- 日時: 平成20年3月26日(水) 10:00~12:00
- 場所: 内閣府庁舎5階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
- 同
- 加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
- 同
- 河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
- 同
- 室伏きみ子 お茶の水女子大学教授
- 同
- 山田 昌弘 東京学芸大学教授
- 同
- 渡辺 幸子 多摩市長
(議事次第)
- 男女共同参画の今後の地域レベルの推進方策について(報告書の中間整理)
(配布資料)
- 資料1
- 基本問題専門調査会報告書 中間整理(案)
- 袖井会長
-
おはようございます。本日は、お忙しいなかお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから基本問題専門調査会の第38回会合を開催いたします。
前回の調査会では、報告書の骨子につきまして御協議いただきました。その際に委員の方々からいただいた御意見と、その日に欠席された委員から文書でいただいた御意見を踏まえまして、本日御協議いただく中間整理案を作成いたしました。今回は、本調査会の報告書の中間整理案について御協議いただきたいと思います。
なお、この報告書の取りまとめに向けた今後の進め方ですが、「地域における男女共同参画」をテーマにしておりますので、最終的な報告書をまとめる前に、国民の方々の御意見を広く募集した方がよいのではないかと思います。そこで、今回、中間整理として一旦取りまとめまして、4月から5月にかけてパブリックコメントを実施したいと考えております。当初の予定では、5月下旬から6月頃に開催が予定されている次回の男女共同参画会議にかけたうえで最終的な報告書をまとめることにしておりましたが、パブリックコメントを実施する関係で、次回の男女共同参画会議には中間整理にパブリックコメントを反映させたものを報告することとし、最終的な報告書はその後に取りまとめたいと思います。このように進めたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
(委員より了承する旨の声あり)
- 袖井会長
-
それでは、そのように進めさせていただきます。
では、本日の議事に入ります。最初に、中間整理案とパブリックコメントの進め方について事務局から説明していただきます。よろしくお願いします。 - 安田企画官
-
それでは、説明させていただきます。
資料1が、中間整理(案)として取りまとめさせていただいたものです。それから、その後ろに付けている「地域における男女共同参画の今後のあり方」という1枚ものが、この中間整理の内容を簡明な図にしたもの。その次のグラフと表を織り混ぜている資料が、中間整理の中に引用されております資料でございます。
パブリックコメントの進め方ですけれども、今回御議論いただきまして、それを反映させるとともに、御欠席の委員がいらっしゃるので、その方にもお送りしまして、意見がある場合には書面でいただきたいと思っております。今回御出席の先生方におかれましても、時間も限られておりますので、本日言い足りなかったこと等がありましたら、後日書面でいただきたいと思います。書面での御意見は3月中にいただきたいと思っております。それを踏まえて、更に中間整理をリバイスさせていただきまして、改めて委員の方々に確認をとらせていただきます。確認がとれた段階で、おそらく4月の中旬からになろうかと思いますけれども、パブリックコメントの期間は1箇月が標準でございますので、5月の半ばにかけて行いたいと思っております。それがパブリックコメントの大体の流れでございます。
資料1の中間整理の概要を説明させていただきます。おそらく最終報告はやや分量を増やすことになるのではないかと思っておりますけれども、前回の骨子を大体2倍強ぐらいにしてございます。
最初に、大体の構成がわかるように目次をつけております。章立ては前回の骨子から大きく変えておりません。Iは「地域における男女共同参画の推進のあり方の提起」という序論。IIは現状と課題。IIIが基本的な方向性、基本的な考え方。次に、おそらく本文の中心的な部分になる課題解決型の実践活動の意義、留意点、具体的な課題。それから、IVが「地域における男女共同参画の推進主体」、Vが多様な主体。骨子ではIVとVを1つにしておりましたけれども、分量がかなり多くなりますので、地方公共団体と男女共同参画センター等を分けた方がいいのではないかと考えまして、分割してございます。最後が人材についてです。
その次のページから本文になります。変更点を中心に説明させていただきます。前回の議論を十分踏まえられていない部分もあるかもしれませんが、中間整理ということで、前回の骨子をやや膨らませて書いてございます。
「I 地域における男女共同参画の推進の新しいあり方の提起」ということで、最初に、「『地域』は、家族とともに」云々と書いております。「家族」という言葉をどこかに入れた方がいいのではないかという御意見をいただきまして、「家族とともに、人々にとって最も身近な暮らしの場である地域」という書き出だしにしてございます。その次のパラグラフで、「基本法制定から9年経ち」云々と書いてございます。それから、第3パラグラフで、なぜ地域を選んだかを書きつつ、最後の部分で「第二ステージへの移行が求められている。」という締め方をしてございます。それから、最後のパラグラフ、ここも何人かの委員の方から御意見がございまして、地域の活性化など経済的な面でも豊かになるというイメージを書けないかということで、最終的には文章としてもう少し膨らませた方がいいのかもしれませんが、今の段階では、Iの下から3行目に、「地域の活性化につながり」という言葉を入れております。それから、最後の行に「個人が尊重され」と入れております。これも委員の方から御意見があったところです。
IIでございますが、「地域における現状と課題」ということで、前回と基本的な構成は同じでございます。1が「男女共同参画に関する意識の状況」でございます。いろいろな御意見があったのですが、意識は変化しているけれども、まだまだ不十分だということを入れた方がいいのではないかという御意見がありました。そこで、少しずつ変化しつつあるが、諸外国に比べても、固定的な役割分担意識がまだまだ根強いのが実態であるということを、諸外国との比較や国内の意識調査などのデータを引きながら書いております。図1、図2、表1を適宜御参照ください。
2の「地域における課題やそこに住む人々が抱える課題の状況」ですが、ここもいろいろ御意見をいただきました。最初に、地域間格差や経済的な活力が低下しているという地域が抱える課題を書かせていただいております。3パラグラフ目に、地域における人々の課題をいろいろ書いてございます。恋人からの暴力や医療・介護、多文化共生といった課題を、委員の方々の御意見により追加しております。それから最後の段落では、いろいろな身近な課題に対応するため、福祉、教育、環境、防災・防犯、産業振興、ここでも産業という言葉を入れておりますけれども、行政施策とNPOや地域団体が行う活動が、両方の側面から行われていますということを書いてございます。
3の「地域に住む人々の活動の状況」でございます。ここは前回に比べてあまり変更はございません。量的に若干増やしてございます。
それから、4の「推進体制の現状と課題」。ここも基本的な視点は同じですけれども、量的にやや増やしております。背景として、行財政改革や地方経済が非常につらいということ。これは男女共同参画に限らないと思いますけれども、そういった背景があることと、指定管理者制度が導入され、そのインパクトが非常に大きいということでございます。そこで、4段落の「さらに」以下で、指定管理者制度の問題点として、「短期的で定量的な成果を求められる場合が多い」という書き方をしております。それから地方公共団体の連携の話。男女共同参画を推進していくには、専門性や幅広い能力がますます必要になっているという総論を書いております。
IIIは「今後の地域における男女共同参画の推進の基本的な方向性」でございます。1の「基本的な考え方」では、Iに続きまして、「第二ステージ」を締めの言葉として使っております。ここもあまり内容は変えておりませんが、課題を解決するために実践的な活動を主体的に展開するということが第二ステージだという位置づけになっております。
2では、課題解決型の実践的活動とはどういう意味があるのかということを、(1)から(3)に書いてございます。(1)では、多様な主体と協働・連携することで、単独でやるよりも多様な主体の強みが生かされ、特にいろいろな新しい視点の導入が可能になるということが書いてございます。(2)では、そういった活動に関わることにより、女性のエンパワーメントや、特にリーダーとしての資質を育成することができるという効果もあるということ。(3)では、実際に活動に携わる人、そして実際に活動に携わる人を取り巻く人々の意識改革にも役に立つということが書いてございます。
3は「留意点」ということで、(1)から(4)まで挙げております。(1)は「多様な主体の参画の確保」ということです。今回の報告書の趣旨は、多様な主体が絡まっていくことで相乗効果を上げていくことが1つの狙いであると思いますので、多様な主体の参画が確保されることが意味のあることであるということでございます。ここで「社会資源」と呼ぶのがいいのかどうかはわかりませんけれども、そういう社会的な活動の母体と連携していくことが非常に重要だという御意見が、前回の調査会であったかと思います。NPO、地域団体、大学、企業等の地域の身近な団体・組織、それから行政機関、地域に住む個人を多様な主体と位置づけまして、それらが連携・協働していくことが必要になるということでございます。
それから、前回は、最初に「個人レベルのコミュニケーションが重要である」という書きぶりにしていましたが、個人レベルといっても、行政と個人では違和感があるということでしたので、ここは連携の主体として、行政と個人に限らず、行政機関の間、それから行政と民間、個人間ということで、いろいろな連携の仕方があるという書きぶりにしております。
(2)はワーク・ライフ・バランスへの配慮ということです。実は、ワーク・ライフ・バランスは後の方にも出てきます。ここは留意点ですので、もう少し配慮するべき事項として、「例えば」以下に、地域活動に参加しやすい環境を整えるための例示として、託児所を設けたり活動時間に配慮すること、昼に仕事をしている人は、夜にやってみたり、休日にやってみたりということが、活動を推進する上での配慮ではないかなということで、ちょっと書かせていただいております。
(3)は「地域の実情の考慮」ということでございます。ここも、御意見をいろいろいただいたところでございます。第2パラグラフで、「様々な社会的な資源を最大限活用することも重要である」と、再度、社会的な資源といいますか、そういった団体のことを言及しております。それから、そういう社会的な資源、あるいは各種団体がない地域もあるという御意見をいただきましたので、最後のパラグラフの「また」以下で、団体や人材に十分恵まれている地域はそれほど多くはないという書き方をしております。それを受ける形で、他の地域から、広域的な連携などによって人材を補っていくとともに、やはり自前で組織的・人的な資源を育成していくことが求められるというような書きぶりをしてございます。
(4)は「国際的な活動との連携」でございます。ここも比較的御意見をいただいたところでございまして、グローバルな視点で国際交流をするというだけではなく、身近な地域にいる外国人の方々とともにやっていくという視点が重要であるという御意見があったと思います。そういう観点も踏まえまして、先ほどの総論でも若干書きましたけれども、国内に住む外国人との共生という問題も、当然、国際的な連携の中の1つとしてあるということを書いております。
4は「男女共同参画の視点を取り入れていくべき具体的な課題」です。ここは構成をより見やすい形にしております。全体を地域における課題と地域に住む人々が抱える課題に分けまして、それぞれに例示を加えながら、こういった活動のあり方があるというサゼッションをしています。
4の初めに戻りますと、「地域における課題」としては、先ほども申し上げました経済的な側面として、産業振興、新たな観光資源の開発、地域おこしといったようなこと。それから、経済的な側面以外に、安心・安全、防犯活動、医療といった問題があることを書いております。事例として、本調査会でヒアリングを行った桑折町の事例と、地婦連のLPガスと防災学習会の事例が防災と男女共同参画という視点から非常によいのではないかということで、2つ用意しております。それを受ける形で、多様な視点で多様な主体がそれぞれの地域の課題に取り組むことの意義づけを書いております。IIIの2で書かせていただいた意義づけとやや重なる部分はありますが、地域に貢献すること、女性にとってのエンパワーメントにもつながること、それが周りによい影響を及ぼして地域の意識改革にもつながること、総論とほぼ重なりますが、そういったことを書いております。
(2)は、「地域に住む人々が抱える課題の例」としております。事例ごとに説明すると時間がありませんので、ア)は就業・再就業ということで、京都府の「ジョブパーク」、それから宇治市の「働きたい女たちのネットワーク」の事例を引きながら、いろいろな関係機関と協働してやっていくことの重要性を書いてございます。ワーク・ライフ・バランスでは、ヒアリングさせていただいた秋田県の事例を引きながら、特に企業や商工会議所などと連携しながらやっていくことが重要だという締め方をしております。それから子育て、配偶者暴力の事例に続いて「高齢者の社会参画・自立支援」でございます。男女共同参画会議の監視・影響調査専門調査会で高齢者の問題を採り上げておりますので、その成果を若干引用する形で、男性と女性それぞれの高齢期における課題を書いております。カ)では「地域の外国人との共生」ということで、いろいろなところと連携してやっていく事例として、神奈川県と千葉県の事例を引いて書いてございます。
IVは「地域における男女共同参画の推進主体」ということで、都道府県、市町村、それから男女共同参画センターについて書いております。
1の「地方公共団体の役割」は、前回の骨子と基本的なトーンは変えておりませんが、男女共同参画の推進主体であるということで、最初に、地方公共団体内での連携・協働が必要だということ。次に、これも何度か御意見をいただきました都道府県と市町村の役割です。最初に今回のテーマの地域という観点からは、市町村が非常に重要だということ。都道府県は、広域的な観点での取組みと、市町村と市町村とのつなぎや補完というような、やや補完的な機能・役割を果たすということで、分けて書いてございます。
次のところは「効率的な事業運営」ということで、いろいろなところと連携するということ。それから、定量的な評価が重要であるという御意見をいただいておりました。説明責任という観点から、定量的なものがあるに超したことはないということだと思いますが、可能な限り客観的に把握する、ただし、実際に評価手法があまり確立されていないこともあり、そういった評価手法自体も検討していくことが必要であるという書き方をしております。
それから、2が「男女共同参画センター等の役割」でございます。男女共同参画基本計画の該当部分を引く形で入っております。その下に、「男女共同参画センター等は、地域における男女共同参画の推進の拠点として、次のような重要な機能を担っている」ということで、ア)からエ)までの機能を挙げております。前回は5つか6つあったと思いますが、少し整理しました。前回は、ここは伸ばして、ここはいらないというような書きぶりでしたが、今回は、ア)からエ)の機能について、第二ステージに当たってどういう部分を伸ばしていったらいいのかということを強調して書いてございます。
ア)は「講座・研修等による知識習得や意識啓発」ということで、新たな段階に移行して工夫していく必要があることを総論で書きました。事例を2つ置きまして、特に地域における実践的な活動に結びつけていく必要性を書いております。これも、「はちのへ女性まちづくり塾生の会」の方をお呼びしてプレゼンを行っていただきました。まちづくり塾の受講生が、実際に自分たちで団体をつくってやっていくということでした。単に講座だけで終わらないということが、非常に有効なのではないかと思っています。
「多様な人々に参加してもらうための工夫」というところでは、あまりはっきりとは書いていないのですが、2段落目で、男女共同参画について平易でわかりやすく、親しみやすい印象を持ってもらえるような打ち出し方が必要であることを、いろいろなやり方があろうかと思いますけれども、サラッと書いております。さらに、出前講座や、もっと積極的に押しかけていくということをやっておられる事例もあるということで、秋田県と佐賀県白石町の事例を挙げております。「押しかけ」といいましても、無理やり押しかけていくものではないと聞いておりますが、単なる出前講座を一歩超えたやり方があるのではないかということでございます。
イ)は「相談事業等、地域の課題の把握及び地域住民に対する情報提供」ということです。これも情報収集の重要性、それから相談事業の重要性を前回に引き続き書いております。やはり地域の課題を拾う重要な手段であると思っていますので、そういったことをいろいろな団体と連携しながらやっていくことが重要だということです。
ウ)は、「地域における男女共同参画の推進の担い手である関係団体との協働・支援」ということで、ネットワークづくりを中心に書いております。
エ)は人材の養成です。人材については、最後にまとめて書いてありますが、ここでは特に男女共同参画センターの人材の養成ということで、先ほど申し上げましたリーダー育成のための講座は、単なる講義だけに終わらないようにやってくださいという話でございます。
3は男女共同参画センター等の機能についてです。ここも皆さんからいろいろ御意見をいただきました。まず、市町村と都道府県のセンターはどのような違いがあるのかという話があったかと思います。いろいろ見てみますと、多様なセンターがあって、市町村立だからこうである、都道府県立だからこうであるとなかなかまとめ切れないのかなと思っております。最初に男女共同参画センターの多様なあり方、次にセンター間でのネットワークの形成ということを書いてございます。言わんとするところは、いろいろなセンターがあって、それぞれ特色がありますので、それぞれの特色を伸ばしていくことが男女共同参画センターを総体として見た場合に、大きな相乗効果が生まれるのではないかということです。場合によっては、所管するエリアを超えて広域的にやっていくことも必要だろうということを書いてございます。
次のところはセンターの国際的な役割ということです。やはりこれも委員の先生からの御指摘を踏まえまして、そういうことが国際的にも非常に期待されているということを書いてございます。
4は「指定管理者制度の導入・運営に当たっての留意点」です。ここも基本的な視点はあまり変えておりません。やはり3年から5年という指定期間の短さがネックであろうと思っております。それから、制度のそもそもの趣旨から低コストになりがちである。そこから導き出される問題点として、職員の専門性をなかなかうまく伸ばしていけないのではないかということと、評価の問題を書いております。前の方で定量的な評価が必要だということを書きましたけれども、定量的な評価は非常に重要ではありますが、定量的な評価の中でも、単に経費や集客数だけではなく、本当に男女共同参画の目的に即した評価をしていくべきであるということでございます。
それから、Vは「地域における男女共同参画の推進に関わる多様な主体」です。前回の骨子では、団体と個人の話が書いてあったと思いますけれども、個人というのはある意味で当たり前といえば当たり前ですので、ここでは団体の話に特化して書かせていただいております。いろいろな組織や団体がそれぞれの強みを活かしてやっていくことが、たいへん有効なのではなかろうかということでございます。
2は国の役割についてです。といいましても、今回のテーマは地域ですので、やれることは限られるのですけれども、実態把握や広報啓発といった各種支援と、地方公共団体間を繋ぐ、ネットワークの核とまでは言えないと思いますけれども、地方公共団体と地方公共団体を繋いで連携をさらに促進していくという枠組みづくり、それからNWECの話をここで入れさせていただいております。
VIは「人材の発掘・確保・育成」です。今までのところと重なる部分もありますけれども、「男女共同参画センター等の人材に求められる能力とその育成」ということで、指定管理者制度の問題等を考え、さらに、今回の男女共同参画の第二ステージということを考え合わせますと、より広く、かつ深い能力が求められるであろうということです。しかし現実は、そもそも今の男女共同参画センターが長く勤務できるような環境にあるかといいますと、なかなか微妙な部分があるということでございまして、例えば指定管理期間の終了後、正職員の雇用を継続できるかどうかも不明瞭であるというようなことがございます。民間企業の場合ですと、多角経営している中で、どこかを引っ込めればどこかを膨らますということができますけれども、今の男女共同参画センターの指定管理者となっている団体を見ていますと、それだけしかやっていないというケースがありますので、次回の指定管理者を取れないと、そこの団体は役割がなくなってしまうという非常に残念な構造がございます。そういった場合の職員の雇用方法などを考えていく必要があるのではないかという問題意識を書かせていただいております
最後の部分では、「地域において男女共同参画推進の取組の核となる人材の発掘、確保、育成」ということです。ここもそれまでの記述と重なる部分がありますけれども、講習等の修了生のような人たちを活かしていく。それから、人材データベースのようないろいろなやり方があるということが書いてございます。
説明は以上でございます。 - 袖井会長
- ありがとうございました。かなり量が多いので目をお通しになるのは大変かと思いますが、印象としては大分よくなったのではないかと思います。前回の骨子のときには皆様からかなり厳しい御意見をいただきましたが、内容的にはかなり膨らんできたかと思います。最初に、全体の構成などについて何か御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。いかがでしょうか。
- 加藤委員
- パブリックコメントでは、この中間整理に載せられている事例も当然アップして意見を求めるという理解でよろしいでしょうか。
- 塚崎推進課長
- そういうふうにしたいと思っております。
- 袖井会長
-
よろしいですか。パブリックコメントについてでもいいですが、何か御質問や御意見はありますでしょうか。
では、内容等についての御意見をお伺いします。御意見のある方はどうぞ。 - 伊藤委員
-
かなり整理されてよくなったと思いますが、前の方の文章にいくつか気になるところがございます。主語を入れた方がいいところや、もう少し丁寧に書いた方がいいと思うところがあります。
最初のページですけれども、2段落目の「着実に進められつつある一方」という形で書かれているのですが、ここはちょっと長いので、「つつある」のところで一回マルで切ってもいいんじゃないかと思います。それで繋がると思います。
もう1つは、次のパラグラフの3行目に「こうした課題」とありますが、これは前のパラグラフの課題を受けているのだと思いますが、間に文章が入っているので、何が「こうした」なのかがわかりにくくなっています。その前にも「こうしたさまざま分野」という言葉がありますが、例えば「地域の抱える課題」とか、ちょっと言葉を開いた方が読みやすいかなと思います。あるいは、前の方が「こうした様々な」あるいは「地域の抱えるさまざまな」というような形でもいいかもしれません。「課題」の前に「地域の抱える課題」と書いた方が読みやすいかなと思います。これは個人的な意見ですが。
それから、2ページの3行目ですが、ここは何か主語がいるんじゃないかと思います。「諸外国に比べても、まだまだ根強いのが実態である」と書いてありますが、何が根強いのかが書かれていない。言いたいことはわかるのですが。「性別役割分担意識」という言葉が次に出てくるので、違う言葉の方がいいかなと思いますけれども、「固定的な性別意識」とか、ちょっと言葉があった方がいいと思います。
それから、2ですが、ここは「また」が多いんです。これもちょっと整理した方がいいんじゃないかという気がしました。
言葉尻ばかりで申しわけないのですが、4ページの上の(1)にある、「多様な主体の強み」という言葉も、意味はわかるのですが、「多様な主体の強み」という言葉が唐突に出てくるという感じがします。例えば「多様な主体の参加が生み出す強み」とか、ここもちょっと言葉を開いた方がいい。「主体の強み」というのは勢いがあっていい言葉ですし、後でも出てくるのですが、ここで最初に出すときには説明を加えた方がいいと思います。しかもリード文ですので。気になったのは、そんなところでございます。 - 袖井会長
-
ありがとうございます。文章につきましては、確かにちょっと長いと思うところもありますし、「また」や「しかし」でわりに繋がっていますので、文章をもう少し短くして読みやすくした方がいいと思います。
他に何かございますか。文章表現などでお気づきになったことでも結構ですが。 - 住田委員
-
前回出席しなかったので、文書で意見を提出させていただいたんですけれども、言い忘れたことが幾つかありますので。
今回の地域の話をするときに、今、地方分権が推進されているということをどこかで入れなければいけないんじゃないかということです。
それからもう1つの大きな話は、基本計画と宣言都市と条例、それらについても進んでいるということを、推進体制の中でもそういうものは入れておいた方がいいのではないかということです。入れるとしたら10ページかなという気はしますが。わりあいソフトのことは書いてあるのですけれども、基本法の中における地方自治体の責務というのがあるわけですから、そういうハード的なものについても書いておかなければならないと思います。
修文、言い回しについてはもう少し文章が整ってから個別に申し上げたいと思いますので、大きなところでいきますと、まず1ページのIで、第2パラグラフの就業・再就業、ワーク・ライフ・バランスは後ろに繋がるのですけれども、これは男女共同参画だけにするとこんなことになるのかなと思いながらも、この文章だけ見ると、高齢者の社会参画はこういうところにくるのだろうかと思います。就業・再就業の次に高齢者の社会参画、そしてワーク・ライフ・バランス。それから子育てがきて、次は介護。配偶者・恋人からの暴力があるのなら、事例は引いていないけれども児童虐待、高齢者虐待という並びの方が、最初にくる文章としてはピタッと入るという気がしました。
それから、地域の実情に応じた実践的な活動という意味を、第3パラグラフのどこかに入れておかないといけない。「現実に生じている様々な課題に対し、地域の実情に応じた実践的な活動を行っていく」と、「地域の実情に応じた」というのが基本法の言葉ですので、それはやはり冒頭にきちんと入れておくべきだろうと思いました。
それから、2ページの2で、就業・再就業などの話が出てくるので、そこら辺も少しバランスをとっていただかないと、1ページと合わないという気がしました。
地方の問題については、2の最初のところですが、地域が抱える課題は様々あるということで、人口減少と少子高齢化を最初に入れておかないと、質的・量的にも大きな問題だと思います。それから、社会的・経済的な活力の低下した地域が増加しているということと、地域間格差が拡大しているということ。この格差が大きく、また固定化が問題であって、なおかつ地方の疲弊に繋がっているという危機感を少し入れておいた方がよろしいんじゃないでしょうか。
次に、個別具体的な問題ですが、地域の繋がり、人との繋がりが希薄化しているということも現在の問題ですので、その点についても触れていただきたいです。確か、別の白書でも出ていると思いますが、地域の絆がなくなって、教育や防犯などいろいろなところで問題になっていますので、それを再構築する必要があるという視点がどこかで必要ではないでしょうか。それは当然、男女共同参画にも繋がるということだと思います。
それから、3の第2パラグラフですけれども、「意欲と能力のある女性が十分には活躍ができていない状況がある」ということで、その背景として、「女性が身につけた能力を実践的に活用し、さらに伸ばすような活躍の場が地域において乏しい」とあります。それもそうかもしれませんが、「活躍の場があっても、女性には事実上閉ざされている」という趣旨を書いていただきたい。場があっても男の人が独占しているのが現実ですから、ポジティブ・アクションの積極的改善措置を入れていただきたいです。5ページの「(3)地域の実情の考慮」というところです。要するに、女性の力をもっと使いましょうと言うことを、4ページの「3 留意点」の(1)か(3)の中のどこかに入れていただきたいのです。「2020年までに30%という目標があることも踏まえ」ぐらいで、意思決定過程への女性の参画が地域において、いろいろな場において要請されていることを書いておかないと、自治会やいろいろなNPOの上の位置に女性はいけないような気がするんです。男性独占になってしまう気がするんです。特に防犯とか、ちょっと堅いものでは地域産業の振興ということでは。
戻りまして、3ページの4です。推進体制の現状で、センター等の問題に入れてしまっていいと思うのですが、第4パラグラフぐらいに入れるといいと思いますが、「短期的で定量的な成果を求められる場合が多い」というところに、「事業や施設、組織の存続すらも危ぶまれる事例も見受けられる」と入れてほしいんです。何を言っているのかはおわかりだと思いますが、短絡的に潰そうという動きが今あることに対して、やはり一言言いたいというのがここです。
4ページに移りますが、今、伊藤先生がおっしゃったのと同じで、括弧書きで結構ですが、ここでダイバーシティを入れていただきたいと思います。エンパワーメントが(2)に入っているのであれば、括弧書きでダイバーシティは構わないんじゃないか。そうすると、経済界の方もピタッとくるのかなという気がします。
それから、地域のキーワードでどんな言葉が考えられるかですが、今、繋がり・絆が薄くなっているということを申し上げたわけですが、結局それは互助(助け合い)、防犯、教育機能、仲裁機能、このようなことが地域に求められるものだと思っております。互助、防犯、教育、仲裁、すべて地域力が低下することによって、地域がバラバラになることによって、弱くなってしまったものではないか。そういうものがどこかに入っていればいいなと思っているのですが。助け合いの精神です。特にワーク・ライフ・バランスでは、地域の互助精神の発揮、それがNPOの形になっても他のどんな形でもいいですけれども、これが必須ではないか。そして、DVや暴力に関してもそうではないか。
そして、10ページのIVの頭のところ、地方公共団体の役割のところで、先ほど申し上げた条例と基本計画の制定の進み具合を別表で入れていただいて、宣言都市についても、ここは宣言都市になりましたと、推奨すべきこととして一覧表でつけていただきたいと思います。
それから小さな話ですが、男女共同参画の場合は「区」も入ると思いますので、10ページの2つ目の鉤括弧は「市区町村」ではないかということ。
個別事例については、「自分たちの事例も入れてくれ」という話がきたときにどうするんだろうと思いました。
それから、16ページです。後ろにも同じ問題が出てくるのですが、センターの問題で指定管理者制度の話が入っていますが、もう1つは、非常勤職員の比率の増加にきちんと目を向けて、しかも、不安定かつ低賃金の労働条件であることに対して労働問題が発生しているということを言っておかないと、私たちのことがわかっていないんじゃないかということになる。これはどこかに入っていますか。 - 伊藤委員
- 後ろに「非常勤職員の比率の増加」と書いてあります。
- 住田委員
-
増加したと書いてあるだけでは、問題意識が不十分ではないか。なぜ比率が増加すると問題なのかということは、やはり労働問題が現に発生しているわけですから、そういうことについてきちんと書かないとわかっていないんじゃないかと言われる気がしますので、「比率の増加」だけでは足りないと私は思いました。そうすると、18ページに書くのか、今のところになるのかはわからないですけれども、男女共同参画センターのところの第4パラグラフあたりの指定管理者制度のところにも入るのかと思うのですが。
非常勤には非常勤のよさがあり、優秀な人が各地のセンターに行って、それぞれの専門知識をあちらこちらに普及するときにはいいので、非常勤が必ずしも悪いとは思わないのですが、やはりそのときには、非常勤の場合は年俸制にするとか、それに見合った処遇をきちんとすべきだと思っています。それで、正規職員としても、年限が限られているなら、場合によっては正規職員じゃなく単なる契約職員、有期雇用になってしまうと思うので、労働問題の観点からいくと、この書き方だけで済むのかどうかというのは私自身は何とも言えないところです。
以上です。 - 袖井会長
- どうもありがとうございます。たくさん御指摘いただいて、ありがとうございました。確かにいろいろ問題点があるという気がするのですが。他にどなたか。
- 室伏委員
-
5ページの4から7ページまでを読んで感じたことですが、私たちが、特に女性研究者がなぜ仕事を続けられないかという調査をしますと、一番大きな問題として上がってくるのがやはり出産と育児です。出産・育児に関して、産科や小児科といった医療の充実が非常に重要だと思いますので、そのことを書き込んでいただけると良いのではないかと思います。
育児や医療・介護は、例えば2ページの2の第2パラグラフにも出てきますね。医療・介護に関しては、先ほど申し上げましたIIIの4にいくつか出てくるのですけれども、その中に、もう少し子育てをする、あるいは出産するといった観点から、産科や婦人科、特に小児科ですが、それが育児においては非常に大きな問題になっておりますので、医療体制の確立・充実といったことを書き込んでいただきたいと思います。
また同じ観点から、10ページ目の「地方公共団体内の連携・協働」というところで、3行目に「人権、福祉、教育、労働、環境、防災等」とありますが、例えば「教育」の後に医療も書き込んでいただくとか、医療面に関する配慮をもう少ししていただけると、実際に女性が仕事を続けるという意味ではかなり役に立つだろうと思います。 - 袖井会長
- どうもありがとうございます。他にはよろしいでしょうか。
- 伊藤委員
-
今の言葉に続いて一言。4ページの末から5ページのワーク・ライフ・バランスのところです。(2)ですが、「企業への働きかけ」という言葉が入った方がいいんじゃないか。後の方では書いているのですけれども、やはり個人の決意ではどうにもならない課題ですので、例えば、行政が間に入る形で労働組合と行政と経営者団体が何か提携を結ぶような動きもありますし、それは事例で入れてもいいかもしれませんけれども、企業への働きかけというのが1つあってもいいんじゃないかと思います。
それと、事例の話です。IVの地方自治体のところで、これは入れにくいのかもしれませんが、評価問題です。私は大阪府の審議会に入っているのですが、大阪府は今、男女共同参画施策の検証評価システムというものをつくり始めております。それは各課に幾つかポイント、視点を提示して、それを各課に点検してもらう。その点検したものを男女共同参画課が評価して、さらにそれを審議会で評価するという、1次評価、2次評価、3次評価型の仕組みです。まさにジェンダー・メインストリーミングで行政内部での評価システムのようなものをつくり始めているので、例えばそういう事例をお示しいただくのも面白いかなと思います。各自治体の男女共同参画課は、今までは連絡調整役が中心だったわけですけれども、そこに評価を加える。そこに審議会が入ることで、例えば問題があるところは審議会に来ていただいて、ヒアリングを受けるような仕組みも可能かなと思います。こうした行政内部での男女共同参画の仕組みについても、事例を含めてもう少し書き込めるかなと思います。同じように、兵庫県の「アクション8」でしたか、庁内での男女共同参画推進のプランをつくって動き始めているというのがあります。これは報告があったと思いますけれども、そういう地方自治体の内部での具体的な動きもちょっと事例を含めて紹介していただくとありがたいと思います。 - 袖井会長
- ありがとうございます。ただ、事例はどんどん増えていってしまいますから、それをちょっと心配しているんです。
- 伊藤委員
- この事例が今回の報告書にふさわしいかどうか。ちょっと流れが違うかなという印象もあるので入れにくいかもしれませんね。地方自治体に、こうした動きがあるということを何かの形で御報告できればと思って申し上げました。
- 袖井会長
- 例えば事例として挙げずに、文中にそういうことを書き込むことも可能ですね。他にどなたかありますでしょうか。
- 平野委員
-
ずいぶん書き込んでよくできていると思うのですけれども、やはり表現で、直すべきだと思うところがおそらく十数ヶ所ございます。それはまた後で申し上げたいと思っております。
例えば、これは考え方ですけれども、冒頭から「『地域』は、家族とともに、人々にとって最も身近な暮らしの場である」と書いてある。わからないことはないんです。これは、家庭ではなく家族も暮らしの場だと考えるということでございましょうね。その辺のところはまずどうかなと。それに続いて、「こうした地域における取組は」とあります。こうした地域におけるどういう取組だということが、まず冒頭から何もわからない。それから、さっき伊藤先生がおっしゃった課題にしても、第3パラグラフで「男女共同参画の推進は、地域にとっても重要な課題である」と、ここにも「課題」が出てきますね。そうすると、その後に出てくる「こうした課題」の中に、第3パラグラフの冒頭にある「課題」が入るのかどうかということなど、表現がわからない。
あるいは、1ページのIIの1の冒頭、「男女共同参画の実現の大きな障害の一つ」とは、わかったような、わからないような日本語ですね。そういう点で言いますと、私にはどうかなと思うところがいろいろございます。
ついでにもう2、3点申し上げておきますと、例えば、2ページの2の最後の方に「地域の課題の解決や地域の活性化が進展する効果がある」とございます。この「地域の課題」というのは、地域に住む人々が抱える課題も入るのか入らないのかがよくわからない。それから、3の初めに、「その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現に当たっては、男女共同参画の意義について、男性を含むあらゆる性別」とありますが、これは何ですか。全くわからないですね。それから3行後に、「加えて、男女共同参画社会の形成に向け、次代の取組を中心となって」、これも日本語としては全然わからない。言おうとすることはわかるんですが、表現がよくわからないところが他にも多々ございます。後で、もう少し文章が固まった段階で申し上げたい。
例えば、4ページの「女性のエンパワーメント」の、「このような実践的な活動を展開することが、まさにエンパワーメントの過程となる」というところも、私にはわからなくはないのですけれども、これを一般の方に示すとすると、こんな日本語ってあるのかなと思ったりします。表現については、私がチェックしただけでも他にずいぶんございますので、事務局においても十分に御検討いただきたいと思います。
もう1つは、これはできない相談を局長に申し上げるのですけれども、地域でこういうことをやってほしいといろいろ書いてあります。では国は何するのかといいますと、17ページの「国等」のところに、「男女共同参画を推進するための支援」として「具体的には」と書いてありますね。できないことを承知で言いますが、男女共同参画のための予算が削られるとか、センターがなくなるとかいうことについて、国から「もう少し考えてもらいたい」という働きかけができないのかと私は思うんです。報告書に書くのはあるいは難しいのかもしれない。なぜならば、男女共同参画局の所掌範囲といいますか、守備範囲の問題がございますから。しかし、国はただ支援するだけで、地方が予算や組織を縮小することについて漫然と手をこまねいているように見られるのはちょっとまずいのではないか。だから、そこを何らかの形で報告書に書いて、どういうふうにするかはわかりませんが、1つのやり方として、例えば、この報告書を送付するときに、「専門調査会でもこういうことがあって、ぜひもう少し力を貸してほしいから、特に頼む」と、送付状の頭書きに書くだけでもいい。とにかく、地方では財政的に苦しい中で組織や予算を削られている。そのことについて、「もう少し力を貸してよ、理解をしてよ」ということを働きかけるようなことを、例えば報告書の中に書けないか。難しいですが、そこまでやらないと。「地方が苦しくなっているから、苦しい中でもこうやっていってよ」と言うのはいいけれども、その苦しさの中でも、地方の活動の重要性を認識してほしいということを改めてこの報告書に書いていただけないか、というのが私の希望です。
細かい言い方については、まだ幾つかございます。、10ページの「地方公共団体内の連携・協働」のところに、「人権、福祉、教育、労働、環境、防災等」とあります。それから、先ほど医療もどうかというお話がございましたけれども。ここも、例えば「等を所管する関係部局」と書かないと全然わかりませんよね。そういうことで、字句については相当あると思いますので、十分精査していただきたい。ただ、私が先ほどお願いした点は、報告書に書き込むのは難しいのかなというふうには思っております。 - 板東局長
-
いろいろ御指摘ありがとうございます。文章の点につきましては、大変急いでこれをつくってしまいましたために、精査できていないところが多かったということで、これから十分練らせていただきたいと思っております。
それから、御指摘のように、国の部分の内容が薄いとは正直思っているところでございます。ここでの御意見を踏まえながら少し充実させたいと思っております。この報告書を世に出すこと自体が働きかけの1つのツールだと思っておりますけれども、ここのところは確かに表現も弱いし、柱も非常に限られているということで、御指摘の点も踏まえまして、また叙述を考えさせていただきたいと思います。 - 平野委員
- この専門調査会でも、そういうことについて何とかならないかという意見があったと私は思っておりますので、やはりそこに触れる必要があるのではないかと思います。
- 板東局長
- はい。
- 鹿嶋委員
- 今の話は結構難しい問題だと思いますので、少し慎重に考えた方がいいんじゃないかと思います。
- 平野委員
- 私は、鹿嶋先生や先ほどの局長のお話に反対する気は全然ありません。 ただ、やはり、当委員会でそういうことも話題になったと思っておりますので、今回の報告書でそのことに全然触れないのはやはりまずいんじゃないかと思うんです。地方が非常に苦労しているということを一生懸命書いている中で、国としても何らかの支援といいますか、現実的に財政支援はできませんし、地方の独立性がありますから難しいですけれども、「是非もう一度、意義を考えてくださいよ」というぐらいのことは書けるんじゃないか、というのが私の希望です。後でまた局長の方でもお考えいただけると思いますけれども。 地方がそういうふうにだんだん縮小してきている。何も男女共同参画だけじゃないんですよね。あらゆることが、財政が厳しくて、医療も教育もどんどん縮小してしまっていることは事実でございますけれども、そういう中でもこの問題の重要性を改めて認識して、さらに頑張っていただきたいという激励の文章ぐらいは書けるんじゃないかと私は思っております。以上でございます。
- 渡辺委員
-
地方の話になりましたので、私からもお願いをしたいと思います。
なぜ地域かということ。この基本問題専門調査会ではずっと長い経過があって、今回は地域に絞ったのかもしれませんが、その前後関係がわかりにくいので、男女共同参画社会の実現をめざす中でどこに焦点を絞って地域としていくのかという、今回の調査会のまとめの位置づけを、後ほど事務局から教えていただきたいと思いながら今日この会に臨みました。
なぜかといいますと、地域として、まさに市民に一番身近な地方が頑張るということは、先ほど「地方分権についてコメントを」という意見がありましたが、地方分権とはいいながら税財源委譲が伴っていない中で、地域の問題に対して、それから指定管理者制度などもそうですけれども、知恵を出して、限られた税を生かしながらどうやって市民の暮らしを豊かにしていくかということが課題です。そのときに、今、平野委員からおっしゃっていただきましたように、やはり「国等」の最後のところが非常に弱い。子育て、教育、医療、ワーク・ライフ・バランス、これは自治体がどんなに頑張ろうとしても、社会経済システムそのものの枠組みはやはり国が制度設計するところが大きいわけであって、その中で自治体がそれぞれ努力するという構図だと思っています。社会経済のダイナミックな動きなども含めて、国あるいは経済界、労働界などで、社会の資源がそれぞれ頑張るというところがあろうかと思いますので、平野先生が今御指摘の「国等」のところの書き込みをお願いしたいと存じます。 - 袖井会長
- ありがとうございました。
- 河野委員
- 今のことでなくてもよろしいですか。
- 袖井会長
- 結構です。
- 河野委員
-
各論も含めて感想を述べさせていただきます。
まず全体の構成です。現状と課題の次に今後の方向性があるのはいいのですが、今後の方向性の「3 留意点」という言葉がちょっと気になります。私が行政の現場に慣れていないだけなのかもしれませんが、その中身が、ポイントのような方向性を示す形になっているため、マイナスのイメージになってしまっています。この「留意点」というサブタイトルがいいのかどうかと思いました。IIIのボリュームが大きいので、2つに分けてもいいのかなと感じました。
それと関係して、パワーポイントの図の第一ステージ、第二ステージです。今回の報告書を誰に向けて出すのか、誰が見るのか、それをどう活用していただくかということに大きく関係すると思いますが、期待するのは第二ステージがどうなるのかということです。このパワーポイントの図では、第二ステージの部分を皆さんが注力して見るところではないかと思います。中身は今までの取りまとめでずいぶん膨らんでいるので、さっき国の話も出ていたのですけれども、今後のところをもう少しボリュームを増やすといいますか、内容を精査して発信していった方がいいような気がいたしました。
あとは各論ですけれども、17ページの「国等」のところです。先ほど諸先生方がおっしゃったのと全く同じで、国のところをもう少し検討する方がいいだろうということはもちろんですが、国立女性教育会館がポンとここに出てきていまして、この意味ですね。最後の文章が「期待されている」とまとめられていますので、ちょっと違和感があるといいますか、どういう位置づけでこのように出されているのか。これには何か意味があるかと思いますので、お伺いできればありがたいです。本来であれば、これから求められるということですので、どういうことが求められるのかという具体例が示されてもいいように感じました。
最後の1つですけれども、ワーク・ライフ・バランスが記載されている4ページです。これはイメージですが、この文章を拝見していると、ワーク・ライフ・バランスに配慮するために、誰もがワーク・ライフ・バランスがとれるように託児所を設けたりするという例になっています。間違いではないのですが、これだけ短い文章の中でそれだけを書くのはちょっとどうかと思いました。一国民として見ますと、ずっと家庭の中にいて、これから社会に参画しようとする一女性は、できれば自分のことをわかってもらって、パートナーにも生活面を手伝ってもらいたいという意識の部分や、もっと地道なところで、自分はワークの方に出て行きたいと思ってワーク・ライフ・バランスを考えているとか、これを企業に勤めている人が見るのか、誰が見るのかということもあると思いますけれども、託児所を設けるというようなメッセージのみではないと思うんです。ですから、ここのところは、誰向けに、ワークなのかライフなのか、どちらをサポートしようとしてこのように書かれているのか、そのあたりも意識して、ずっと専業主婦でいた方にいきなり託児所ということよりも、もうワンステップあってもいいのかなと感じました。ここはちょっと精査していただけるとありがたいです。
以上です。 - 袖井会長
- 事務局の方から何かありますか。
- 塚崎推進課長
-
「国等」で国立女性教育会館が出ている理由ですけれども。初めは、男女共同参画センター等という部分に国立行政教育会館を入れていたのですが、センターではありませんので、必ずしも男女共同参画センター等の中に位置づけるのは適当ではないということで、「国等」の「等」で独立行政法人も読むということでここに書いております。
「期待されている」という語尾ですけれども、国とは別の主体ということで、非常に強い期待感を込めて「期待されている」という書き方になっているということです。もう少し強く書いた方がいいのかもしれませんけれども、そういう趣旨でございます。 - 平野委員
-
そうだとしましても、この文章の中にいきなり「国立女性教育会館」というのはおかしいですよね。文章とすれば、「また」ぐらいで結べばいいわけで、いきなりここへ出てくるのはなぜかということです。ささいなことですが。文章としてはそういう点がいくつかあります。
それからもう1つ、他にも出てくるのですが、1ページに「配偶者・恋人からの暴力」とございますね。恋人からもあるということはわかりますし、確かにそういうお話があったことは覚えておりますけれども、後の方を見ますと「配偶者からの暴力」としか書いてありませんよね。こういうときは配偶者からの暴力だけを挙げて、あえて「恋人からの」というのは入れなくてもいいんじゃないですか。後に出てくるのは「配偶者の暴力」だけですから。「恋人からの暴力はどうするの」と言われたら、書いてありませんということになります。おっしゃった委員の方の意図はわかっていますけれども。 - 住田委員
-
伊藤委員がおっしゃった評価の問題ですけれども、11ページの効率的な事業運営の部分に関わってくると思いますので、ここのところは一回しっかりと書いておいた方がいいかなと思います。それが国の姿勢を示すものであるとすれば、なおさらです。効率的な事業運営は当然必要だと思いますから、それは書くべきだと思うのですが、評価をどのようにするかということになると、男女共同参画に関して言えば、全ての分野に渉るのですが、効果が即時にかつ数字という形で目に見えにくく、なかなか表れにくい。定性的なものはわりあい言いやすいのですが、定量的なものは非常に言いにくいだろうと思います。ですから、そういうものだということをある程度書いたうえで、このような工夫をしてできるだけ可視化を図っている、情報公開としての透明性を図っているという形で、これでいいんだというようにしていただいた方が、地方は楽になるんじゃないか。そんな気がします。
なぜ民間にいかないかということについてですが。民間、それから非営利でもNPOでもいいですが、ある程度収益がある、事業化できる可能性があれば、みんな飛びついてくるのです。しかし、男女共同参画に関して言えば、残念ながら、そういう意味では事業化できる形にならない。どうしても官がやらざるを得ない部分があるということです。逆に言えば、そういう意味で経済的な評価に結びつかないものであることをある程度前提にしなければならない。「潰せ、潰せ」という話ばかりが強くなるのを、私は非常に懸念いたしております。 - 伊藤委員
- 住田委員の意見には大賛成です。同時に、今までの基本問題専門調査会の出した答申には、最後にスローガン的なものがありました。つまり、ある程度全体を集約するような言葉が必要じゃないかと思うんです。そのときに、これは先ほど住田委員がおっしゃったこととも絡みますが、男女共同参画を進めることによって地域の活性化が可能になり、防災を含む安心・安全の体制ができ、地域と家庭における人と人との絆やつながりが強化されていくのだというコンセプトをかなりはっきり出すことが大切です。コンセプトに従いながら書いていくということと、それに対応するようなキーワードが必要じゃないかという気がします。いかがでしょうか。
- 山田委員
- 今のキーワード、コンセプトとも絡むのですけれども。そのコンセプトは1ページに書いてあるようなことでいいと思うのですが、問題は、説得する際の根拠がどうなっているか、そこが弱いという気がするんです。今日は御欠席ですが、阿部委員も「データに基づくものが必要ではないか」とよくおっしゃっていますけれども、それは私も思っております。例えば経済界において男女共同参画が結構進んだのは、経済産業省や、他の研究会でもありましたけれども、女性が活躍する企業ほど業績が良くなっているというデータがいろいろなところで出たことが大きいと思います。さらに少子化対策におきましても、「男女共同参画社会の実現をめざして」というパンフレットの37ページにあるように、都道府県別に見て女性労働力が高い県ほど出生率が高いというデータがあるとやはり説得力があると思います。事例ではたくさん出ていると思いますので、それは1つの根拠になるのですけれども、やはり何かそういうデータがあれば。なかなか探すのは難しいと思いますが、女性議員数が多い地域ほど1人当たりGDPの伸び率が高いとか、そういうデータがあればいいんですけれども。官庁というのはよいデータを見つけてくるのがうまいところだと思っています。以前も、1人当たり寄付金額が高い都道府県ほど犯罪率が低いというデータをある審議会で見つけてきたところがありますので、女性が活躍しているところほど犯罪率が低いというようなデータかあれば本当はいいと思うのですが。そういうデータが1つ2つあれば説得率が上がると思います。
- 袖井会長
- それは山田さんのお仕事でもありますね。
- 住田委員
- そうしますと国際比較で、女性の経済的分野への進出が日本は非常に低いということとリンクすると思います。国際比較でそうだけれども、国内でもそうであるというようなことを。
- 山田委員
- そうですね。国際比較ではよくあるので。
- 住田委員
- それを使ってしまっていいんじゃないかと思います。
- 山田委員
- それが都道府県別であると非常にありがたいし、もちろん市区町村でもあればいい。
- 住田委員
- 地域の豊かさ、車の保有率や持家比率などは、女性が働いている日本海側の県が多いとか、そういうものも1つ理由になるという感じがします。
- 山田委員
- そういうものが1つ2つ付表に入っていると、このように地域が活性化しますよという根拠になって広げやすいんじゃないかという気がします。もちろん、女性労働力が高いほど特殊出生率が高いというのはよく使われているし、私もよく使っているところですが、そういうものがあればいいかなと思いました。
- 住田委員
- ただ、福井県のように三世代同居の多いところは、子どもの数が多くてそれなりに豊かであるということで、逆手に使われる場合もあるんです。お嫁さんが働くのは当たり前で、家事もやるのであって、結局、固定的な役割分担意識は別のところで働いている。だから日本は三世代同居の「サザエさん一家」が幸せなんだということを、別のところに言われる可能性もあるんですね。ですから、今ある数字で、そのまま使えるほどいいものは実際はないのかなという感じもしましたね。
- 伊藤委員
- 最近出された厚労省のデータがありましたね。男性の育児参加率が高いほど子どもが生まれているとか。ああいうデータは使えるかもしれないと思います。
- 住田委員
- 2人目を生むためには家事参加率が高い方がいいというものですね。でも逆に、子どもが生まれても、あまり増えていませんという数字の方が出てしまうんですよね。
- 山田委員
- 探せば何か出てくるんじゃないかという気がいたします。
- 住田委員
- 要するに研究していないだけですよね。探せばあると思いますけれども、たぶん、そんなことをやっても無意味だと思う方が多いんじゃないですか。
- 鹿嶋委員
-
山田委員の意見はよくわかるんです。今日は足を引っ張るようなことばかり言って申しわけないですけれども。ただ、ワーク・ライフ・バランスは将来へ向けた投資だと今年はっきりうたっていますので、さっき住田委員がおっしゃったようなことはこの報告書の中にちょっと入れておくべきだと思っていますが、男女共同参画は、この9年間の地方でのうねりを見ていくと、むしろ縮小しているわけですよね。二、三そういうデータを出して男女共同参画社会の形成に夢を与えることも必要だと思いますけれども、この報告書の基本的な趣旨は、むしろ、縮小している地方での男女共同参画をどのようにして突破していくのかという方法論をかなり具体化して示すことだと思います。その中で、このような夢もありますよということももちろん必要ですけれども、方法論の方にかなりウエイトがかかってこざるを得ないのかなという感じはしているんです。
地方自治体はどこも財政難の問題を抱えていて、1つのターゲットになっているのは男女共同参画行政であるわけです。それをどのように盛り返していけばいいのかということで、総合論をこの中に盛り込んでいくという視点にしますと、今まで我々が使ってきたようなデータを集めて夢を持たせるのは結構ですけれども、それではちょっと甘いのかなという感じがしないでもない。私は山田委員のおっしゃったことを批判しているわけではないんですけれども、こういう状況をどうはね返すのかということを少し丁寧に書き込めばいいわけで、その中にそういうデータを少し入れるのもいいのかなという感じがするのですが。 - 山田委員
- 意味はよくわかります。非常に厳しい状況なので。
- 板東局長
-
確かに、山田委員のおっしゃることも非常によくわかります。男女共同参画のための男女共同参画の推進のような報告書になってしまうと、おそらくあまりインパクトがないだろうということがあります。やはり社会が変わる、地域が変わるということをいかに実感していただけるものが含まれているかということも1つポイントかなと思います。けれども、現実にはなかなかデータ的なものがないということがあります。
白書でも地域における問題を取り上げたいと思っていますけれども、個別の事例は取り上げられても、地域全体をいろいろな指標に基づいて語るのが非常に難しいということを実感しております。いいアイデアがありましたら教えていただければありがたいと思っております。いろいろな指標が落ち込んでしまっている地域ほど、今、男女共同参画に一生懸命取り組もうとしているということもありますので、それらがなかなか一致しないところが悩みの種でございます。 - 加藤委員
-
昨年の50回目の国民生活白書が、「つながり」をキーワードにしてまとめられていたと思いまです。そこでも触れられていたと思いますし、私は、この間、ロバート・パットナムの『孤独なボウリング~米国コミュニティの崩壊と再生』を読んでいましたときに、ロバート・パットナムは、アメリカにおける地域社会のつながりが切れていくことによって生まれてきた防犯上の問題等いろいろなことを分析して書いていたように思います。日本社会の中にもつながり合いたくないという傾向はあるだろうと思うんですけれども、やはり安心して暮らす上で、つながりの大事さはきちんと書いておいた方がいいと思うんです。
それから、スペースの問題もあるので難しいかなとは思うのですけれども、この事例はこういう広がり、深まりがあるだろう、こういうところを見てほしいというような、 何かポイントがないと理解いただくのは難しいと思います。
例えば、6ページの福島県桑折町の事例や、17ページに出てくる埼玉県大利根町の事例にしましても、男女共同参画の視点をもって多様な主体が関わり合うことによって地域社会全体が活性化していくということ、さらに、そういう主体が絡み合うことによって、食の問題を考えたり、環境の問題を考えたり、防災・防犯のことを考えたり、地域経済のことを考えたり、そういう深まり・広がりがあるわけです。そういうことを今の3行、4行の説明から読み取るのは難しいという気がいたします。また、桑折町では、町会議員に女性が1名だったところに昨年初めて2名が加わった。それから大利根町では、23日の日曜日に戦後初めて女性町長が誕生なさって、前回の投票率が60何%だったのが今回は73%だったという話もございます。男女共同参画の視点でまちづくりを考えていくとこういうことがあるんですよということをもう少し具体的に明記されると、この事例を載せる意味があるのかなと思います。それから、いろいろなテーマで多様な主体がいろいろな活動をしているというお話に関連してですけれども。例えば今、餃子や食品偽装に関連して、福田政権では消費者・生活者の視点を重視して、新しい消費者行政のあり方を見直していくということです。行政のあり方を見直す、法律や条例を見直す、新しいものをつくっていくということと並行して大事なことは、地産地消や、郷土料理・伝統料理、国内の需給率はどうなのかというところへの目配り、具体的な活動が車の両輪としてないと、持続可能な社会を形成していくことの一端を確立していくことは難しいので、そういうところで女性の活躍、男女が共にそういう視点を持って地域づくりをしていくことの大事さのようなことが、事例にプラスして書き込んでいけると、もっといいかなと思います。
それと、男女共同参画を進めることによって、地域経済にどういう好影響があるのかというような事例をもう少し拾い集めて紹介することも大事ではないかと思いました。
以上です。 - 伊藤委員
- 関連で一言。前にヒアリングで観光のお話をしていただいたと思います。事例の提供の仕方はいろいろあると思いますけれども、観光とか、まちおこしとか、そういう好事例をもう少し拾い上げてもいいんじゃないか。環境もそうですけれども、今回の基本計画で提示された新しい課題、防災についてはかなり触れられていますけれども、やはり環境、まちおこし、観光などの活性化につながるような、生活に根ざした日本の社会の再生のようなイメージが男女共同参画でつくれるんだという、そういうメッセージがもう少し強調されてもいいんじゃないかと思いました。
- 塚崎推進課長
- 先ほどの事例の関係ですけれども。この間もお話し申し上げたのですが、今年の白書で地域の事例を取り上げることになっておりまして、今の段階でできるだけ拾い上げたいとは思っているのですけれども、中間取りまとめの段階よりも、最終段階でかなり増やしていきたいと思っています。
- 袖井会長
-
別のことですが。本文の内容をまとめた図は、最後の到達点の部分がこれでいいのかなという気もします。男女共同参画社会の実現がこの内容だけでは、ずいぶん貧弱だと思いますので、もうすこし書き加える必要があると思います。
他に何かありますでしょうか。
まだまだいろいろありそうですが、今日出なかったような問題、あるいはお考えになっていることにつきましては、文書でいただきたいと思います。平野委員は文章について御意見がたくさんあるということですので、是非文書で出していただければと思います。 - 平野委員
- 好みも入ってしまいますけれども。
- 袖井会長
-
確かに、主語や述語がはっきりしないところや、例示の仕方が統一していないところなどいろいろ問題がありますので、ぜひその辺もよろしくお願いします。
何か御意見がありますでしょうか。もし何かあるようでしたら、後日文書でいただきたいと思います。
今日はいろいろな問題が出てきてなかなか難しいと思うのですが、1つは、やはり地方の男女共同参画センターが直面している問題です。財政難だけではなく、バッシングとかいろいろな問題もあります。そういう閉塞感といいますか、追い詰められているような状況を打破する、あるいは応援できるような報告書にしたいと思います。その辺はどのように書けばいいのか。先ほど住田委員から、あえて出さないという御意見もありました。「女性も男性も」とか、その辺の表現もかなり気をつけなければいけないと思うのですが、やはり国からの支援がかなり重要ですので、力づけるようなトーンで書いていきたいと思っております。
それから、住田委員から出た地方分権ですが、これもなかなか難しい点です。地方分権を徹底した場合に、では国は地方にお任せでいいのかという問題になりますので、やはり国の責務というか、国の責任もきちんと書かなければならないと思います。
全体の構成も、今日皆さんの御意見をお伺いして、もう少し手を入れた方がいいと思います。特に、最後が何か締まりがないという感じがしますね。ここのところはどういう表現がいいのか、皆さんのお知恵を拝借して、いいアイデアがあったら事務局にお伝えいただきたいのですが、やはり最終的にどういう社会を目指すのか、どういう着地点を目指すのかということを書かなければ、何となく今までの既存のことをなぞっているだけのようなイメージにもなりますので、それについて短期的視野と長期的視野の両方を入れたものが必要かと考えます。
それから、皆さんからもいろいろ意見が出ていまして、私自身もそう思いますが、地域に関するデータは非常に少ないですよね。いろいろな会合や研究者などの集まりでも、最近は「地域」というのが流行りで、「地域の福祉力」とか「地域の教育力」とか「地域のネットワークづくり」とか、お題目的にはたくさん出てくるのですが、それを客観的に評価するデータが非常に乏しい。ですから、そういうことにも触れておいてもいいのかなと思います。男女共同参画センターを評価する方法ですが、地域力や地域の絆などについてのデータが足りないということにも、触れておいた方がいいと思います。
それからもう1つ、これも何人かの委員から意見が出ましたけれども、「202030」、2020年までに指導的地位の女性を30%にということについては、もう少し意識的に書いて、なぜこういうものを出すのかというところを強調する方がいいでしょう。例えば、日本のジェンダー・エンバワーメント指数が低いのは議員が少ないからです。あれは国会議員ですけれども、地方議員や首長さんの女性比率などもデータに入れる。それから、地域のいろいろな団体の長や役員、女性が少ない農協や漁協など、も含めて、あらゆる分野における指導的な地位にある女性を30%にするということ。企業などではかなり取組が進んでいますけれども、地域においても、その目標を達成するということです。そこで男女共同参画センターがどれだけ助力できるのかということにも触れておいた方がいいと思います。
今日、皆様からいろいろ御意見をいただきましたし、文章的にもまだまだ問題がありますので、また何か御意見がありましたら後ほど文書で事務局までお送りいただきたいと思います。これは3月末日までにお願いします。
では、報告書の中間整理案についての協議は、これで終わりにしたいと思います。この中間整理案につきましては、委員の方々からいただきました御意見を反映させたものをお送りして、もう一度御確認いただいた後、パブリックコメントを実施したいと思います。
それでは、最後に事務局から連絡事項がありましたら、よろしくお願いします。 - 塚崎推進課長
-
事務局から一言申し上げます。
この中間整理案でございますけれども、本日御意見をいただけなかった点がございましたら、3月31日までに文書でお送りいただきますようお願いいたします。書式は自由でございます。郵送、ファックス、メール、いずれでも結構でございます。本日御欠席されました委員の皆様にも、同様に文書で御意見をお伺いしたいと考えているところでございます。それらの御意見を踏まえまして再整理したものをもう一度委員の皆様方にお送りしまして、確認をしていただいてからパブリックコメントにかけたいと思っております。
これからの開催予定でございますけれども、4月はパブリックコメントの実施期間になりますので、お休みをさせていただきまして、5月26日、月曜日の15時から、この建物の3階の特別会議室で開催させていただく予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 - 袖井会長
-
それでは、これで基本問題専門調査会第38回会合を終わりにいたします。
本日は、どうもありがとうございました。
(以上)