にも御相談しながら、年内の策定に向けて検討を進めていきたいと思っております。
 計画の内容ですけれども、まず今日お配りしているこちらの資料の位置づけと言いますか、性格と言うんでしょうか、それを申し上げますと、現時点の案でございます。今も各府省と協議中のものでございまして、今日の資料の中身は現時点でお示しできる範囲のものですので、今日の段階ではお示しできなかった施策なども含めまして、また今日いただきます御意見も踏まえて、引き続き政府内で検討していきたいと思っています。それから、重点分野は15ありますけれども、重点分野間でどこまで記載するかといったようなバランスの問題もあるので、また全体を見てそういう意味での多少の調整というのもあるかと思います。
 それから、この案を策定するに当たっての基本方針ですけれども、先ほども申し上げましたように、まず答申に沿って策定作業を進めているということが第1点です。それから第2点目として、実効性ある計画とするために成果目標というものを重点分野ごとに打ち出しをしたいと思って検討を進めているということです。成果目標についてはまたあとでもう少し詳しく御説明させていただきますが、成果目標というのはこの計画に盛り込む具体的な施策を国が講ずることによって達成を目指す目標という位置づけです。それとは別に、計画そのものに盛り込むものではないんですけれども、つまり成果目標とまでするのはなかなか困難であるとか、適当ではないというものであっても、フォローアップしていくという意味での参考指標的なものもまた別途整理をして、今後、計画策定後もフォローをしていく。そういうものも考えたいと思っております。
 では、この資料に沿って、時間も余りないですけれど、15分ぐらいで御説明をさせていただければと思います。
 まず、めくっていただきまして最初は第1部の「基本的考え方」です。1ページから4ページまでですが、これは基本的には答申の第1部の「基本的考え方」で御指摘いただいたことを踏まえて書いてございます。ですので、これを見ていただくとおわかりのように、1ページの1の「基本的考え方」という部分は、答申で御指摘いただいた「策定に当たっての留意点」の部分に沿って書かせていただきましたし、2ページの2の「第3次基本計画において改めて強調した視点」というのは、答申で「改めて強調すべき視点」として指摘いただいた部分を基に書いております。3ページ目の3の「喫緊の課題」という部分も答申の「喫緊の課題」の部分を踏まえて書かせていただいております。この第1部で目新しい部分というのは4ページの4番のところでございまして、計画の構成について書いている部分です。計画案は、今申し上げている第1部の「基本的考え方」と、それから第2部のいわゆる重点分野、具体的には施策の基本的方向と具体的施策、それから第3部の推進体制、この3部で構成をしております。それから第2部では、答申で御指摘いただいた15の重点分野を掲げて、それぞれの重点分野ごとに、これは第2次計画と構成は同じなんですけれども、3つのパートに分けています。1つが、ここにも書いてありますように「目標」です。それから、2つ目が「施策の基本的方向」です。この「施策の基本的方向」というのが、今後10年程度を見通した長期的な政策の方向性を示したものです。更に3つ目のパートが「具体的施策」で、それが今後5年間で講ずる具体的施策に該当します。それから、先ほど申し上げましたように、2次計画との違いというのは、各重点分野において、その3つのパートのうち「目標」の次のところに各重点分野、成果目標という箇所を設けております。要するに、各分野の冒頭部分に成果目標をそれぞれ掲げ、これはその後に続いて書いている具体的な施策を総合的に実施することで達成を目指すもので、国、政府の目標です。その項目にかかる一義的な直接の行動主体がだれなのかというのを考えた場合に、項目によっては国自身が直接の行動主体という場合と、例えば地方自治体とか民間企業といった国ではないものが直接の行動主体となるものと、2通りあると思います。例を挙げると、国が直接の行動主体の例としては、国家公務員の採用の話ですとか、国の審議会委員の女性比率とか、それはまさに国が自分でできることなんですけれども、他方で、例えば地方自治体の都道府県の審議会委員の女性比率とか、あるいは民間企業におけるポジティブ・アクションに取り組む企業数の割合とか、そういうのは国自身が一義的な行動主体ではないんですね。けれども、そういう、国自身が一義的な行動主体でないものであっても、国が国ではない一義的な主体の取組を促進することでその目標が達成されるように、さまざまな具体的施策を講じていくということです。ですから、目標値は国以外の当該主体自身を直接拘束するものではなくて、あくまでも国の政府の目標だという位置づけです。それから、分野ごとにそうした成果目標を現時点の案ということでお示ししておりますが、最終的に計画に書きたいと思っている目標数値自体は、今検討中で記載しておりません。本日は、その項目と現状値のみをお示ししております。5ページ以降が第2部に当たりまして、以下、15の分野が続きます。第1分野は「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」ということで、「2020年30%」の目標達成に向けてなかなか厳しい現状があるということから、答申に沿ってこれまで国として取組が自制的であった政治分野を始め、司法分野ですとか雇用分野、その他の分野についてもできる限り具体的な施策を盛り込めるように検討をしていきたいと思っております。8ページから具体的な施策が書かれる部分に当たりますが、(1)の政治分野につきましては、6ページの成果目標のところも同じように政治関係はP、ペンディングという印を付けておりますように、政治分野につきましては政務の方にも相談しながら検討をこれからも進めていきたいと思っております。それから公務員分野、具体的に言うと9ページの(3)です。これは国家公務員と地方公共団体の関係と両方入っておりますが、特に国家公務員関係については我々自身が率先して取り組む分野という認識の下で、Pという部分が成果目標にも、それから具体的施策の部分にもまだあるんですけれども、積極的に検討を進めていきたいと思っております。
 そのほかに司法ですとか雇用分野、その他の分野というのをこの計画案に盛り込んでおります。
 それから次に14ページ、第2分野です。第2分野の15ページ、(1)では男女の社会における活動の選択に中立的な社会制度の検討の必要性を書いておりまして、具体的な施策としては税制ですとか、社会保障制度の検討などについて書いております。
 家族に関する法制の部分についてはペンディングということであります。
 そのほか、16ページの「国民的広がりを持った広報・啓発活動の展開」のほか、(3)で人権尊重の理念や法律・制度の理解促進などについても書いております。
 (4)では調査研究、あるいは情報の収集・整備・提供として、男女共同参画に関する実態把握のほか、調査や統計においても男女別の情報などの充実を図ることを記述しております。
 19ページ以降が、第3分野でございます。具体的な施策は、21ページ以降になります。
 男性につきましては(1)で、理解の促進ですとか、家庭、地域への参画などについて書いております。
 それから、子どもに関しては23ページの(2)、(3)と続いて書いております。(2)では子どものころからの理解の促進や、将来を見通した自己形成、(3)では健やかな子どもの成長と安全・安心な社会の実現ということで、暴力や虐待の根絶や、安心して親子が生活できる環境づくりなどを盛り込んでおります。
 27ページ以降が第4分野です。ここは男女間格差の是正や、非正規雇用における雇用環境整備、それから「M字カーブ問題」の解消などを答申に沿って記載をしております。
 (1)が、雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保関係について書いております。
 30ページのところでは、男女間の賃金格差の解消についても書いております。(2)では「非正規雇用における雇用環境の整備」ということで、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の取組の推進などについて書いております。
 それから、31ページがポジティブ・アクション、32ページの(5)で「多様な生き方、多様な能力の発揮を可能にするための支援」ということで、それぞれの方々が選択した生き方の中で、それぞれに能力を十分に発揮していただけるよう、再就職の支援なども盛り込んでおります。
 同じ(5)の中では雇用分野に限らず、起業に当たっての支援や、雇用、起業以外の就業者の方々に対しての施策も盛り込んでおります。(6)が「M字カーブ問題」の解消ということでまとめて書いてございます。
 (7)で「女性の活躍による経済社会の活性化」という項目を挙げております。この項目自身は答申では明確になっていなかった部分ではありますが、やはり女性の活躍を進めることが経済成長にも有効という観点から、潜在的な就業希望を有する人々も含めて女性の方々が十分にその能力発揮できるように、その機会の確保ですとか、雇用に限らず、起業なども含めて幅広い領域を対象にしつつ、(7)ということで一つ項目を起こして記述をしております。
 それから、36ページ以降が第5分野です。仕事と生活の調和を実現するために、38ページでは、(1)で意識啓発を引き続き推進すること、父親の子育てへの参画や子育て期間中の働き方の見直しをすること、両立支援策の普及、定着などを盛り込んでおります。40ページの(2)です。「多様なライフスタイルに対応した子育てや介護の支援」ということで、その中ではすべての子育て家庭に向けた子育て支援策の充実なども盛り込んでおります。41ページは、(3)で、メンタルヘルスの確保など、働く男女の健康管理対策の推進についても書いております。43ページ以降が、第6分野です。
 44ページの(1)で、農山村漁村ではまだ固定的性別役割分担意識が根強いということで、その解消のことですとか、政策方針決定過程への女性の参画の促進、それから(2)では女性の経済的地位の向上や、女性の就業支援などを記載しております。
 47ページ以降が、第7分野です。
 49ページの(1)で「セーフティネットの機能の強化」のほか、同じページの下の方に(3)がございますが、「安心して親子が生活できる環境づくりにかかわる課題」として、ひとり親家庭等に対する子育て生活支援や就業支援策などについて記述をしています。また、次世代への連鎖を断ち切るための取組として、教育費の負担軽減などについても記述しております。
 51ページの(4)で自立に向けた力を高める取組として、若年期の自立支援策や切れ目のない支援やサービスの提供として52ページの最後ですけれども、「パーソナル・サポート・サービス」の制度化に向けた検討などについても記述しております。
 53ページ以降が第8分野です。54ページの(1)は「高齢者が安心して暮らせる環境の整備」ということで、高齢男女の就業促進、生活自立支援などのほか、良質な医療や介護基盤の整備等について施策を記述しています。
 57ページの(2)で「障害者が安心して暮らせる環境の整備」としては、共生社会の考え方の下、総合的な施策の推進、障害者の権利条約の締結に必要な国内法の整備等、障害者にかかる制度の集中的な改革を行うことや、障害者の自立を容易にするための環境整備などについて記述をしています。
 また、今の(2)や(3)、(4)などで、障害者、外国人等であることに加え、女性であることで複合的に困難な状況に置かれている方々への支援についても記述をしています。
 それから、60ページ以降が第9分野です。女性に対する暴力の根絶のため、まず61ページの(1)ですが、基盤づくりを行うとともに、暴力の形態に応じた幅広い取組を総合的に推進することにしています。
 具体的には、63ページの(2)にありますように、配偶者からの暴力に関してその防止や、被害者支援のことなどを書いております。
 66ページの(3)が「性犯罪への対策の推進」です。
 68ページの(4)は新たに子どもに着目して、「子ども対する性的な暴力の根絶に向けた対策の推進」ということで書いております。(5)が70ページですが売買春、71ページの(6)で人身取引対策についても記載をしております。それから、72ページの(7)が「セクシュアル・ハラスメント防止対策の推進」、最後の73ページで(8)が「メディアにおける性・暴力表現への対応」ということで、表現の自由を十分に尊重した上で有効な対策を講じること、流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討することなどについて盛り込んでおります。それから、75ページ以降が第10分野です。まず、77ページの(1)で「生涯を通じた男女の健康の保持増進」のための施策の推進によって「健康寿命の更なる延伸」を図るとした上で、女性、男性の健康づくり支援策について記載をしております。78ページの(2)が「妊娠・出産等に関する健康支援」ということで、例えば周産期医療などの体制整備について記述をしております。それから、79ページの下のキの部分は中身が検討中ということでPという印を付けております。80ページの(3)では「健康をおびやかす問題についての対策の推進」ということで、HIVやヒトパピローマウイルスへの感染を始めとする性感染症に対する予防から治療までの対策の推進や、81ページの(4)で「性差に応じた健康支援の推進」などを記述しております。
 81ページの(5)は「医療分野における女性の参画の拡大」をここの分野でも書いております。
 次に、第11分野が84ページ以降でございます。男女が自立して個性と能力を発揮して社会形成に参画するに当たって、基礎となるのは教育・学習ということです。
 (1)では、学校教育や社会教育において男女平等を推進する教育や学習の充実を図ることについて記載をしております。
 86ページの(2)は男女が主体的に多様な選択を行うことができるように生涯学習や能力開発を図るということを書いております。
 88ページの(3)では「学校教育の分野における政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」について、こちらの分野でも書いてございます。
 90ページ以降が第12分野でございまして、ここは「科学技術・学術分野における男女共同参画」です。冒頭の目標の部分ですとか、(1)以降(3)までありますが、施策の基本的方向や具体的施策で白い部分が多目になっておりますが、まだ調整中ということで今日はお示しできません。
 具体的施策について、(1)ではポジティブ・アクションの関係の記述をしております。
 また、(2)では参画拡大に向けた環境づくりということで幾つか施策を書いております。
 それから、第13分野が93ページ以降で「メディアにおける男女共同参画の推進」です。
 94ページの(1)では女性の人権を尊重した表現を推進するためにメディアの取組を支援する、そのための施策を盛り込んでおります。
 95ページの(3)では、「メディア分野における女性の参画の拡大」についても、こちらで触れています。
 96ページ以降が第14分野です。ここは新たな分野で「地域、防災・環境その他の分野」ということでございます。
 97ページの(1)では「女性センター・男女共同参画センター等の機能の充実・強化」のほか、地域活動を行っている団体なども含めた基盤づくりについて書いてございます。
 (2)が、「地域の活動における男女共同参画の推進」です。98ページの(3)が地域おこしやまちづくり、観光、文化を通じた地域経済の活性化に当たって、男女共同参画の視点に立った具体的な施策を書いてございます。(4)が防災、(5)が環境問題について記載をしております。最後の第15分野は国際の分野で、101ページからです。(1)は102ページになりますけれども、女子差別撤廃条約を始めとする男女共同参画に関連の深い各種条約など、その女性の地位の向上のための国際規範や基準を周知徹底するということと、積極的に国内における実施強化に努めるということで具体的施策を書いてございます。 (2)が「男女共同参画の視点に立った国際貢献」ということで、開発途上国におけるジェンダー主流化の促進を通じて、男女共同参画の推進や女性のエンパワーメントの達成、女性の地位向上に積極的に寄与するための施策を記載してございます。104ページの(3)が「対外発信機能の強化」です。それから、105ページが最後の第3部になりまして「推進体制」でございます。これは大きな項目が4つになっておりまして、1番目が「国内本部機構の強化」です。男女共同参画推進のための国内本部機構の中枢を形成している大臣ですとか、参画会議や推進本部、それから連携会議などで総合的な企画立案機能や横断的な調整機能などを最大限に発揮するため、あるいは更にその機能や体制を強化するための内容を(1)以下に書いてございます。それから、106ページが2つ目の項目でございまして、この基本計画やCEDAWの最終見解などの実施状況についての監視機能などの強化について触れております。それから、3番目は「政府の施策が男女共同参画の形成に及ぼす影響についての調査の充実」について書いております。最後の4番目が、地域において身近な男女共同参画を推進するに当たって、いろいろと取り組んでいただいている地方公共団体やさまざまな民間団体における取組についての支援を書いている部分でございまして、107ページの①、②が地方公共団体との連携や地方公共団体への支援の関係、それから③が男女共同参画センターや女性センターなどの活動拠点施設の充実について触れております。それから最後のページですが、④がNPOやNGO、地縁団体との連携強化、最後⑤が大学や企業、経済団体、労働組合等との連携強化についても記載しております。以上が大まかな概要でございまして、冒頭申し上げましたように各府省と調整中でございまして、今の時点でお示しできる範囲のものです。あとは、場所によっては明示的にP、ペンディングという印を付している部分もあれば、必ずしもそれを入れ切れていない部分もあり、そういう部分でも調整中のところはありまして、今日の段階ではお示しできないということでございます。今後も、今日これからいただきます御意見も踏まえて引き続き各府省と検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
羽入会長
ありがとうございました。
 それでは、全体的に御意見を伺いますけれども、3つくらいに分けていきたいと思います。それぞれを20分ちょっとにしたいと思いますけれども、まずは最初の「基本的考え方」から第3分野までについて御意見をいただきたいと思います。どうぞ。
勝間委員
すみません。この分野から話すべきかどうかわかりませんが、毎回、計画はこれぐらいの分量でしたか。
羽入会長
分量と言いますのは。
勝間委員
要は、このメッセージをだれがどう受け取るのかという問題でして、専門家である私たちにも結構トゥーマッチな分量なんです。
 なので、だれがどのように受け取ってどう活用してもらうかという想定をしているかを教えていただけると、どのような整理の仕方があるのかという練り方ができるのですが。
羽入会長
おっしゃるとおりですが、これは事務局からお願いします。
藤澤推進課長
今の計画が、机上に冊子を配付させていただいている第2次計画でございまして、こちらをごらんいただくとそのまま単純には比較できないものの、分量的には多分……。
勝間委員
前年を踏襲する必要はないんです。単純にだれがどのように受け取ってどう活用されるかという前提があれば、絞り込むメッセージと強調すべきメッセージの区別がつくので、多分網羅性は実は私は問題ないと思っているんです。網羅性とか言葉の文言よりも、どういうような形で出していくのかというメッセージ性の方を今、検討したいと思ったのですが。
藤澤推進課長
この計画の構成は、分野ごとにまず施策の基本的方向ということで10年間くらいを見据えた施策の方向性と、それからそれを踏まえて今後5年間の具体的施策の……。
勝間委員
ごめんなさい。基本計画の趣旨は私はよく理解していますし、実際にどのように使われるかも理解していますが、それに対して実効性があって比較的すぐに思い出せて、しかもKPI、キープパフォーマンスインディケーター、今度数値を全部入れますよね。その抽出みたいな形での、要はこれに何かを言うと、これに対してちょっと文言が変わって提出されるのか。それとも、もっと表みたいなものがたくさん入って、いわゆる普通のプロジェクトの計画書としてもっと見やすいになって、関係各位がぱっと見たときにどこをどうたどればどれが親構造、子構造、孫構造になっていて、どこをたどればいいのかがわかるのか。どういう形で提出されて、何のためにどういくのかということを知りたいのですが。
 すみません。そんな質問は想定外かもしれませんけれども。
羽入会長
まず、これがどこで使われるかということはすごく大きな問題かもしれませんが、事務局のお答えは、今後その具体的な数値目標などを入れ、これが実効性のある形でそれぞれの関連する部署なりにその目標値として示されるということであって、もう一つ重要なのは、勝間さんのおっしゃることについて私の理解が違っているかもしれませんけれども、どういう形で一般の人々にこれが知らされるのかということも念頭に入れてこの計画をつくるべきではないかということもあるのではないか。
勝間委員
一般の方々もそうですが、地方自治体の方も当然これはダウンロードされて読むと思うんですけれども、ちょっとこれだとつらいかなという、それだけなのですが。
鹿嶋会長代理
基本は国家行政のアクションプランなので、ここに何省の担当だということがきちんと明示してあるわけです。それこれを見て、どこの省の担当かというのは担当大臣もわかるわけですね。
 一般市民、国民にとっては見やすいかというと、第3次基本計画は現状と成果目標をちゃんと入れますので、今どうなっているかという把握がしやすくなると思います。
 中には、かなり踏み込んだものもあるわけです。政治とか、民間企業、市町村のものですね。基本計画は国家行政のアクションプランだから、それを考えると踏み込み過ぎという声もあるかもしれませんが、全体の平等度を上げるためにはそちらにも踏み込まざるを得ないわけです。特に世界の男女平等度の比較などは、必ず国会議員の女性比率が入っているわけで、それを考えると踏み込んだ形で答申してよかったと思っています。
 ただ、政府の基本計画案は現状と成果目標の数値を示した表にかなりばらつきが多いんです。例えば、第2分野などは項目が少ないわけです。きっと成果目標を立てにくいのだと思いますが、成果目標が多いところと少ないところのバラつきをどう平準化していくのかということで、少し議論した方がいいかもしれません。
勝間委員
今、成果目標は施策と一対一になっていないわけですね。そうしますと、例えば厚労省さんとか財務省、内閣府がそれぞれやったときに、ではまとめてだれがどのように責任を持つかというのは、成果目標との対応についてはちょっとあいまいになるという理解でよろしいのでしょうか。もちろん一対一は無理だと思いますけれども。
藤澤推進課長
全体として、その分野に書いてある具体的な施策を総合的に実施することでこの成果目標を達成するという発想からすると、個別のこの省が、ということではなくて、我々政府が一丸となって、一体となってということだと思っております。
 逆に、2次計画はまさに具体的施策の方に数値目標が入っていたので、この施策でこの数値目標を、というのが非常に明確となり、そういう位置付けをしたがためにかえって数値目標を検討するのが難しかったという面もあったのではないかと思います。
勝間委員
そういう意味で言いますと、第2分野の成果目標が周知度しかないというのは確かに問題ですね。第3分野はかなり細かく幾つかの代表的な数値についてメジャラブル、測定可能なものが全部入ってきておりますので、これは第②分野においてもやはりかなりの確率でもう少し測定可能なものに落とすべきではないでしょうか。
 完全に啓発にもし落とし込むのであれば、例えば総メディアの分量の中で何%以上とか、現状とその先をやらなければいけませんし、周知度についても例えば非女性認知度といった形でアンケートを取ったときに今が何%なんだからこれを何%にするといったような形にする。社会保障制度にしても、さまざまな形で第三者保険者がどうするのかというようなことがもし書いてあるのであれば、現状このような世論の何%の水準があったものを何%にするといったような形で、もう少し他の分野と同程度に成果目標をきめ細かくしていただきたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。そういった基本的なこの形式も気にはなるところだと思いますけれども、変更が著しくあるというようなことで気になれば、またそこを議論していただきたいと思います。
 辻村委員、お待たせしました。
辻村委員
ワーキンググループで第1分野を担当いたしました者として、要望という形で意見を述べさせていただきます。
 8ページの政治分野のところが白紙になっておりますので、ここについてコメントすることができないのが極めて残念ですけれども、中間整理の8ページ及び答申の11ページに一応政治分野についても項目を挙げて書き込んでありますので、このレベルからトーンダウンしないように書き込んでいただければ幸いと考えております。
 とくに8ページについては、これまでジェンダーエンパワーメント指数その他で日本の地位が低いのは、やはり女性議員率が低いことに主要な原因があります。女性議員率が低いということは、もともと立候補者率が低いからですので、立候補者率を上げるためには政党の努力というものも当然不可欠ですから、そういったことをしっかり書き込んでいくことが第2次計画との違いを明らかにすることになるのではないかというのが1点です。
 もう1点は、もう少し大きな視点から見ますと、5ページの、なぜ政治分野の女性の参画が必要かという記載が問題になりうると思います。、上から8行目くらいのところで「女性の関心事項を政治的な優先課題に反映させる」という書きぶりになっていますが、これは少しミスリーディングで、利益代表を確保して女の利益を代弁するという印象があります。これは、言うまでもないですけれども議会制民主主義の根幹に関わることで、有権者の人口構成をそのまま議会に反映させることが重要であるということで、例えばフランスなどではパリテ(男女同数)という発想で論じています。、そういうものがもともと民主主義の根幹なので、それを実現しましょうということですので、その大局的な視点を失うと、何のために女性議員比率を上げなければならないか、というところでブレが出てきてしまうと思います。これは一般に誤解されているところで、別に女性議員は女性の利益代表ではないのですけれども、多様な民意をそのままの形で議会に反映させるというのが民主主義の根幹ですので、そういったことが伝わるような書きぶりにしていただければと思います。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。
武川審議官
この部分は私がちょっと書いてみたので、御説明させていただきたいと思います。
 民主主義の根幹というのは一番上の2つのパラグラフに基本的には書いてありまして、「特に」から始まるパラグラフですけれども、これから少子高齢化社会になりますので、例えば必要なケアワークをだれがどんなふうに担うのかとか、社会制度はどうあるべきなのかとか、社会保障とか、いろいろな問題が出てくるので、そこでやはり女性の考えというのも、今は特にそういうことを反映させることが必要なのではないかということです。
辻村委員
それはもちろん必要なことなので、そのことは重要だと思いますけれども、それだけだと誤解が生じる危険があるということです。
武川審議官
このパラグラフに書いてあることでは、ちょっと不十分でございましょうか。
辻村委員
政治の代表の意味合いについては、表現を御検討いただければよろしいかと思います。
羽入会長
よろしくお願いします。
 では、伊藤委員お願いします。
伊藤委員
こちらが書き落としたところなども踏まえていただきました。例えば公務員の非常勤職員に対する育児休業等々の書き込みなどがあったりして、目配りがかなり効いていると思います。第3分野の子どものところについて一言。
 ここに子どもに対する直接的な暴力や虐待が書かれています。これはDVのところで書くべきなのかもしれませんけれども、DVに巻き込まれた子どもへの対応というのはかなり重要な課題だろうと思うんです。それは、DVの方で書けないのであればどこかで書く必要がある。つまり子どもに対する暴力だけではなくて子どもを巻き込んだ暴力に関する対策ですね。
 例えば、DVで今ちょっと神戸の方でやっているんですけれども、親権をめぐる争いが生じたときに、子どもと例えば暴力を振るった父親との面談をどういう仕組みでやるかという問題がある。その場合はやはり裁判所のある程度のコントロールの下で立ち会いにおいてやるとか、そういう仕組みが多分必要になってくる。あるいは、学校現場でDV家庭の子どもさんたちに対して教員がどういう形で把握して対応するかとか、暴力に巻き込まれた子どもへの対応というのをここで書き込んでいただけたらと思います。本来ならば最初に言うべきだったのかもしれませんけれども、重要な問題だと思いましたので。
 あとは、22ページのところで男性被害者の相談体制を設けるというのは、これはお願いしていたことで書き込んでいただいてありがたいんですけれども、後の方で女性に対する暴力のところに絡むのかもしれませんが、そちらもやはり男性の被害者問題というのをどこかで書いていただくことが必要かと思います。
 相談ということで書いてあるからいいということなのかもしれませんけれども、意見の中でも男性の被害者の場合もあるじゃないかというようなこと出たりしています。書かれていると言えば書かれているんですけれども、ただ、相談だけで済むかどうかという問題ですね。
 あるいは、これは後の方のことで申し訳ないのですが、配偶者暴力防止ですから、これは男女両性が入っているんですけれども、明らかにやはり女性が被害者というトーンで書かれている。例えば男性が配偶者暴力防止センターに相談したいとき、現状だとやはり相談してもらえないわけですね。そういうある種、ジェンダーに敏感な視点で配偶者暴力への対応をどこかで示せるような文言が、この第3分野のところと関連して書いてほしいというふうに思いました。
羽入会長
ありがとうございました。
 では、清原さん、坂本さん、林さんの順番でお願いします。
清原委員
今お触れになった24ページのところです。私も、DVと児童虐待というのは合わせて出ることが大変多いですし、またDVを日常的に受けている母を見ること自体が、子どもに対する直接的暴力でなくても児童虐待になりますので、その辺の関係についてはふれる必要があるのかなと思います。
 それから、24ページには性的虐待ということで書いてあるのですが、虐待種別で言いますと兵庫県のデータでも(全国もニアリーイコールだと思いますが)、身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待で96%なんですね。では、ほかの虐待は男女共同参画の問題として取りあげなくていいのかというとそうではなくて、児童虐待の主な加害者を見たときに実母が6割で、実父が25%です。
 それは、やはり実母に子育ての負担がいっているということと無関係ではありませんので、その意味でほかの虐待も含めて、加害者は実母が6割であるということの背景にある男女共同参画の問題についてもふれるべきかと思います。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、坂本委員どうぞ。
坂本委員
私も第3分野のころで、男性と子どもというのは本当に今度の新しい視点で重要なところだと思います。項目として立ったのはとてもうれしいと思って見ておりますが、23ページの(2)の「子どもの頃からの男女共同参画の理解の促進と将来を見通した自己形成」という項目ですけれども、ここに家庭内での男女共同参画というものが子どもが大人になったときのモデルになっていくという視点が抜けているのがとても残念なんです。
 というのは、やはり性別役割分業意識なども世代間で継承されていますので、まず子どもが育つ家庭内の男女共同参画というものが進んでいかないと、それを見て育った子どもが次の世代の男女共同参画を担っていくわけですから、学校教育等の前段階を書き込んでいただく必要があるかと思います。
 揺りかごから始める男女共同参画の推進というような観点で、生まれたときから家庭内で父親と母親が男女共同参画のモデルを体現できるような暮らしぶりを保障する書き込みの必要があると思います。
羽入会長
ありがとうございます。林委員、どうぞ。
林委員
3つのことを短く申し上げたいと思います。
 1つは、8ページにあります「政治分野における女性の参画の拡大」の部分がペンディングで白紙になっていることです。これは、先ほど辻村委員が指摘されたことですので繰り返しませんが、辻村委員と私も同意見でして、この答申の段階では非常に明確に答申の11ページで女性候補者増加のためのインセンティブの付与、具体的な数値目標の設定、女性候補者比率のクォーター制の導入等、制度的な対応についての検討を働きかけるという文言がありましたので、せっかくこれが答申に入った以上、この「制度的な対応」という言葉、それから政党に対しての直接的な働きかけということを視野に入れた答申の内容が後退することのないようにしていただきたいと思います。
 2点目は、第2分野の15ページのエの「家族に関する法制の制度等」も全く白紙になってしまっている点です。これは答申で、家族に関する法制について、夫婦や家族の在り方の多様化や女子差別撤廃委員会の最終見解を踏まえ、選択的夫婦別氏制度を含む民法改正が必要であると非常に明確に打ち出した点です。私はあちこちで第3次基本計画の答申は大変いい内容ですよと。いい内容の最大の理由の一つとしてここを引用していたものですから、これは是非後退しないようにお願いしたいと思います。
 それから、3つ目が17ページの「人権が侵害された場合の被害者の救済体制及び相談体制の拡充」の部分ですが、ウの2行目で「既存の制度を積極的に活用する」となっています。私自身はこの答申を出す際に、国内人権機関が必要であるという視点から、現在の相談体制というだけではなくて、その拡充が必要だという意見を申し上げてきたつもりです。答申でも16ページのところでは、被害者救済体制、相談体制の拡充を図るとなっていました。
 これは、例えば国連の人権条約に対するいろいろな政府報告書の作成であるとか、あるいは選択議定書を批准した場合に、そうした申し立てをどこが相談を受けて政府に対してサポートしていくのかということについて、ほかの先進国ではやはり国内人権機関が果たしている役割が非常に大きいと思います。
 私は、現行の行政相談制度と人権擁護機関だけではいろいろな意味で無理があるのではないかと思っていますので、この点についても答申のラインの維持を是非ともお願いしたいと思います。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
辻村委員
それでは、短くもう一点だけよろしいですか。
 17ページのイのところで「「女子差別撤廃条約」という用語の周知度を向上させる」という記載があります。これは、14ページでは「女子差別撤廃条約の周知度」となっているのですけれども、条約という名前を知っているだけではほとんど意味がなくて、やはり啓発ということであれば条約の内容も知らないと意味がないと思いますから、「用語の周知度」というように用語に限定することはいかがなものかと思いました。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。それでは、山田委員どうぞ。
山田委員
第2分野の15ページのウの「社会保障制度の検討」ですが、ほかの分野のところの書き方がすごく一般的、包括的なのに、ここだけは「パートタイム労働者への年金制度の適用の在り方については」から言い訳ばかりが書いてあるような気がしまして、「十分考慮して検討を進める」。ここまで詳しく言い訳を書く必要があるのでしょうかというのが私の一つの疑問です。
 これだと、別に適用しなくてもいいよというふうにも読まれかねませんし、社会保障における見直しというのはパートタイムだけには限りません。パートタイムの年金だけに触れられていて健康保険とかその他のさまざまなことについて書かれていないので、ここだけ違和感をすごく覚えたので再検討願えればと思います。
羽入会長
ありがとうございます。では、どうぞ。
鹿嶋課長代理
成果目標が少ないところと多いところについてさっき申し上げましたが、特に第2分野は成果目標という数値を出しにくい分野だと思うんです。
 だから、出しにくいところはあえて成果目標まで出す必要はないと思うんですが、例えば第2分野で言うと社会保障制度の検討とか、選択的夫婦別氏など民法の改正問題ですね。こういうところは例えば「選択的夫婦別氏の理解」というような言葉にして、内閣府の調査では賛成は何%とかというような形にして、現状はどうなっているかを示すだけでも意味があると思います。
 社会保障制度についても、過去に130万円を65万円にするという議論があったわけですね。そのときに賛成はどのくらいあったのかとか、そういう形で成果目標を出しにくいところは対応していったらいいのではないですか。
 特に第2分野はそうしないと、なかなか増えない。マスメディアの分野もそうだと思うんです。ここもなかなか増えにくい。
羽入会長
ありがとうございます。どうぞ。
桜井委員
女子差別撤廃委員会からの最終報告でも、法制度の改革が進まないことについて、日本政府は、世論調査を言い訳にするなと明確に書かれてしまっていますね。例えば夫婦別氏制度について賛成がどのくらい進んだかなど、成果目標の指標に世論調査あるいは意識調査を使うことについては十分慎重にすべきではないかと思いますが。
羽入会長
ありがとうございます。御意見もあろうかと思いますけれども、また全体的に御意見を伺う時間を取ることにして次に進みたいと思います。
 第4分野から第10分野まで、次はいきましょう。どうぞ、お願いします。
清原委員
32ページの在職中の女性に対する支援のところで、情報提供について「職域拡大や職業能力の向上のために必要な情報や手法」となっていますが、この問題を考えていくときに均等推進と両立支援の2つがとても重要だと思います。今、保育所での一時保育も以前と比べますとかなり進んできておりますし、放課後児童クラブ、ファミリーサポートセンターなどいろいろあるのですが、その情報が、現場のお母さんたちとお話をすると、こちらは知ってもらっているつもりでもなかなか知られていないということがあります。
 その意味でこの情報提供の中に職域拡大や職業能力の向上というだけではなくて、継続就業もしくは両立支援のための情報、このことを是非明記していただきたい。 均等推進だけでいきますと、男女ともの働きバチ化ということになってしまって、結婚も子育ても負担、だからやらないということになってしまいますし、また両立支援だけですと、男女ともの両立支援なのに女性だけの両立支援になったり、補助的労働者のままでの両立支援になったりしますので、その意味で均等推進と両立支援を両方とも進めていく、そのための情報をきちんと手渡していくということを明記した方がいいと思います。そのことが1点です。
 それからもう一つは、40ページの「すべての子育て家庭に向けた子育て支援策の充実」のところです。ここが今のところ、幼稚園は、保育所はという書き方になっていますが、ご承知のように現在、子ども・子育て新システムが来年の国会に出されるということで検討中です。従来の「保育に欠ける」「欠けない」ということを母親の居宅外労働等によって分けるという、その発想自体に対して私どももやはりこれは違うということを言い続けてきましたし、国の方でもそうした方向で進めていこうとされています。また、認定こども園を更に進めたこども園という方向も出されていますので、その意味で子ども・子育て新システムとの整合性を最終的にはきちんと図っていかなければならないと思います。
 特に、放課後の問題で言いますと、就学前についてはこども園ということで、「保育に欠ける」「欠けないで」分けないということを出されてきていますが、放課後の部分は非常に弱い。「保育に欠ける」「欠けない」で分けないという発想は就学前及び小学校の放課後を、貫いて出されなければならないと思いますので、ここの放課後の部分についてはきちんと見える形で数値目標等もあげていただきたいと思います。
勝間委員
これも質問を第2次から受け継いでいるせいなのかもしれませんけれども、結構重要な指標がいろいろ私には見当たらないように思えています。
 例えば、男女の賃金格差を解消すると言っている割には、成果目標の中に男女賃金格差についての現状と成果目標の数値がない。あるいは、保育園の待機児童ゼロ作戦というのを今度行いますけれども、保育児の待機児童についての目標数値がない。正規、非正規、均等待遇の話を出していますが、それについての賃金格差の数値がない。女性の上級管理職であるとか、あるいは企業の女性のリーダーの数値がないといったような形で、例えばGEMについては直接影響するような数値に関しての成果目標が一切入っていないのが最も気になります。
 ですので、これで私が少し不安になりましたのが、この分野が私は一番詳しいのでそこがぱっと目についたんですけれども、自分が詳しくない分野で実際に中に書かれていることがKPIでしっかり網羅されているかというのを私たちがチェックするんですか。だれがどうチェックすればいいのか。前半はまず4つぐらい、明らかに重要な指標が欠けているんじゃないかというのが私の視点です。
 後半は、こちらでの実行計画と成果目標の網羅性をだれがどうチェックするんですかというのが2番目の質問です。
羽入会長
2番目の質問は事務局から答えていただけますでしょうか。1番目も、できれば……。
藤澤推進課長
まず、今日お示ししている案は、これがそのまま計画になるわけではなくて現時点の案なので、これ以外にも含めていろいろ検討はしているんですけれども、今日の時点で出せなかったものはあります。成果目標の中にも、当然そういう項目はあります。
勝間委員
私の質問はそうじゃないんです。この成果目標の整合性は事務局が検討してベストなものを出したときに、私たちが全部それを責任を持って見る必要があるのか。要するに、だれがどのような結果責任を持っているのかというのが私の質問です。
藤澤推進課長
計画はあくまでも政府が決めるものですので、基本的には我々が責任を持って作成するものです。
勝間委員
そうしましたら、やはり網羅性について、例えば本当にワン・ツー・ワンのチェックリストくらい私はやりたいんです。もしここの計画が大事だということであれば、それぞれの計画で全部それぞれの担当箇所もありますし、それぞれの支援策も出ていますから、その支援策に対して実際の成果目標が一対一のものもありますし、まとめて入っているものもあると思うんですけれども、ちゃんとそれが全部リンクしているということを確認して、もしリンクしていないものについては定性的な目標でいいからつくりたいというのが要望です。是非事務局の方で、網羅性の検討というものをやっていただけないでしょうか。そうしないと、ふわふわっとした文章が流れて、また第4次計画、第5次計画に全く同じことが書かれるというのが私の懸念です。
 前半の4つの指標については加えていただけますでしょうか。先ほど申し上げたような、さまざまな実行計画に対して必要なもの、特にGEMに対してもはっきり響くものが幾つもあります。
藤澤推進課長
この場で入れますとか、入れませんとか申し上げられないので、御意見を踏まえてまた検討していきたいと思います。
勝間委員
しつこいですけれども、男女の賃金格差、保育園の待機児童の問題、正規、非正規の均等待遇の問題、あとはそういうリーダーシップ的な職に従事している女性の割合、この4つです。
羽入会長
ありがとうございます。どうぞ、石川委員。
石川委員
79ページのカの「学校における性に関する指導の実施」です。この部分は、女性の健康の支援という題なので、この文章を読むといかにも一般的なことが書いてあるだけで、具体的に健康支援に対してどういう観点で施策を実行すべきかということが書いていない。したがって、ここのところにそれを書くべきではないかと考えています。
 例えば、80ページのところに「学校におけるHIV/エイズ、性感染症に関する教育の推進」というものがありまして、こういうレベルの書き方をすべきじゃないかと思っております。書くとすると、「学校における性の健康に関する指導の実施」というような題目です。そうすると、具体的にどういう観点で施策を実行すべきかということを書くべきだと思っています。
 もう一点は、前の方の第3分野の23ページですけれども、(2)のアの②です。ここのころにも「発達の段階を踏まえた性に関する指導の適切な実施」ということで、全く同じ文章が載っています。したがって、ここのところはもう少し男女共同参画という観点からの指導をどうすべきかということを書く方がわかりやすいのではないかと思っています。私は「性に関する指導」という文言についてずっと異論をとなえてきたわけですけれども、またここは「性に関する指導」という文言に戻っていますので、これは何とか性教育にならないかと私は思っております。
 具体的に言いますと、第3分野のところは、例えば学校における性教育は人間尊重、男女平等の観点からこういうことをやってくださいということで、その際、男女の人間関係の確立を重視した指導が必要であるとか、そういったような文言にしておいて、なお書き以下は削った方がいいんじゃないかと思います。
 前回の性教育のところの書き方は、例えば行き過ぎた性教育をやめるとか、あるいは実践事例集を国が出すとか、そういった文言があったんですけれども、今回は具体的なものは何もなくなってしまって、一つの性教育をやる観点としていろいろなものが必要になるのかなと。
 実践事例集を出すというのは、私自身は無理な話だと前から思っていまして、どこの国を見ても実践事例集を出している国はないんです。私もいろいろな国の性教育の研究をやっていますけれども、そういった国が全くなくて、基本的な考え方は国が出しているけれども、事例集まで出しているところはないんです。
 したがって、それをもう一回書いてくれと言っているわけではなくて、私はそれは無理だと思っているので、ほかのもう少し前向きなこういうことをやりますよということを書いていただきたいと思っています。
羽入会長
ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 では、河野委員どうぞ。
河野委員
私の専門から、第4分野について4点ほどお話をさせてください。
 先ほどちょっと成果目標については勝間委員からも御指摘がありましたけれども、ざっくりと成果目標を拝見いたしまして、もうひと練りできないものか。ただ、数値を取るのは大変難しいのは一番わかっているところなので非常に苦しいのですが、もう少し整理した上で出せないかということと、やはりここに本来であれば管理職の数が入るのが一番よろしいのかなと考えました。
 それから、それに続いてですけれども、31ページの「ポジティブ・アクションの推進」の①のところです。前から意見を言わせていただいていることなのですが、ここで「具体的な目標(例えば、2015年の目標)」のところで、設定するということも今回は具体的な策を練りなさいということだと思うですが、国全体として、それではどのようなことかというところが、もしできればここにあると、もちろん業界、業種によって非常に異なるのは認めた上で、わかっている上で、でも国全体としてはこのくらいというのがあるとよろしいのかなと考えました。逆に、それがないと成果目標のところをつくることはもちろんできないので、ここはリンクしているんだなと思いました。それは意見です。
 それから、少し細かいところで恐縮ですけれども、34ページの「ア.女性の継続就業のための環境整備」のところです。ここまで細かいものを入れることが不適切だったら申し訳ないんですけれども、他にも細かいのが入っていたかなと思いましたので。
 例えば、最も重要なのは管理職の女性陣または男性陣に対するこの層へのマネジメントなので、可能であれば「管理職にマネジメントのノウハウを提供するなど」とか、そのような各論がちょっと入りますとまた少し違う気がいたしました。それが環境整備として入るかどうかということもあるんですけれども、一点、気になりました。
 それから、その下のイのところです。これは大変ありがたいなと思うところでして、例えばチャレンジ賞の中でも再就職を希望する女性、そして雇用した企業の表彰ということですけれども、ここは非常にクローズアップした方が私はいいと思います。
 逆に1点、今、各女性の賞も御存じのとおり民間、そして他にもあるわけですから、そこでのきちんとした住み分けがないと、例えば毎年、毎年同じところが取るとか、今年はどこの賞もどこかの企業が総なめとか、さまざまないろいろな賞がありますね。ですので、その辺も踏まえて住み分け、そしてここでの賞というのは特別な意味があるというふうに少しわかりやすくするとよろしいように感じました。以上です。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 では、林委員、それから桜井委員の順でお願いします。
林委員
第9分野の女性に対する暴力の関係です。私は本当にざっとしか目を通していないので、場合によっては後で文章で気がついたことの意見を出させていただくかもしれませんが、拝見した限りではこの答申の内容をよりわかりやすく書いていただいて、わかりやすい内容になっていると思います。
 ただ、60ページの成果目標のところは3つしか掲げられておりませんが、例えばワンストップセンターの展開を打ち出していますので、そういったものの数が何か所になるかといったことであるとか、あるいは性暴力に関する捜査について女性警察官による支援ということも明記していますので、例えばそういう性犯罪捜査の主任となっている女性の警察官というのは現在何人いて、この計画の目標ではどのくらいになるのかといったことなどについて、もう少し性犯罪に関わる職務関係者の中の数の目標、パーセンテージの目標を具体的に入れていただけないかと思います。以上です。
羽入会長
では、桜井委員どうぞ。
桜井委員
私は、51ページの「若年期の自立支援の充実」というところで(4)のアです。ここは以前もちょっと意見を言わせていただいたと思うんですけれども、ここの書きぶりが若者ということで男性も女性も一緒ということでずっと通してあると思うんです。ジェンダレスということですね。
 唯一、書いてあるのが52ページの上から2行目から3行目にかけて、「無業女性が「家事手伝い」として潜在化しやすいこと、支援等機関が女性に十分活用されていないことに配慮する」と、ここ1行だけなんですが、やはり今、若者サポートステーションですとか、それから事業仕分けに遭ってしまった若者塾とか、それの利用者は男性が圧倒的に多いという現実があります。やはり母子家庭のお母さん支援と父子家庭のお父さん支援では中身が違うように背景が違うわけですから、ここのところはもう少し女性、特に貧困に陥りやすいということを前段階で書いてありますから、そこの記述がもう少し必要かなというふうに思いました。以上です。
羽入会長
伊藤委員どうぞ。
伊藤委員
これは最後に言おうかと思ったんですけれども、議論が出ていましたし、むしろのところに絡むかなと思っているので申し上げます。
 成果目標ですけれども、これは前にちょっと申し上げたんですが、ジェンダーエンパワーメント指数に関わる数字及びジェンダーギャップインデックスに関わる数字に関してはできるだけ取り上げるというか、簡単に言えば全部取り上げていただきたい。現状では国際的なレベルでの日本の男女平等度をチェックするものですので、実はこれはジェンダーエンパワーメント指数に入っているんだとか、ジェンダーギャップインデックスの中に入っているんだということをむしろ明記しながらやるぐらいの心意気が必要なのではないかと思います。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 よろしければその後、11から最後までの分野についても御意見を伺いたいと思います。では、辻村委員どうぞ。
辻村委員
まず、第1点は11分野でございます。85ページの「高等教育の充実」というところは「調査・研究等」となっていますが、ここでは「ジェンダー研究を含む男女共同参画社会の形成に資する調査・研究」だけで、教育が入っていないということに気がつきました。
 それとの関係で、実は62ページの一番上に、法科大学院において女性に対する暴力に関する教育をしなさいということが9分野に出てくるのですけれども、これは唐突な感じがします。教育に関係することをもしここに書くのであれば、勿論これはこのままで構わないのですけれども、11分野の方にも大学や法科大学院などで、女性に対する暴力その他、男女共同参画に関わるような教育をする、という内容がどこかにないといけないと思います。これは、ワーキンググループの検討では気がつかなかったかもしれないので申し訳なく思っております。それからもう一点、第12分野の90ページの目標のところが白紙になっております。これも今日の時点では残念なのですけれども、確かに答申も中間整理もここのところが十分に書き切れていなかったのではないかという反省を持っております。と申しますのは、書いてある内容はとにかく国際競争力を高めるために研究を活性化しなければいけない、そのために男女共同参画が必要だということです。ベクトルで言いますと結局、科学技術を高めるために男女共同参画が要る、そのために女性の比率も上げなさいという一方的なベクトルになっていると思いますが、私の考えるところ、科学技術、学術分野はそれだけではなくて、まさに男女共同参画とは何かとか、ポジティブ・アクションとは何かとか、ジェンダーとは何かとか、そういう基礎研究をするところですので、科学技術が男女共同参画の形成にとって必要不可欠な研究を担わないといけないのですね。科学技術の方が男女共同参画の役に立つというベクトルもありますので、その両方を目標のところで書き込んでいただかないと、何のために男女共同参画にするのかということがなかなか理解されないところがあると思います。差し当たり、以上です。
羽入会長
伊藤委員どうぞ。
伊藤委員
さっきジェンダーギャップ指数の話をしましたけれども、やはりかなり大幅に低いところを中心にと申し上げた方がいいかもしれません。
 というのは、例えば識字率であるとか、初等教育であるとか中等教育になると、これはやはり世界一ですので、そんなところまでは入れる必要がないと思います。
羽入会長
ありがとうございます。ほかにいかがですか。
桜井委員
97ページの(1)のアです。「女性センター・男女共同参画センター等の機能の充実・強化」というところでは1行、「職員の人材育成を支援する」ということが書かれていますが、これだけでは不足と思います。答申では、男女共同参画センター等の拠点施設としての位置づけが確立していないという指摘がちゃんとあって、だからもっと位置づけや役割を確立していくようにという文脈だったと思います。ですから、やはりここは、男女共同参画の推進拠点であるという位置づけを確立するとか、あるいは役割を明確にするとか、それが最初にきて、2番目に人材育成を支援するということで押さえていただきたいと思っております。
 それから、もう一つ細かいことですが、「女性センター・男女共同参画センター」という書き方ですけれども、107ページの推進体制のところは逆に「男女共同参画センター・女性センター」になっています。統一する必要がある、今の時代で言えば「男女共同参画センター・女性センター」がいいのではないかと思いました。以上です。
羽入会長
ありがとうございました。
伊藤委員
地域のところですけれども、これは推進体制とも絡むんですが、やはり男女共同参画を動かすというときに、単にネットワークをつくるというだけではもう済まないんじゃないかと思うんです。むしろ、連絡であるとか調整であるとかというようなものを、それぞれの分野がうまく組み合わせながら動かしていかないと動かないんじゃないかという思いがあります。
 それをどう表現するかというとなかなか難しいんですけれども、今、京都でマザーズジョブカフェというのをやっているんですが、これは京都労働局と京都府と京都市が縦割りではなくて連携しながら、職を求めている女性たちに対して職の相談に乗っています。京都市が入りますので、保育所のどこが空いているかという対応もできる。
 日本に住んでいる人たちにとってはいろいろな需要があるんですけれども、各部門がそれぞれ別個にやっていまして、それがなかなかうまく連携調整がされていないわけですね。多くの無駄もあるわけです。私は京都でワーク・ライフ・バランスの会議の座長をやっているんですが、京都府と労働局と京都市でそれぞれワーク・ライフ・バランスでやっている事業を並べてもらったんですが、膨大にあるんですけれども、ものすごく重なっているし、お互いに他の部門のやっていることを知らないわけです。
 それらをうまく調整しながらつなげてやっていけばすごく効率もよくなりますし、実際に実効性も高まるわけです。だから、地域における男女共同参画づくりというときに、単にネットワークではなくて、本当に具体的に連絡調整しながら動いていくような仕組みがちょっと示せないか。これは計画で書くべきものではなくて、もうちょっと具体的なところで進めるべきことなのかもしれませんけれども、その辺が見えるような書き方ができればいいなと思います。
加藤委員
第11分野と14分野のそれぞれ成果目標についてです。11分野の方の教育・学習のところの成果目標というのは何も書いてありませんが、もしこういう調査があれば成果目標のところで挙げていただけないかと思います。1つは「男女平等を推進する教育・学習の充実を図る」というふうに目標にも書いてあります。男女共同参画の教育というのは学校教育においては、85ページのところにも家庭科、社会、あるいは道徳や特別活動などのところで行われていますと書いてありますが、私は特に家庭科のところが重要かなと思います。
 ついては、家庭科教育を重視する人の割合、あるいは重要と思う人の割合、それと特に男子にとって重要とする人の割合などというのが、これまで調査としてあれば数値を挙げていただきたいと思います。
 それから、同じように85ページの「初等中等教育の充実」のところで、「男女平等を推進する教育の内容が充実するよう、教職員を対象とした研修等の取組を促進する」と書いてあります。教職員を対象とした研修はどういう取組が現状行われているのかというのを把握しておかなければ促進するも、しないもないかと思いますので、もしあればそれを成果目標のところに何らかの形で挙げていただきたいと思います。続いて第14分野、地域のところです。同じように成果目標のところが今は1個だけ、全国の女性消防団員というのが挙げられておりますが、98ページの具体的施策の「ア.地域における方針決定過程への女性の参画拡大」というところで、PTA、自治会、消防団も書いてあります。是非、PTA、自治会における割合等も成果目標に挙げていただきたいと思います。それから、同じように98ページの具体的施策の「ウ.地域ネットワークの構築の支援」ということで、「男女共同参画の視点を踏まえ、地方公共団体、女性センター・男女共同参画センター」、こういうところが連携をしていますが、連携を促進する、構築を促進することが必要ですねというふうにウのところは書いてあります。現状、地方公共団体、男女共同参画センター等は民間の団体等、地縁団体、NPO、NGO、大学とどういう連携をしているのか、構築を図っているのか、何か調査がございましたら記載をお願いします。連携が取れていないのなら、連携を取るようにしなければいけないと思います。以上です。
羽入会長
ほかにいかがですか。どうぞ、清原委員。
清原委員
第14分野のところで、先ほど来、何人かの方からもお話がありましたが、男女共同参画センター、女性センターのところです。
 現場でやっていると、男女共同参画センターというのはやはり1分野のテーマというよりは、今までふれてきたさまざまな分野についての取組を進めていくにあたっての本当に拠点なんですね。全国に300を超える男女共同参画センターがあって、ここを拠点にして、これまでふれてきた各分野にわたるさまざまな活動、地縁団体やNPOの取組、企業の取組、大学の取組、役所の横断の取組、官民の協働の取組が進められてきている。
 その意味では先ほどもご意見がありましたが、人材育成支援というだけではいかがか。ネットワークだけでもちょっと弱い。さまざまな領域にわたる活動を進めていくための本当に大きな資源である全国の男女共同参画センターが今、財政状況が厳しくなっている中で非常にもったいない使い方になってきているところがありますので、やはりここをきちんと今回の新しい計画で打ち出していく。1分野のことではないというスタンスが必要だと思います。
 それから98ページのところですが、今、加藤委員さんがおっしゃったことは私も賛成です。PTA、自治会等も含めてですね。
 それと、地域経済の活性化のところが「地域おこし、まちづくり、観光に関する」と限定されていますが、今コミュニティビジネスが、非常に多くの女性たちによって担われてきています。それこそ農業における起業などもありますが、に介護とか、子育てとか、暮らしの自立とか、消費者問題なども含めた生活的な自立についてコミュニティビジネス化を図っていく取組がたくさん生まれてきています。
 しかし、放っておくとなかなか厳しい状況もありますので、この地域経済の活性化のところに、もう少し暮らしの部分を担っている多くの女性たちのコミュニティビジネス、男性も入っていますが、そういった視点も要るのではないかと思います。
羽入会長
勝間委員、林委員の順でお願いします。
勝間委員
第7分野において、相対貧困率が目標の中に入っているにもかかわらず、こちらも成果目標に入っていないんです。実際に母子家庭の相対的貧困率が60%台というのは非常に高いというのは随分、前から問題視されておりますので、私がさっきからずっと不安になっているのは、さまざまな明らかに普段問題になっている数値というのは世の中にいろいろあるんですよ。それが、どうもうまくこのさまざまな数字目標に反映されていないんじゃないかという印象をすごく受けております。
 例えば、先ほど申し上げたものもそうですし、相対的貧困率60%の問題もそうですし、代表的な今、課題になっているものを、本当にそれが全部網羅されているのかどうかという逆のアプローチを是非やっていただけないでしょうか。それぞれ第7分野はこれだというのではなくて、母子家庭の相対貧困率などは典型的なものなんです。そういったものが本当にカバーされているのかどうかということのカバレッジのチェックを是非お願いします。特に私がすぐに気づいたのは、第7分野においては母子家庭、父子家庭も含めた相対的貧困率の問題ですね。
 第8分野においても同様でして、例えば実際にこの目標の中では、アイヌ、同和、性的指向という話がはっきり書かれているんですけれども、それに対して、では成果目標はと見てみた場合には共生社会が1行あるだけで、ほとんどそれについての成果目標がないんですね。もしこれを掲げるのであれば、それぞれにおける差別に対する認識調査がありますから、そこの部分も成果目標として掲げるべきではないでしょうか。
 なぜさっきからこんなことをしつこく、しつこく申し上げるかと言いますと、私は実際に今、事業仕分けもたくさんやっているんですけれども、とにかく事業仕分けの場において必ず逃げ道として評価の問題が入ってしまうんです。あるいは、予算を付けるときも逆に評価の問題が入ってきますし、結局、評価ができないもの、評価で数字にならないものというのはだれも真剣にやらないんですね。だから、どんなにいいことを定性的に全部話したとしても、最後の最後、結局そこに落ちてしまいますから、そこにもっともっともっともっと力を入れて、ちゃんと質、量ともに充実したものを是非つくりたいと思います。一緒にやらせてください。
 これまで男女共同参画の会議に出た3、4年間の中で、本当に今、私は一番ショックです。よろしくお願いします。
羽入会長
ありがとうございます。林委員、どうぞ。
林委員
第15分野の国際のところですけれども、成果目標として101ページのところで項目を2つしか挙げていません。これは増えるとは思うんですけれども、どういうものを検討していらっしゃるんでしょうか。
 これは外務省に質問したいんですが、ODAであるとか、国際機関への拠出金のうち、ジェンダー関連予算というのがいくらかという金額は出せるんでしょうか。つまり、私たちはジェンダー統計を取れとか、ジェンダー予算を組めということを要求しているわけですので、国民の税金を使って多額のODAや多額の国際機関への拠出金を出している中で、ジェンダー平等のために使われているお金が幾らなのかということは、もう少し目に見える必要があるんじゃないかと思うんです。「ジェンダー予算」の国際的な定義がないのであれば、我が国としてはこれこれの範囲のものがジェンダー関連予算ですというような説明があってしかるべきで、この計画を達成する年度内にはそれを幾ら増額する、あるいは、パーセンテージで言うとどのぐらいに拡充するといった目標があるべきなのではないかと思いました。
 それから、成果目標は多分、最後に事務局で整理されると思うんですけれども、重複するものが幾つかあって、例えば男性の育児休業取得率というのが第1と第5と両方出てきます。それから、20ページで、自殺死亡率が24.2となっているんですが、これは何が24.2なんでしょうか。人口10万人当たり24人ということなんでしょうか。そういったことについて、何か説明が必要なものもあるのではないかと思います。
羽入会長
ありがとうございます。河野委員、辻村委員とお願いします。
河野委員
第10分野について、2つ話させてください。
 まず、成果目標の中の「生涯を通じた女性の健康支援」なんですけれども、支援をする医師などの成果目標が入っていません。これは逆に入れなくていいものなのか、またはその医師でリターンまたは看護師でリターンした人たちの数を掲げた方がいいのか。私は、個人的には入れた方がいいと思います。
 ただ、今更で恐縮なんですが、ここに医師、看護師等の実施者が最後のところに入っているというのはもったいないような、ここに入れるべきものかなと思ってしまったんですけれども、もし入れるとしたら非常に細かく書いていただいているので、ここからはちょっとお願いごとですが、82ページのところで「女性医師が能力を発揮しやすい条件整備」は非常に細かく丁寧に書いていただいてありがとうございます。
 この中で、学生時代からのキャリア教育の充実というものを書いていただいていまして大変重要だと思うんですが、加えて、現在20代後半の若手、30代前半のシングル、または結婚したばかりの若手の医師たちの課題というのもあると思うので、できれば若手女性を医師に対しての生涯キャリアの考え方ですとか、うまい表現じゃないかもしれないんですけれども、そこも少し挿入して御検討いただければと思います。以上です。
羽入会長
辻村委員、どうぞ。
辻村委員
成果目標に話題がいっていますので、第11分野と12分野について御検討をお願いしたいと思います。
 この2つは成果目標のところにほとんど何も書いていなくて非常に寂しいのですけれども、中国や韓国などでも女性教員比率について目標を立てていますし、ここには、理工系の学生の比率であるとか、進学率であるとか、幾らでも書くことがあるような気がします。人権教育の実施率だとか、法科大学院におけるジェンダー教育の実施率だとか、いろいろターゲットにするようなものがあると思います。この第12分野は第3次計画で初めて独立した分野にしたものですし、第11分野も第2次計画のときには余り詳しく書かれておりませんでしたから、この11と12分野のところは今回初めてになる可能性があると思いますので、成果目標を充実した内容にしていただきたいと思います。
 特に、第4期の科学技術基本計画案では女性研究者の採用目標について、自然科学系25%だったのを今度は30%を目指すというような文言が現時点では入っていますし、このようにパーセンテージが出ているものもありますので、書けるものは書いていただきたいと思います。
羽入会長
ほかにはいかがですか。
坂本委員
14分野の97ページの(1)のアの女性センター・男女共同参画センターのところです。この検討のプロセスで、各地の女性センターにヒアリングに来ていただいて、やはり指定管理の運営の問題であったり、現場が抱えているさまざまな問題の御発言があったと思いますが、そういったことが余り反映できていないような印象があります。たくさんお越しいただいていろいろな御意見をいただいておりましたので、やはり女性センター・男女共同参画センターのところは機能充実強化だけではなく、運営の在り方とか、行政の中での位置づけとか、その専門的な人材の育成とか、予算の強化とか、もう少し踏み込んだ書き込みをしないと、御意見をいただいた方に申し訳ないなという印象があります。
 14分野は地域におけるさまざまな課題や生活課題にリンクした、いわば国民に直接的に関わるような活動をする分野ですので、この計画は国のさまざまな領域にわたった計画ではありますけれども、やはり個々の人にどういうフィードバックをしていくかということが伝わっていかないと、何か遠くの方で掲げられた計画ということで、この実施のプロセスにおいて地域のNPOや市民活動をされている皆様の御協力をいただくのに限界があるのではないかと思いますので、ここはもっとたくさん書き込んでいただきたいと思います。
武川審議官
107ページにも推進体制のところでセンターはかなり書いておりますので、併せてごらんいただければと思います。
羽入会長
ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
清原委員
教育のところ、それから地域のところで、先ほどもちょっとふれましたが、今孤立からの消費者被害が高齢者の方々に非常に広がっていて、特に一人暮らし高齢者は女性の割合が大きいですから、そういったところの問題ですとか、若い人のインターネット被害など、消費者としての自立ですね。
 せっかく消費者庁もできて現在取組をすすめていこうというところにありますが、「消費者」という言葉がさっと見た感じであまり見当たらないのかなと。暮らしの自立のコンテンツに関わる部分について、教育や地域のところでふれておく必要があるのではと思います。
羽入会長
ありがとうございます。
 全体で元に戻っても結構ですので、もし何か言い残したこととかがありましたらどうぞ。
 では、山田委員どうぞ。
山田委員
全体というよりも、1部の「基本的な考え方」のところでお願いしたいのですが、「基本的な考え方」の答申と読み比べて見ますと、随分コンパクトになってしまったなという印象があります。反省であるとか、社会情勢の認識というのが1の前に非常にコンパクトになってしまって、すごくインパクトが弱くなったような気がするんです。
 勝間委員がおっしゃったように、これを全部多くの人がしっかり読むということはなくて、中のものはいわゆる省庁の関連者向けにこういうことが必要だということで書くと思っていいと思うんですけれども、やはり多くの人が一番目に触れて最初に読むのは「基本的な考え方」だと思うので、その部分の書き込みをもう少ししっかりしていただきたい。
 というのは、私は男女共同参画を阻害している要因そのものが、日本社会の発展なり生きやすさを阻害している要因だと思っていますので、つまり男女共同参画を推進することが日本社会を発展させて、更に人々が生きやすくするという視点を「基本的な考え方」の方には多少盛り込まれていたと思うんですけれども、それをもう少し強調していただきたい。
 少子高齢化の進展とか、「基本的な考え方」の1ページの第3段落目に一応あるんですけれども、「変化に対応しながら、施策を進めていく」になっているんですね。そうではなくて、そういうものを解決する、男女共同参画はその解決のためにやるものではないんですけれども、それに対しての1つの解決の仕方が男女共同参画社会の実現であるというぐらいの書き方をしてほしい。
 なぜかと言うと、私は社会学者としていろいろなところを回っていますと、やはりもう少し危機感を持った方がいいんじゃないか。男女共同参画が進展しないから少子化が起きているんじゃないかとか、経済が活性化しないんじゃないかとか、そういう危機感をすごく持ちます。
 先日、清原委員に頼まれて淡路島の方で講演をしたときも、このままだと地域はもうもたなくなってしまうという危機感がすごく強くありましたし、海外に出て行っている日本人女性のインタビュー調査をしているんですけれども、今、日本ではもう女性の活躍する場がないからということで、海外に日本人女性がどんどん出て行ってしまうというようなことが非常に見えてくるわけです。
 だからもう少し、例えばですけれども、3ページの2行目で、地域社会に関しては「男女共同参画を推進することが、男女共同参画の実現に不可欠である」。これは当たり前なので、男女共同参画を推進することが地域社会の活性化にとって不可欠であるというぐらいに書いて強調点の中でやっていただけたらと思います。
 書かれているところもあります。女性の活躍が経済を活性化させるということも含めましてありますけれども、そういう点から第1部の「基本的な考え方」をもう少し危機感を持ったものとして書いていただければ、最初に一般の人たちが読むところでありますから、男女共同参画を推進しなければという気になってもらえるんじゃないかと思っております。以上です。
坂本委員
先日のAPECの女性リーダー会議に参加して、たまたま海外の会社の知り合いと久しぶりに会いましたら、そのときにその彼女の会社のエコノミストの方が書かれた「ウーマノミクス」というレポートをいただきました。
 それを今日、事務局にもお渡ししようと思って持ってきましたけれども、そこではっきりと日本の女性の就業者数が増加するとGDPが15%押し上げられるというような予測が書かれています。このようにわかりやすく、女性の活用を進めないと、経済的な損失がこのぐらいある、または伸びしろとしてこれだけある、というような表現で、書き込んでいただけると、もうちょっと元気が出るかなという気がしました。
 やはりその議論の中で、女性の活躍の場がなかなか広がっていかないことによる現状をブレイクしていくためにも、女性の活躍の場面を広げていこうという議論がありました。そこら辺がややトーンダウンしたなと、私も山田委員と同じ印象を持っております。そこは少し書き換えていただけるとありがたいと思います。
羽入会長
では、伊藤委員と清原委員、簡単にお願いします。
伊藤委員
まさに今のお2人の意見に大賛成で、割と世界的にもそういう流れがかなり出ていて、7月か8月の『ニューズウィーク』にすごいいい特集があって、アメリカ合衆国が男女平等になればGDPが十何%上がる。日本はもっと不平等ですからもっと上がる。15%どころではないんじゃないかと思ったりもします。
 それから、今日の『週刊ポスト』に、日本は女性の労働力を十分に活用していないということについて出ていて、週刊誌がそういうコメントを出すようになっているということもありまして、男女共同参画とワーク・ライフ・バランスというものを進めないと21世紀の日本の社会はかなり厳しいんだというのは、やはりどこかではっきりメッセージとして出しておいた方がいいんじゃないかと私も思います。
清原委員
この「基本的考え方」のところで、私たちは自治体ですから取組を実際に地域で広げていきたいと考えているわけですが、今お三方からおっしゃいましたように、その際、やはり最初の「基本的考え方」の部分がとても大事です。
 ここで、固定的役割分担意識と、ぽんと出てきますが、要するに男女共同参画というのは男も家事・育児をしろということなんだろという受け止められ方がまだまだ多い。それで、単に講演会をやって、フォーラムをやって、動員をかけて話だけして、毎回、毎回それで終わりという手法になりがちなんですね。
 意識改革ということで講演会をやってフォーラムをやってというだけではなくて、それが具体の取組につながっていく。具体の取組が進むことによって、フィードバックして意識が変わっていくというところがありますので、ここのところは今ご意見があったように、男女ともに生きやすくなる社会なんだということが出ていかないと、非常に受け入れられにくいということがあります。実際に受け入れられていってこそですので、その辺のところは冒頭のところで書き込んだ方がいいのかなと私も思いました。
羽入会長
ありがとうございます。
 まだ皆様、御意見がたくさんあるかと思いますけれども、時間でございますので、ここで御意見はおしまいにさせていただきますが、恐らく今、事務局が各府省と交渉中、議論している最中でございますので、今後、私どもの意向が十分に反映されるということを願い、または要望いたします。
 顧みれば、私たちのこの委員会は専門的な立場からそれぞれが恐らく延べ100時間以上をかけて議論をしてきたことだと思います。
 この会で議論した内容を、私たちは実効性のあるものにしようということで進めてまいりました。また、国民一人ひとりにとってもわかりやすいようにするということも同時に考えてきたことでございます。その実効性を高めるために、答申に至る案の段階ではできるだけ具体的なことも私たちは書きました。それらがどのような形で目標として設定されるのか。これは、今後是非、政府に期待していきたいことです。
 それで、そのために現状のデータが必要だということも随分我々は議論してきました。現状はどうあるのか。そういったことを踏まえて、ではどこに目標が設定されるかということでもあったかと思います。そういったことを考慮しながら、これからもまた具体的な計画に反映させていただきたいと思います。それともう一つ、やはり今回のことで重要なのは、既に10年たっている、新たな10年を迎えるんだということを十分意識する必要があるだろう、そして、同時にこれは各府省にまたがっておりますので、あちこちで単発的にではなく、連携をして実効性のあるものにするというふうな方向を示していただきたいと思います。
 改めて申し上げる必要もないことですけれども、やはり男女共同参画が実現されるための指標に役立つような目標というのは是非網羅していただきたい。そして、整合性のあるものにしていただきたいということが私からの切なるお願いでございます。
 そして、何よりもここで議論してまいりましたことが、後退するようなことのないような形で計画の中に盛り込んでいただきたいというのを私は強くお願いしたいと思います。
 今後、内閣府を始め各府省はこの答申にできる限り沿って、今日の委員の皆様からの御意見を受け止めて、よりよい計画にしていけるように御検討いただきたいと思います。
 なお、今後のこの調査会の持ち方については私、会長の方に一任していただけますでしょうか。当然、その際には鹿嶋会長代理にも御相談しながら今後、何かございましたらまた皆様に御意見を伺うという機会もあろうかと思いますけれども、今いただきました御意見を是非重要なものとして受け止めていただきたいと思います。
 最後に、事務局から何かございますでしょうか。
竹林企画官
本日は、貴重な御意見ありがとうございました。
 今後のことですが、男女共同参画会議からも御意見をいただきながら、引き続き関係府省とも調整してまいりまして、年内に閣議決定できるよう検討を進めていきたいと思っております。以上でございます。
羽入会長
ありがとうございます。
 それでは、これをもちまして第62回の「基本問題・計画専門調査会」を終了いたします。長時間にわたりまして、誠にありがとうございました。

(以上)