男女共同参画会議基本問題専門調査会

  • 日時: 平成17年10月21日(金) 10:30~11:30
  • 場所: 官邸4階大会議室

(開催要旨)

  • 出席者
    会長
    岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
    委員
    伊藤 公雄 京都大学大学院文学研究科教授
    大橋 光博 西京銀行頭取
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
    久保 公子 財団法人市川房枝記念会事務局長
    河野 真理子 株式会社キャリアネットワーク代表取締役会長
    五條 満義 東京農業大学助教授
    坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
    桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会事業本部長
    住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
    辻村 みよ子 東北大学大学院教授
    寺尾 美子 東京大学教授
    平野 治生 財団法人日本広報センター理事長
    室伏 きみ子 お茶の水女子大学教授
    八代 尚宏 国際基督教大学教授

(議事次第)

  1. 開会
  2. 委員あいさつ
  3. 運営規則について
  4. 当面の検討事項及び進め方について
  5. 自由討議
  6. 閉会

(配布資料)

資料1
男女共同参画社会基本法(抄)
資料2
男女共同参画会議令
資料3
基本問題専門調査会委員名簿 [PDF形式:12KB] 別ウインドウで開きます
資料4
基本問題専門調査会運営規則
資料5
当面の検討事項及び進め方(案) [PDF形式:15KB] 別ウインドウで開きます
資料6
女性のチャレンジ支援策について(平成15年6月20日男女共同参画推進本部決定) [PDF形式:14KB] 別ウインドウで開きます
資料7
男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向について(平成17年7月25日男女共同参画会議答申)  [PDF形式:1050KB] 別ウインドウで開きます
資料8
女性のチャレンジ支援に関する評価方法調査について [PDF形式:15KB] 別ウインドウで開きます
資料9
国の審議会等における女性委員の登用の促進について(平成12年8月15日男女共同参画推進本部決定) [PDF形式:12KB] 別ウインドウで開きます
資料10
国の審議会等における女性の参画状況調べ [PDF形式:173KB] 別ウインドウで開きます
資料11
女性の再チャレンジ支援策検討会議の設置について(平成17年7月25日男女共同参画推進本部長決定) [PDF形式:14KB] 別ウインドウで開きます
資料12
女性の再チャレンジ支援策について [PDF形式:253KB] 別ウインドウで開きます
名取局長
それでは、ただいまから「基本問題専門調査会」の第24回会合を開催いたします。私はこの専門調査会及び男女共同参画会議の事務をしております内閣府男女共同参画局の名取でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様方におかれましては、本日お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。この基本問題専門調査会は男女共同参画の基本的な考え方に関わるものや、基本的な考え方に関わりが深く、国民の関心も高い個別の重要課題について調査検討を行うために設置された専門調査会です。会長には細田内閣官房長官より岩男委員が指名されております。それでは、以後の議事の進行は岩男会長にお願いしたいと思います。なお、官房長官は国会開会の御公務のために後ほどお越しになる予定でございます。それでは、岩男会長よろしくお願いいたします。
岩男会長
皆様おはようございます。このたび委員の改選がございまして、19名中11名新しい、大変フレッシュな有能な委員に加わりいただき、基本問題専門調査会が若返ったわけでございますけれども、改選が行われまして本日は初めての会合でもございますので、まず私の方から一言ごあいさつを申し上げて、引き続き委員の皆様方にお一人約1分くらいでごあいさつをお願いしたいと思います。なお、資料3といたしまして、本専門調査会の委員名簿が配布してございますので、御参照いただきたいと思います。それでは、改めて一言ごあいさつを申し上げます。岩男でございます。どうぞよろしくお願いいたします。ただいま局長からもお話がございましたように、この基本問題専門調査会は男女共同参画推進に当たって最もコアの部分を担当する専門調査会でございます。そういうことでここで扱う問題は非常に重要かつ多岐にわたっておりますので、このたびの幅広い専門領域の皆様方の御参加に大変大きな期待を寄せているところでございます。私もできるだけ成果が上がるように努力をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、座席表の順にお隣の鹿嶋委員からお願いしたいと思います。
鹿嶋委員
鹿嶋でございます。どうぞよろしくお願いします。実践女子大学の教員をしておりますが、3月までは新聞社におりました。大学にはまだ入ったばかりでございますので、新聞記者の方がまだなじみが深いということでございます。どうぞよろしくお願いします。
伊藤委員
京都大学の文学部におります伊藤公雄と申します。私も4月に大阪大学から移ったばかりでございます。 ちょっと病気をいたしまして、以前と比べると10キロほど体重が落ちております。北村委員に、先ほど初めてお会いしたみたいなことをおっしゃられてちょっとショックを受けたところです。何とか体調も回復しつつありますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
大橋委員
山口県にあります西京銀行の大橋でございます。私は前職は日銀なんですが、10年ほど前に今の銀行に来まして、ずっと女性の活用をやりまして、実は今年、厚生労働省の方から、雇用均等推進の最優良ということで賞をいただいたりしました。私のすぐ下は女性で、この間、朝日の「Be」というのに出ておりました。ご覧になられた方もあるかもしれませんが、ほかにも支店長が7人いたり、役員メンバーも3人が女性で、日本では非常に珍しいんですが、私は当たり前のことをやっていると思っております。是非よろしくお願いしたいと思います。
北村委員
読売新聞の北村と申します。新聞記者を長いことしていた御縁でお招きいただいていると思うんですが、現在は各種調査研究をして、その結果をシンポジウム等でアウトプットする企画の部門におります。主に女性の問題を扱っておりますので、いろいろここで吸収させていただき、また、私どもの方からも申し上げたいと思っています。よろしくお願いします。
河野委員
キャリアネットワークの河野真理子と申します。よろしく願い致します。私は主に企業などの組織向けに、人材育成の仕事をしております。役職としては会長ですが、人事向けコンサルや育成の現場をずっと持っておりますので、企業の使用者側、従業員側、両者の間の課題が身近にあり、今、いろいろと感じております。実は私は長くメーカーのパイオニアというところにおりまして、子会社として29歳のときにこの会社を設立いたしました。この仕事、創業からだと20年、会社設立からだと17年になります。2年前に、会社ごとパイオニアから独立し、少し業態をふくらませた形で、現在は、企業支援と個人の支援の両方をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
久保委員
財団法人市川房枝記念会の久保と申します。よろしくお願いいたします。私どもは渋谷区代々木に婦選会館、女性が60年前に参政権を獲得したということを記念して建てられました建物を運営しております。そこで事務局長として運営全般に当たっております。特に昨年7月に創刊50周年を迎えました『女性展望』という大変薄い雑誌なんですけれども、その編集を担当しておりまして、この中でも何人か今まで取材やら何やらで御協力いただいた方がたくさんいらっしゃいますけれども、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
五條委員
五條満義と申します。かつては農業団体である全国農業会議所におりました。その後、現在の東京農業大学に移って9年目になります。極めて若輩者でありますけれども、今、若い人とか、女性の方々がどうすれば農林水産業を魅力ある職場として実感できる状況をつくることができるだろうか。このことを一つのテーマにしながら、一貫して家族経営協定ということを普及、研究してきたわけであります。そういう中で多くの農林水産業の方々から現場のいろいろな思いを踏まえて教訓を賜ってまいりました。そうした現場で議論を重ねて、感じた思いをこの調査会で訴えることができればと思います。よろしくお願いします。
坂本委員
NPO法人新座子育てネットワークの代表理事をしております坂本純子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私はまさに今回お招きいただいた女性の再チャレンジ、いつ再チャレンジしようかとウォーミングアップしている女性たちと日々一緒に活動しております。今日少し関連するような情報をお持ちいたしました。このようなことをしている団体です。子育て中の女性はさまざまな問題があります。地域の中でもいろんなチャレンジの芽はありますけれども、なかなか壁も厚く、思うようにいかない現状の中でもがき、苦しんでいるという状況であります。そういったお母さん一人ずつの状況をこの会議でお話しさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
桜井委員
この9月から横浜市男女共同参画推進協会に名前が変わりました。そこにおります桜井と申します。よろしくお願いいたします。今、2館、いわゆる男女共同参画センターを運営しておりますが、今月末、10月28日に3館目が横浜にオープンします。一番最初の館から18年やっておりまして、再就職の支援というのを柱の事業でやってきたんですけれども、最近一番感じるのは、女性の貧困化というのをひしひしと感じております。一方で今度オープンする女性センターが、日本で一番所得の高いという横浜市あざみ野という地域にオープンしまして、貧困化したところと、大変豊かな層との再チャレンジというのが両方課題だなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
住田委員
弁護士の住田裕子でございます。10年ほど前に弁護士になりまして、それ以前は検事で刑事事件を現場で担当し、また、法務省の民事局で民法、商法等の改正をしておりました。弁護士に替わりました年くらいに、当時の総理府の方で男女共同参画社会基本法をつくるということで、その答申の作成のお手伝いを始めてからこの会議等に連なるところでずっと所属をしております。現在は弁護士として、また獨協大学の方でも教えておりまして、男女共同参画の問題については、さまざまなところで勉強させていただいて、また、そういう意味では私たちの時代にできなかったことを若い方々に伝えていければなと思っております。よろしくお願いいたします。
辻村委員
東北大学の辻村みよ子と申します。専門は憲法学、及び最近ではジェンダー法学も担当しております。現在、21世紀COE「男女共同参画社会の法と政策」というプログラムを実施しておりまして、その責任者をしております。この調査会では以前に東北大学の取組みということでヒアリングを賜りました。また、ポジティブ・アクション研究会の専門委員もさせていただいておりました。日本学術会議で19期、20期の会員をしておりますけれども、とりわけ20期では科学者委員会が新たに設置されましたので、そこに男女共同参画分科会をつくりまして責任者もいたしております。学術会議として今後政策提言もいくということでございますので、併せまして、こちらでも勉強させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
寺尾委員
東京大学で英米法というのを教えております寺尾美子と申します。どうぞよろしくお願いします。私は基本法の策定のときからこちらとお付き合いをさせていただいております。基本法をつくったころにはこういう時代になるということは予測していませんでした。今、チャレンジを受けている状態だとは思いますが、そういうことを通じて日本におけるこうした問題が、地に足のついた本当に根本的な解決に向かっていくんではないかと強く希望しております。よろしくお願いいたします。
平野委員
平野と申します。日本広報センターの理事長を現在務めております。私はこの問題必ずしも深くはないんですけれども、ちょうど基本法ができますときに、当時内閣府の前身である総理府の事務のとりまとめをやっていたという関係がございまして、名取局長と一緒に法案の成立に少しだけ尽力させていただきました。特に私が今でも思っておりますのは、当時自民党の総務会というのは全会一致じゃなければ通らないということでございました。郵政のことで大分変わってきたんでございますけれども、それで私の仕事は、要するに御異論のある方を納得させることだということで、一生懸命やりまして、お陰様で全会一致で通させていただきました。今後ともひとつよろしくお願いします。
室伏委員
お茶の水女子大学の室伏でございます。どうぞよろしくお願いします。女子大学で毎日若いサイエンティストの卵たちを相手にいたしまして、教育研究に専念しております。私たちの大学は女子を教育してきたという長い歴史がございますので、女性のリーダーを送り出そうといろいろな面で努力をしてまいりました。6年ほど前から保育所をつくろうという運動が起こりまして、文部科学省の施設の中に高生労働省管轄の保育所はつくれないという、かなり面倒な反対もございましたが、それを何とか乗り越えまして、3年前に保育所もオープンいたしました。ここでは若い学生たち、大学院生たち、それから若い研究者たちの子どもさんを預かるということで、若い人たちが研究や仕事を続けることを何とか支援していこうという活動を、少しずつでございますけれども、行っております。私自身、男女共同参画という大きな目標を掲げて動いてきた訳ではなく、小さな歩みの中で女性たちを支援しようという形で活動しておりました。ここで皆様に是非いろいろお教えいただいて、女子教育の発展のために、また、日本の女性たちのために、努力できればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
八代委員
国際基督教大学の八代と申します。前に日本経済研究センターにおりましたが、今年の9月から母校に戻りましたので、よろしくお願いいたします。私はこの会議の前身の男女共同参画審議会のときから入れていただいておりましたけれども、ここはどちらかというと法学の御専門とかジェンダーの御専門の方が多いんですが、私の専門は経済学でございまして、経済学がこの問題とどう関係するのかということをよく聞かれるんですが、基本的に私は男女共同参画というのは、1つの競争政策であって、女性と男性が対等な立場で競争するということを目指すものではないだろうかと。言い過ぎかもしれませんが、そういうような観点から経済の効率化ということを考えていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
岩男会長
どうもありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って本日の議事を進めていきたと思いますが、ただいまごあいさつをいただいて、2まで終わりましたので、「3 運営規則について」でございますが、これにつきましては、まず事務局からお願いしたいと思います。
新木総務課長
男女共同参画局総務課長の新木でございます。座って説明させていただきます。本調査会の運営規則でございますけれども、まず資料2をご覧いただきますと、資料2は「男女共同参画会議令」でございまして、それの第4条の規定にこの政令に定めるもののほか、議事の手続その他会議の運営に関し必要な事項は議長が会議に諮って定めるということになっております。この議長というのは官房長官でございます。資料4をご覧いただきたいと思います。これが基本問題専門調査会の運営規則でございまして、平成13年5月14日に定まってございます。第1条は、法令や男女共同参画会議運営規則に定める以外の調査会の運営に関しては、この規定に基づいて行うということになっております。第2条は、調査会は会長が招集するということになっております。第3条は、調査会を欠席する場合は、代理出席や他の専門委員への議決権行使の委任はできない。ただし、意見があれば書面により提出するということになっております。第4条は、調査会を開くには、会長が出席し、かつ委員の過半数の出席が必要である。また、議事は過半数で決するということになっております。第5条は、議事要旨を速やかに作成して公表する。第6条は、議事録を作成し、調査会に諮った上で、一定期間を経過した後に公表する。 第7条は、会長に事故がある場合には、あらかじめ会長の指名する委員が、その職務を代理する。第8条は雑則でございまして、この規則に定めるもののほか、調査会に関し必要な事項は、会長が定めるとなっております。現在男女共同参画会議の下に設置されているほかの専門調査会の運営規則と同様の内容となっております。以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。ただいまの御説明にもありましたけれども、運営規則の第7条で、会長は会長代理を指名するということになっておりますので、会長代理としては、鹿嶋敬委員を指名することにしたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
鹿嶋委員
どうぞよろしくお願いします。
岩男会長
続きまして、議事の4に移りたいと思います。基本問題専門調査会の「当面の検討事項及び進め方について」でございます。事務局の方で資料を幾つか御用意いただいておりますので、これを御説明いただきます。いろいろ御質問がおありかと思いますけれども、御質問は説明がすべて終わってからにお願いしたいと思います。それでは、資料の説明をお願いいたします。
新木総務課長
それでは、資料5をご覧いただきたいと思います。「当面の検討事項及び進め方について(案)」というふうに入れております。まず検討事項の方は、3項目ございますけれども、1の(1)「積極的改善措置の目標(2020年、30%)に向けた取組のフォローアップについて」を御説明いたします。資料6をご覧いただきたいと思います。これは男女共同参画推進本部決定でございますけれども、社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的位置に女性が占める割合が少なくとも30%程度となるよう期待するという目標を含みます女性のチャレンジ支援の推進に向けた意見が、平成15年4月8日、男女共同参画会議決定ということでとりまとめられております。その後、ここにありますように、平成15年6月、総理を本部長とする男女共同参画推進本部におきまして、この2020年、30%ということが政府の目標として決定されたわけでございます。政府は民間に先行して積極的に女性の登用等に取り組むとともに、各分野においてそれぞれ目標数値等達成期限を定めた自主的な取組みが進められることを奨励するということも書いてあるわけでございます。資料7をご覧ください。現在、男女共同参画基本計画の改定に向けた検討を行っておりまして、基本計画の専門調査会の報告を経て、この7月25日に男女共同参画会議から答申を受けたものでございます。その14ページをお開きください。一番下でございます。ここに出ておりますように「『社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的位置に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるように期待する』との目標に向けて計画的に取組みを進めるとともに、各分野における指導的地位に占める者の範囲を確定し、定期的にフォローアップを行う。」ということを答申に掲げております。これは基本計画に関する専門調査会におきまして、この目標に関連いたしまして、あらゆる分野に30%となっているけれども、どうやって達成度をフォローしていくのかとか、分野によっては30%の中身が変わってくるので、分野をきちっと確定して議論をする必要があるのではないかという意見が委員の先生方から出されまして、こういう記述になっているわけでございます。再び資料5をご覧ください。1の(1)で、本調査会ではただいまの答申の記述にございます、各分野における指導的地位に占める者の範囲、及びフォローアップを行うための指標等について検討を行っていただきたいと考えております。恐縮でございますが、更に資料8をご覧ください。本調査会の今後の検討の参考になるものと考えております。これは内閣府から財団法人の家計経済研究所に委託いたしまして、女性のチャレンジ支援に関する評価方法調査を16年度、17年度と実施しているところでございます。本日御欠席でございますけれども、佐藤博樹先生が主査になっておりまして、この一番下の参考に掲げております。調査内容でございますけれども、1で女性のチャレンジ支援策の効果を把握するためのチャレンジの進捗状況を示す関連データの整理を行うとなっております。調査対象は2に掲げておりまして、既存のデータを調査するわけでございますが(2)にありますように、女性のチャレンジ支援の9分野(雇用、起業、NPO、農林水産、研究分野、各種団体、地域、行政等、国際)等々における女性の「上」「横」「再」チャレンジの状況を把握できるデータをとりまとめる、また、都道府県ごと経年のデータも整理するとなっております。これは17年12月までに関連データを整理して18年3月ころに報告書をとりまとめるというスケジュールで進んでおります。先ほどの備考にございますように、2020年、30%に向けたフォローアップと関連するということでございまして、次回以降の調査会におきまして、この状況を報告させていただきたいと考えてございます。それでは、再び資料5の方にお戻りいただきたいと存じます。検討事項の(2)(3)につきまして、推進課長から御説明いたします。
定塚推進課長
それでは、(2)でございます。「国の審議会等委員への女性の参画拡大について」でございます。ただいま説明のありました2020年、30%という目標は、政策方針決定過程の女性の参画の拡大ということでございますが、この先駆的役割を担ってきたものが審議会委員への女性の参画拡大及びその目標というものでございます。恐れ入れますが資料9と10をご覧いただきたいと思います。資料9、平成12年に男女共同参画推進本部決定といたしまして、国の審議会等における女性委員の登用の促進についてという決定がなされております。こちらでは平成17年度末までのできるだけ早い時期に30%を達成するよう鋭意努めるものとするということで、本年度末までのできるだけ早い時期に30%というのが現時点での審議会の登用目標とされています。引き続きまして、資料10でございますが、昨年の9月時点で国の審議会の女性委員の参画状況を調べた調査結果でございます。2ページ、女性委員の参画状況の推移ということで各年ごとの推移が示しておりまして、一番下の欄、16年9月30日時点では、委員総数1,767 名のうち女性委員数は499 名ということで28.2%となっております。目標は30%でございますので、あと少しという状況になっております。3ページ、これまでの推移をグラフにしたものでございます。見ていただければおわかりになると思いますけれども、平成元年のころにはまだ6.7 %という状況でございましたが、目標値を定め努力をした結果、現在の28.2%という状況になってきているというものでございます。4ページには、女性委員の占める割合が既に目標の30%以上を達成している審議会等を記載しております。かなり多くの審議会が30%以上になってきております。5ページ、「府省別女性委員の参画状況」を示しております。既に省庁別に見ますと、農林水産省、財務省、内閣符、文科省、環境省が30%を達成しているというところでございます。ほかの省庁につきましても、引き続き努力をしていくというふうに伺っております。5ページの下の表4でございますが、「委員の種類別女性委員の参画状況」という欄がございます。「職務指定」「団体推薦」「その他」と分けてございますが、「職務指定」と申しますのは、審議会等でこの職務に就くものをその委員とするという指定があらかじめされているもの、「団体推薦」は、ある団体から推薦をするものと定められているもの、「その他」は特にそのような規定がないものでございます。「職務指定」のところは、やはり女性の職場進出がまだ遅れているということから非常に低くなっているという状況でございます。6ページ以降は審議会の本委員ではございませんで、専門委員等の女性委員の割合のデータでございます。専門委員につきましては、16年9月30日現在で専門委員等総数9,885 人中女性は1,180 人ということで11.9%という状況になっています。冒頭御説明した30%の目標と言いますのは、本委員にかかっておりまして、専門委員等については、積極的な登用に努めることとするというふうにされておりまして、特に数値は掲げておりません。最後の7ページは「各府省における目標達成に向けての特色ある取組」ということで、各府省で30%目標に向けて、さまざまな努力をしている好事例を掲載させていただいております。現状はこのような状況でございますが、今年度末に30%の達成期限が来るということで、今年9月現在で調査を行っておりまして、その結果が11月にはまとまることとなります。30%を達成しているかどうかというのは、その時点にならないとわかりませんが、いずれにせよ今年度末で目標が切れるということでございますので、次の目標、現行目標に変わる新たな目標をいかにするかということにつきまして、次回以降のこの会議におきまして御検討いただきたいと考えております。続きまして、検討事項(3)の女性の再チャレンジ支援策でございます。資料11をご覧ください。女性のチャレンジ支援策ということで、さまざまな施策を進めてきておりますが、女性のチャレンジの中での3本柱の1つが女性の再チャレンジという位置づけをしてきております。子育て等でいったん就業を中断した女性の再就職、あるいは起業、NPO活動は非常に厳しい状況にございまして、これを支援するために、「女性の再チャレンジ支援策検討会議」という閣僚レベルの検討会議を新しく7月に設置をいたしました。検討会議の構成員は2に書かれておる関係各省の大臣レベル、主宰者は内閣官房長官となっております。こちらの会議でございますが、7月に設置は決定しておりますが、開催の方は今月末を予定しておりまして、年内にもう一回程度開催して、今年末までに女性のチャレンジ支援策という形で応援プランをとりまとめる予定でございます。なお、この女性の再チャレンジ支援につきましては、先ほど総務課長の方から説明をいたしました資料7の答申にも重要事項として掲げられておりますし、また、今年の夏に政府で決定をされました骨太の方針の中でも、少子化対策の一環という位置づけで「女性の再チャレンジ支援策検討会議」を起こして、女性の再チャレンジ応援プランを年内に決定するようにという御提言がされているところでございます。資料12、この会議で検討しようと考えている主な検討課題でございます。1つ目は、「国における総合的な情報提供・広報」ということでございまして、再チャレンジに関して総合的な情報を提供するようなホームページのサイトを立ち上げることであるとか、あるいは子育て中の女性が再チャレンジをめぐる状況を正しく認識してチャレンジすることができるような広報活動を提供してまいりたい、これを検討していきたいと考えております。次に「2 地域におけるネットワークの構築等による再チャレンジ支援」ということでございます。各地域では国の行政機関の出先機関、あるいは政府に関連したような21世紀職業財団等の法人、それから地方公共団体がそれぞれ再チャレンジに取り組んでいるわけですが、これらが有機的に連携しまして、ネットワークを組んで、例えば地域の女性センターに来ればそこで再チャレンジの相談ができる。並びに関連機関を御紹介いただいて、そこに行って学習をしたり、職業紹介を受けたりすることができる。そういったネットワークを構築することによって再チャレンジを身近に取り組むことができる、そうしたネットワークをつくりたいと考えております。次に「3 学習・能力開発支援」ということでございまして、特に主婦の方に就業につながる学習能力機会の確保の充実について検討してまいりたい。特に在宅でも可能な機会の提供、あるいは子連れでも勉強ができる機会ということについて検討してまいりたいというものでございます。次に「4 再就職支援」をいかにしていくかという施策の充実。「5 起業支援」の充実でございます。これらの検討を通じまして、現在、25歳から54歳までで264 万人おられます就業を希望される女性が、働きたいけれども希望する仕事に就けないとか、働くための準備として何をしていったらいいのかというニーズにお応えをして、再チャレンジの希望の持てる社会の実現を図っていくというねらいでございます。こちらの基本問題調査会におきましては、次回以降女性の再チャレンジ支援策検討会議の検討状況について御報告をさせていただきたいと思います。各委員におかれましては、何か御意見がありましたら、是非いただきたい、このように考えております。以上でございます。
岩男会長
官房長官がお着きになるようですので、途中になるかもしれませんけれども、お着きになったら中断させていただきたいと思います。
新木総務課長
それでは再び資料5に戻っていただきます。
岩男会長
細田官房長官が御到着になりましたので、私からこれまでの本日の会合の御説明をさせていただきたいと思います。19名中11名、新しい委員がお加わりになって、大変多彩な有能な方々でございまして、これからの議論を大いに期待しているところでございます。一言官房長官からごあいさつをいただければと思います。
細田官房長官
参議院本会議がございまして、遅れて参りました。内閣官房長官、男女共同参画担当大臣の細田博之でございます。一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。この基本問題専門調査会は、男女共同参画の基本的な考え方や、国民の関心が高い重要課題の調査検討という重要な役割を担っており、これまでも男女共同参画を推進する上で大変意義深い報告をしていただきました。特に平成15年4月には社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%となるよう期待するという目標を含む女性のチャレンジ支援策に関する意見をとりまとめられました。この目標については、その後男女共同参画推進本部において政府の目標として決定されております。現在政府においては、本年度中に新しい男女共同参画基本計画を策定し、施策の充実強化を図るべく検討を行っております。今後新たな基本計画に基づき更に強力に男女共同参画を推進することとしております。 このため今般本調査会に各分野から委員をお迎えし、新しい体制で2020年、30%の目標の実現に向けた検討などの御議論を始めていただくことといたしました。男女共同参画社会を実現するため、岩男会長を始めとする委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御意見を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。また、各先生にもいろんな御議論をいただいておりますが、やや誤解があったり、いろんな現場におけるさまざまな問題指摘があったりしまして、いろんな意見が今出ておりますけれども、男女共同参画社会の実現は世界的命題でございますので、皆様方の御支援によりまして、誤解をきちっと解きながら正しい方向に進むには、皆様方にお願いすることが最も大切なことであるというふうに考えておりますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
岩男会長
どうもありがとうございました。大変心強いメッセージをいただきまして、私どもこれから一生懸命頑張っていきたいと思っております。官房長官は公務のために残念ながら御退席になります。
細田官房長官
特別国会中で大変申し訳ないんですが、失礼をいたします。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
岩男会長
ありがとうございました。
岩男会長
それでは、大変すばらしいごあいさつをいただきましたが、また元へ戻って、新木総務課長、中断していただきましたところから、続けていきたいと思います。
新木総務課長
それでは、恐縮ですが、資料5をご覧いただきたいと思います。今後の進め方について御説明いたします。第24回は本日の調査会でございまして、当面の検討事項及び進め方を御議論いただくということでございます。次回は第25回、平成18年1月ごろの開催を考えております。その際には女性の再チャレンジ応援プランについての御報告、女性のチャレンジ支援策に関する評価方法調査プロジェクトでとりまとめましたデータをお示ししたいと考えております。また、審議会等における女性委員の割合の新たな目標についても御議論いただきたいと考えております。その次は26回でございますけれども、4月ごろを目途に開催したい。ここでは審議会等における女性委員の割合の新たな目標、女性のチャレンジ支援策に関する評価方法調査プロジェクトの結果について御報告させていただきたいと考えております。以降、回数は未定でございますけれども、1~2か月に1回くらい開催いたしまして、12月を目途に各分野における指導的地位に占める者の範囲、及びフォロ ーアップのための具体的指標についておとりまとめをいただきたいと考えております。以上でございます。
岩男会長
ありがとうございました。それでは、まだ少し時間がございますので、御自由に御質問、あるいは御発言をいただければと思います。例えば審議会の委員を30%にするという政策目標は、少数派であっても一定の数を占めることにより構成員の声が反映されることが民主主義の基本であるということで進めているわけですが、同時に女性が入ることによってどういう効果があったのか、例えばこれまで気がつかなかったような新しい視点での取組みが答申に盛り込まれたとか、数値目標を立てている裏にある、それをサポートするような情報があると、単に数だけ言っているわけではなく、こういう実質的なメリットがあるから推進しているということが言えるのではないか。そのためにはどういう情報を収集すべきかすぐにはわからないんですけれども、何かそういうことができないものかという感想を持ちました。
久保委員
さっき伺っておりまして、たしか審議会委員はお一人で幾つか兼務できたと思うんですが、男女別にその実数と言いましょうか、そういうデータがあれば女性の参画を進めていく上で何がしかまた考える上でのヒントになるのではないかと思いました。既にそのような御議論があって、データもあるのかもしれませんが、そのような感想を持ちました。
岩男会長
河野委員お願いします。
河野委員
30%の目標で、導入が難しいのは企業ではないかと私は考えております。今、これだけ厳しい中でお勉強として管理職の職位を与えるということは非常に無理があります。上場企業などのある限られた企業だけは可能かもしれませんが、(マネジメントなどの)質の差がまだある以上、周囲が受け入れること自体、非常に難しいのではないかと、現状では思っています。ただ、女性を中長期で雇用することを考える企業が多くなってきたのは事実です。まさに同じことになのですが、委員会の30%の方はいかがでしょうか。私などはこういう機会があるから入れていただいているのかとも思うのですが・・。本当のところ、女性が増えて、委員会の質はどうなったのか、というところも、裏ででも結構ですので、踏まえていただいて、その上で、だったらどうしなければいけないか、どういう経験を積まさなければ、本来はこういうところには呼べる質には至らないか、というフィードバックがされ続けないと、また、数だけで行ってしまうのではないかと思います。
北村委員
ほとんど重なるような事項なんですけれども、例えば新しい審議会が立ち上がる、あるいは定期的な改変の時期になると、人探しに大変苦労していらっしゃるということをよく聞きます。数合わせに終わると、同じような顔ぶれになる。そうしたら、恐らく窓口が、女性30%というのを意識するのはいいんだけれども、それを達成しなくちゃということが先に立って、どうせ数合わせで女性が入っているんだろうという見方につながることになりかねません。そうなると非常に残念です。そうなりますと、もうちょっと女性の人材、今かなり30代くらいの方、あるいは40代前半の方でも、若手の方で専門分野でなかなか御活躍をする方がいらっしゃるわけですから、何らかの形で人材を探して、常に意識するという機能を各省庁にも持っていただきたいということを強く思います。
八代委員
今のに関連するんですが、特に事務局の資料10のつくり方なんですけれども、これは全部グロスの数字で、今、両委員がおっしゃったように同じ人が、兼務でどの程度入っているのかというのが、これを見ただけではわからないと思うんです。是非その資料を集めていただくのと同時に、今、北村委員がおっしゃったように、事務局がどこかよその審議会に入っている人を借りてくるんじゃなくて、新たに探すという努力を奨励する必要がある。そのときの一番いい方法は公募なんです。これは非常に各省がいやがりますけれども、公募によって非常に隠れた有能な人材が発掘されるという例は幾つもありまして、私が関連しているのでは、構造改革特区の評価委員というのは公募でやりまして、本委員の中でも10人のうち3人が公募で非常にいい方が来ておられますし、そういうことを奨励することによって、兼務じゃない、ネットの新しい人材を発掘するということを各省に奨励するということが大事だと思います。
岩男会長
その公募は特に遅れている専門委員の登用に役に立つのかもしれないですかね。
辻村委員
今後の進め方に関連いたしまして、御質問したいと思います。今、おっしゃったことと若干関係がございます。24回、25回、26回となっておりますけれども、検討事項が3つありますうちの2番、3番から先にするように読めてしまうのですけれども、審議会の方から進めて、最後の方に一番難しそうな第1を行うというように、1と2を分けた形で議論するという御予定なのかどうか。こういう質問をいたしました理由は、1番で30%という数が出ておりますことと、2番で30%となっておりますことの論理的な関係でございます。先ほどの御説明では、1番の方の30%を先駆的に平成12年から先んじて2番でしたのだということでございますが、この点は恐らく次回以降の議論の中で明確にしていく必要があるかもしれないと考えました。と申しますのは、審議会のメンバーを指導的地位にある女性と位置づけるのかどうかということです。一般公募ということになりますと、これは例えば主婦代表であってもいいし、まさに社長でなくても、一般の社員の方も審議会のメンバーになれるという発想になるので、これは随分議論の仕方が違ってまいります。審議会の方の母体は全国民すなわちすべての人だとすれば(男女の人口比に照らして)50%まで目標になってもいいはずだと。しかしながら、1番の方はキャリアが問題になりますので、50%になるわけはないということで、1番と2番の関係も恐らくは議論する必要はあるかと思います。したがいまして、その理論的な関係を抜きにして、2番だけから議論するというのは、少し困難があるかもしれないという印象を持ちましたので、今後の進め方についても、その点も御検討いただければありがたいと存じます。
岩男会長
実は時間的な問題とこれは関係していると思うんです。例えば審議会の場合には17年度末までに30%というふうになっております。それをにらみながら検討することになるはずです。それから、指導的地位に占める女性の割合というときには、その範囲をどうやってはかるのか、どうやって評価をするのか、それが先ほど説明のあった佐藤委員を主査とする調査会で調べてくださるということもあり、その結果も踏まえながら議論をしていくという段取りかなと私は勝手に解釈をしておりましたが、それでよろしいんでしょうか。
名取局長
はい。
辻村委員
わかりました。
岩男会長
いかがでしょうか。
住田委員
先ほど岩男会長がおっしゃったように、やはり数値目標は目標としても、それによってどのような実質的な効果があるかということについての検証もあった方がいいと思います。ひとつの例として、企業との関係では、2、3年前に経産省が女性を活用している企業は業績もよろしいという分析も含めたものが出されたものがあったと記憶しています。できればああいうもので最近のものがあれば非常にありがたいと思います。また、あらゆる分野ということになりますと、GEMに響いてくる目標がたくさんありますので、GEMの中身について、その一つずつの指標について、ほかの国に比べて我が国はどうかということを分析し、この場で一度御説明いただければありがたいと思います。特に今回、国会議員の数が変わりましたので、どのくらい反映するのか楽しみにしているわけです。
名取局長
新たに計算しましたところ、43位から1つ上がり、タンザニアは追い越せますが、41位のマケドニアには負けます。
岩男会長
実は、今回増えた国会議員が入ったことによってどう変わるのかということを話題にしたときに併せて申し上げたのは、GEMを構成するどの要因がどのくらいになったら何位になるかというシミュレーションをやってくださいということです。そうすると、日本はどの要因で後れている、あるいはどの要因は当分あげるのは無理だから改善が実現できそうな要因に力を注ぐとか、戦略的にいろいろ対応の仕方があると思うんです。そろそろシミュレーションをして、日本はこの辺にという目指すものをはっきりさせていいのではないかと思います。
伊藤委員
今の御意見とも関連しますが、先ほど住田委員がおっしゃった経産省のデータですけれども、たしか昨年新しいものが出たと記憶しています。ダイジェストでもいいですから委員に配布していただけませんか。女性の従業員数が5割になるまでは、従業員数の増加とともに業績がアップしているというデータだったと思うんですけれども、そういうデータを共有するというのは大切なことだと思います。女性の参加による影響ということを委員全体で確認をするという意味もあると思うんです。 データをきちんと集めておくということが大切です。まず現状把握をきちんとして、どれだけの資源があるのかという見通しを立てた上でフォローアップということが出てくるのだと思います。基本的なデータに関しては、まだまだ足りないと思いますので、参画についてのデータ整理をまずお願いしたいと思っております。
鹿嶋委員
GEMの3つのファクターの1つの国会議員ですが、最近の流れとしては、ただ単に女性の国会議員を増やせばいいのとかという議論も出てきていて、その辺りの質が少し変わってきているような感じもしますので、GEMは女性の国会議員が増えないと絶対に上がらないんですけれども、その辺りはどう考えていけばいいのかというのを疑問として1つ持っています。もう一つは、30%、2020年までの指導的地位というのは改めて議論するんですか。おおまかなものは既に出ていますね。もう一回議論をきちっとし直すんですか。
岩男会長
やはりここで範囲を明確にする必要が私はあるように思います。それでは、時間の関係もございますので、五條委員でおしまいにさせていただきたいと思います。
五條委員
1つは、国の審議会の委員を30%へという議論が非常に全面に出ているわけですが、国と都道府県段階、市町村段階というのが全部つながっている関係を重視していかなければいけない。例えば農林水産省関係ではこの30%を超える審議会の委員を出しておりますけれども、市町村段階の現場では、女性の農業委員を全体で1%増やすということだけでも非常に今努力をしているという状況であります。そういうことで現場段階と国段階ということについて、両方向から指導的な立場に登用される女性の割合というものを増やしていく取組みをしていかなければいけない。そういう中で国の審議会の委員が30%になっていくというような中で、これを1つの牽引力にして、県や市町村段階にどういう波及効果をもたらしていくのか、それを踏まえてどういう働きかけをしていくのかというのが非常に大事な課題ではないかと思います。2点目は、ここ数年、現場の指導的な立場に登用された方々がどういう経路でそこに登用されるようになったのかということについての事例のモデル化を盛んにやっております。農林水産関係でもこの人がどうして、どういうことを克服して、例えば農業委員になれたかということを、事例を通じて検証することを蓄積してきたと考えます。そういう中で国の審議会委員に、女性を登用する場合に、どういうことが固有の課題として問題があって、なかなか登用されないことが起きるのか。その辺のモデル化に基づく検証ということも非常に大事ではないかということです。最後にもう一点ですけれども、国の審議会に占める女性委員を30%にということよって、どういう実質的な効果があったのかを問う動きが活発になっています。確かにこれは非常に大事なことなんですが、今、現場で問題になっていることは、国や県の段階でそういう議論がよく出ることによって、市町村現場でも、女性が指導的な立場に登用されることによって、どういう成果をもたらしたかがよく問われるんです。そうすると、登用された女性は、男性の場合に比べ、はるかに責任が重くなることにもなりかねません。男性は言わば既存の社会構造の上に乗っかって各種の役職に登用されていますので、言ってみれば、それほど本人の努力がなくてもある程度のことができたりするんです。女性の場合は、それを支える社会的な構造、仕組みというものが未整備の場合も多いので、きちっとしたフォローアップ体制をどうつくっていくかということが非常に大切になってくるわけなんです。だから、登用された女性のもたらした成果について、国や県が杓子定規に出させるということになると、現場が非常に困る場合もあります。その辺、どういう形で女性の登用に伴う実質的な成果を見ていくのか。それを取り巻く条件はどうだったのかということを考えながら検討していく必要があるんじゃないかと感じます。
岩男会長
ありがとうございました。それでは、手短にお願いいたします。
室伏委員
ただいまの五條委員の御意見に賛成ですが、数と質ということの議論だけが空回りしないためには、具体的な環境整備についてかなり議論を深める必要があると思います。そういったことで実質的に実を上げることをこの調査会では是非目指していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
岩男会長
ありがとうございました。これからの検討に向けて示唆に富んだ御意見を多々いただきまして、いろいろとしなければいけないことがたくさんございます。それから、事務局には資料整備その他、大変宿題が多くなるということで覚悟していただきたいと思いますけれども、今後大変活発な御議論が行われるということで大いに期待をしております。本日予定をしております議題は以上でございますので、次回は資料5にございますとおり来年の1月ごろに開催ということで、その後はおおむね1か月から2か月に1回のペースということになっております。大変お忙しい中恐縮でございますけれども、どうかよろしくお願いをしたいと思います。それでは、本日の会合をこれで終了させていただきたいと思います。大変ありがとうございました。

(以上)